「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」(原題:Tout en haut du monde)とは、2015年に公開されたフランス・デンマーク合作の劇場版アニメである。
2016年にTAAF(東京アニメアワードフェスティバル)長編アニメーション部門において、グランプリを受賞。
概要
19世紀のロシアを舞台に、貴族の子女サーシャの冒険と成長を描く。
2Dセルルック(3Dアニメを2D化するアニメの手法)を用いて製作されているが、一般的なアニメのように背景の色とキャラクターの色の境界が黒いアウトラインで仕切られていない。そのためシンプルながらも絵画のような独特な美しい映像に仕上がっている。
また、物語の主な舞台となる帆船のモデルも当時の様々な帆船を参考に細部まで丁寧に作成されており、SEの音源を本物の帆船で収録したりと、600万ユーロ(7億2千万円)という低予算ながら、非常にこだわりを持って製作された作品である。
あらすじ
舞台は19世紀ロシア、サンクトペテルブルグ。
14才の貴族の子女サーシャには悩みがあった。1年前に北極航路の探検に出たきり帰ってこない大好きな祖父。探索船は出たものの未だ行方が分からない。祖父と家族の名誉は失われ、祖父の名を冠する予定だった科学アカデミーの図書館も開館が危ぶまれている。ロシア高官の父は、そんな状況にあって、なんとかローマ大使の道を模索するが、そのためには社交界デビューの娘が皇帝の甥っ子に気に入られるしかないと考えている。
社交界デビューの日、サーシャは祖父の部屋から航路のメモを見つけ、それが捜索船がたどったものとは異なる事に気付く。再び捜索船を出して欲しいとサーシャは舞踏会の場で王子に懇願するが受け入れられない。王子の不興を買い、父からの叱責を受けた娘は、自ら祖父の居場所を突き止めようと決意する。― サーシャが目指すものは、祖父との再会、それが叶わなくとも遭難した艦船ダバイ号の発見、そして何よりも真実を突き止める為の旅だった。
なんとか港までたどり着き、北方行きの商船ノルゲ号に乗せて貰おうと船長の弟に話しを持ち掛けるが、手違いもあり港に取り残される。食堂の女主人オルガの手助けにて、住み込みで調理や給仕といった未経験の仕事をしつつ船の戻りを待つ。その頑張りが認められようやく船に乗り込んだ後に待ち受ける多くの試練。船乗りの経験も無く、しかも女性であるサーシャには、想像を絶する困難が待ち受けていた。
そして―
スタッフ
監督:レミ・シャイレ
脚本:クレール・パレオッティ/パトリシア・バレイクス
作画監督:リアン-チョー・ハン
音楽:ジョナサン・モラリ
キャスト 原作/日本語吹替版
サーシャ:クリスタ・テレ/上原あかり
オルクリン:フェオドール・アトルキン/弦徳
カッチ:トマ・サンゴル/浅水健太郎
ラルソン:レミ・カイユボ/成澤卓
ルンド:ロイック・ウードレ/徳森佳輔
ナージャ:オドレイ・サブレ/石原夏織
関連動画
関連リンク
関連項目
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