ヴィッシュ・ドナヒューとは、「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」に登場する人物。
CVは平田広明。
概要
ジオン公国軍・オーストラリア方面軍に所属する、「荒野の迅雷」の異名を持つエースパイロット。階級は中尉。専用機の肩には骸骨を模したマークが施されている。主人公のマスター・ピース・レイヤー率いるホワイトディンゴ隊のライバル的存在である。搭乗機はグフと陸戦型ゲルググ。
初登場作品となった「コロニーの落ちた地で…」では声のみの登場で、容姿は判明しなかった。後年の作品では容姿が新たにデザインされ、右目に眼帯をした強面の人物として描かれた。小説版ではジオン鉄道大隊の小泉摩耶大尉と交際関係にあったが、破局している。
作中では
オデッサの戦いを制した連邦軍は、開戦から続いた11ヶ月の沈黙を破り、オーストラリア全土で反攻作戦に出た。オーストラリア中央部に位置する、要衝のアリス・スプリングスの街に配備されていたヴィッシュは、侵攻してきたホワイトディンゴ隊と初めて交戦する。この時の搭乗機はグフ。だが市街地への被害を望まないヴィッシュは、これから街を通過する輸送列車を見逃せば、無血でアリス・スプリングスを解放すると提案。ホワイトディンゴはこの要求を受け入れ、列車は無事に通過。ヴィッシュは撤退した。
次に登場したのはジオン軍オーストラリア方面軍最後の砦、ヒューエンデン基地の攻防戦だった。搭乗機をゲルググに変え、圧倒的な物量で攻めてくる連邦軍に立ち向かう。いよいよHLV発射場に現れたホワイトディンゴ隊を迎撃するため、制圧機動兵器ライノサラスとともに出撃。最後の死闘を繰り広げる。
激戦の末、ヴィッシュのゲルググは討ち取られる。「学徒兵を犬死させないようにしてくれ」と懇願し、戦死した。
小説版では
原作では2面と最終面しか出番が無かったが、小説版では出番が増えている。
ジオン軍の占領下にある要衝アリス・スプリングスの守備隊長として初登場。連邦軍から「ジオン軍には武人はいるが、軍人はいない」(各個の職人技は凄いが集団行動が出来ないという皮肉)と言われる中、ヴィッシュは連携プレーを重視する軍人だった。またジオン兵は先述の皮肉を褒め言葉と受け取ったが、ヴィッシュは皮肉であるとしっかり見抜いていた。「軍人」であるヴィッシュは個人プレーより、集団行動を重視して部下の育成に力を入れた。しかしヴィッシュ自身が個人プレーで戦果を挙げたエースパイロットだったのと、十分な育成期間が取れなかった事から突出する部下が相次いだ。この事はヴィッシュを嘆かせ、チームでの連携を行うホワイトディンゴ隊の事を羨ましくも強敵と捉えていたようだ。
元恋人の小泉摩耶大尉率いる鉄道大隊が、連邦軍(ホワイトディンゴ隊)の攻撃を受けるアリス・スプリングスを通ると知ったヴィッシュは一つの奇策に打って出る。それはアリス・スプリングスの無血開城だった。戦闘をすれば市民生活に被害が出ると憂慮したヴィッシュは、見逃してくれれば退却するという交渉をホワイトディンゴ隊に持ちかけた。連邦軍としても市民の犠牲を出したくなかったので、レイヤー中尉はこれを受諾。アリス・スプリングスからはジオン軍が撤退し、戦闘を経ずに連邦軍が占領。そして鉄道大隊も巻き込まれずに街を通過した。
その後は輸送部隊オクトパスの責任者ユライア・ヒープ中佐の無茶振りに振り回されながら、オーストラリア脱出作戦「月の階段」の準備を行っている。
基本的な流れは原作と同じだが、アスタロスを巡って特殊部隊マッチモニードと対立する描写が新たに描かれている。トリントン基地では遠くからホワイトディンゴ隊を攻撃しようとしたマッチモニードのドムをビームライフルで撃破、間接的にライバルを支援した。
ヒューエンデン基地防衛戦では、貴重な戦力として活躍。HLV発射の障害となる連邦軍の航空基地を強襲し、壊滅させる戦果を挙げている。また管制室に立てこもったマッチモニードのリーダー格をビームライフルで消滅させ、火種となっていたアスタロスも処分した。最後はレイヤーのジム・スナイパーと切り結び、作戦成功を確信したところでわざと討たれた。
関連項目
- 1
- 0pt