伝書鳩とは、
である。本項では双方について解説する。
1.通信手段としての伝書鳩
伝書鳩の歴史は古く、紀元前約5000年のシュメールでの文明でもその使用がうかがえる史跡が残っており、1960年代まで使用されてきた。その用途は、主に情報の媒介をするために使用され、近代では、軍や新聞社など仕事の上でも使用されていた。現在では、その技術などが失われ、現存する伝書鳩はほぼレース用となっている。また、使用には農林水産省により脚環の装着と所有権登録、迷い鳩の引き取り、ワクチンの接種などが義務付けられ、これを守らなければならない。鳩の帰巣本能はかなり正確なものであり、訓練された鳩であればかなりの数が戻ってきている記録が新聞社などである。事実、近代まで使用されてきていたのはその正確な伝達手段として有効であったからと推察される。
2.ネットスラング
ネットスラングとしての伝書鳩は、通信手段での「鳩を使って情報を他者に伝える」ことに例え生まれた言葉。生配信などで配信者とは関係ない別の配信者の話をリスナーが出し、コメントする行為のことである。この行為そのものを「鳩行為」、そのコメントをする者を「伝書鳩」「鳩」と呼ぶことがある。かつては「出張」とも呼ばれていたが、2020年現在ではこの単語の使用もされるようになってきている。
具体的に鳩行為と呼ばれるコメントとして、Aという配信者がマリオカートをやっていたとして、「Bくんもそのコースこの前選んでたよ」などとコメントする者を鳩、そのコメントを鳩行為と指す。広義には「○○から来ました」といったコメントもこの鳩行為の対象とされる。
この鳩行為は、鳩が配信に「配信内容と関係ない話を出す荒らし」であると認識されるケースが多く、生放送が荒れる原因の1つとしてあげられている。ただし、この鳩たちの多くは悪意のない無自覚な荒らしであることが殆どであるため、配信者や他のリスナーは荒らしであると思ってもこの鳩に対して過剰に反応することは先決ではないだろう。スルースキルを意識し、荒らしに反応するのも荒らしであることを自覚するべきである。行為自体は重大な場を乱す行為でないことが多いことを念頭に置き、配信者はもし注意すると判断しても語気を強くせず「やるな」「やめろ」ではなく、「するべきではない」とあなたが思った内容を簡潔に反応するべきだろう。本当に荒れる原因は他のリスナーが反応することだろう。あまりに鳩行為が多ければ、各自で優しく教えるべきだろう。
他のリスナーはコメントで自治を行うべきではなく、その場でやり過ごすことを考えることが大切。この伝書鳩によって荒れる原因は、間違いなく、殆どこの鳩に反応したリスナーが原因で荒れが発生している。自治厨は配信者などにとっても望まれない存在となりえる。極論、荒らしは一切注意・反応をするべきではない。
聞き手は、他所での身内ネタや他の配信者などの名を出さず、その配信内容と直接関係のあるコメントをすることが基本である。しかし、近年スマートフォンの供給により、ネットリテラシーやマナーを学ばずにネットに触れるものが増えており、荒らしの概念がわからない者も多い中で、この大百科が作成される今日まで、「鳩行為」などについてネットにまとまったページは少なく、この「鳩」という一言だけで伝わらないことも多い。配信者は「鳩行為禁止」であるとか「鳩はやめてね」とだけ書くのではなく、具体的な文言で注意を促すことが必要だろう。
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関連項目
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