マラソン(marathon)とは、42.195kmを走る陸上競技である。
概要
都市国家・アテナイを始めとしたギリシア諸国とアケメネス朝ペルシアの間で起きた「ペルシア戦争」において、紀元前450年9月12日に「マラトンの戦い」が勃発。マラトン平原にてギリシア連合軍はペルシア軍を撃退し、オリエントを統一した大帝国の領土拡大の阻止に成功した。
この大勝利をアテナイの元老に知らせる為、駿足の伝令・フィリッピデスが選ばれる。彼は戦場となったマラトン平原からアテナイまでの約40kmを休みなしで走り続け、遂に城門に到達。「ネニキカメン(我ら勝てり)」と叫んで力尽き、そのまま息を引き取ったという。
この故事にならい、1896年にアテネで開かれた第1回オリンピックにおいて、マラトンからアテネのパナシナイコ競技場までの競争競技が行われる事となった。これが最初のマラソンである。
当初はコースの距離が一定ではなく、マラトンからアテネまでの距離、おおむね40kmを走っていた。
現在の「42.195km」という距離が設定されたのは第8回のパリオリンピックで、第4回のロンドンオリンピックにおける走行距離(市街地42km+競技場の200mトラック1周弱)を元としている。これ以降はこの距離で固定されている。
当初近代オリンピックでは、陸上競技に参加できるのは男子だけだった。
「体力的に女子の参加は不可能」という意見が多かったが、主催者に隠れて女子選手が「非公式に」参加する事が増え、1972年から公式に女子部門が開設された。
なおオリンピックの正式種目として女子のマラソンが正式採用されたのは1984年、第23回のロサンゼルスオリンピックからである。
日本で初めてマラソンが開催されたのは1909年(明治42年)で、兵庫県で開催された。以後人気種目となり、金栗四三・円谷幸吉などが活躍。1970年代から90年代にかけても、瀬古利彦・宗茂・宗猛・谷川浩美などの選手を多く輩出した。
女子では有森裕子、高橋尚子、野口みずきなどの活躍があり、世界記録や優勝・上位入賞してきた歴史を持つ。
主要なマラソン大会
- アテネクラシックマラソン
- ロンドンマラソン
- ベルリンマラソン
- 東京マラソン
- パリマラソン
- ローマシティマラソン
- ボストンマラソン
- シカゴマラソン
- ホノルルマラソン
- ニューヨークシティマラソン
- ドバイマラソン
- ソウル国際マラソン
- マカオ国際マラソン
- 北京国際マラソン
- ゴールドコーストマラソン
その他用法
マラソンの長時間走り続ける苦痛に満ちたイメージから、以下の意味で使われることがある。
- 長距離を走る陸上競技の総称。「42.195kmを走る陸上競技」以外は厳密にはマラソンではないため、区別のために形容詞が付けられる。
- 陸上競技以外で長距離・長時間行われる物事全般。
(例)ハッカソン(ハック+マラソン) - MMORPG等で崩れた時の建て直し、プレイヤーより鈍足の敵をハメる等の目的で敵との距離を取るため走り続ける行為。
- 目的を果たす・続けられなくなるまで一定の行為を繰り返すこと。
(例)リセットマラソン・リタイアマラソン・テトリス等のマラソンモード - モロボシ・ダン「それは、血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ…」
関連動画
関連項目
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