南海奇皇(ネオランガ)とは、かつてWOWOWのノンスクランブル枠にて放映されたテレビアニメである。制作はスタジオぴえろ。全48話。
30分の枠でもう一本の作品も放送しなくてはならないため各1話は15分程と短かった。1部終了後半年が経過してから2部が放送された。
概要
血筋により神という偶像を背負いこんでしまうという出だしからはじまり、体制に虐げられながら悪と戦わざるをえなくなるという一聞ではヒーローもののような展開であるが、作品自体はヒロイズムを廃している。
舞台となるのは武蔵野のしなびた住宅街、三姉妹は昭和期に建てられただろう和風の家に住んでドテラを着込んだ印象的な姿を何度も披露し、会話もせせこましいものが多い。そのくたびれた家からはじまりどんな出来事があってもそのくたびれた家に戻る。家、ひいては島原という家族、そして家族を取り巻く隣人がカメラの対象であり、一風変わった存在が入り込んだことで浮き上がる人々の葛藤、ならびにそれでも変わらない日常がよく描かれている。
話の流れ
1部ではランガを受け入れ折り合いをつけていく姉妹の姿が中心となり、終盤に彼女らを利用しようとする者達により追い詰められていく。
2部では彼女らが敵対者と対峙する姿が描かれる。
登場人物
島原海潮(うしお)
主人公。島原三姉妹の次女。15歳くらい。真っ直ぐで闊達な女の子。正義感が強く、それ故に大人のルールの強制や諦観した振る舞いが理解できない許せないということが多々ある。
女子サッカー部に所属。
声優：宮村優子。
島原魅波(みなみ)
島原三姉妹の長女。24歳くらい。家庭を支える苦労人。プロダクション経営者であるが事業がうまくいっておらず新聞配達や夜の仕事もこなしている。ゆえにリアリストで時に拝金主義。
兄である勝流に対しては禁忌ともいえる想いがあったのではないかと疑える描写がある。
声優：住友優子。
島原夕姫(ゆうひ)
島原三姉妹の三女。12歳くらい。何かに縛られることや正当性のないことを押し付けられることをひどく嫌い、悪意ある敵対には容赦しない。時に勝気で時に奔放。
兄の友人であり足長おじさんである藤原和王や自分を慕う甥のジョエルを手玉にとる悪女のような面も持つ。
海潮からは ゆうぴー という愛称で呼ばれる。
高名な私立学校である宝院学院へ教師である和王の推薦により奨学生として通っている。
声優：仙台エリ。
ジョエル
三姉妹の兄である勝流の遺児。9歳くらい。やや不慣れだが日本語はペラペラ。
いつも素直で懸命ないい子。振り回されたり難しい立場に立たされることもあるがそれでも三姉妹の味方。
年の近い叔母である夕姫のことを慕っており、時にそれは恋に近いのではとさえ思える。
声優：宮田始典（現：宮田幸季）。
藤原和王
勝流の友人で何かと三姉妹のことを気にかけてきた。特に夕姫へかける愛情は度を過ぎている。ぶっちゃけロリコン。35歳。
実は虚神の威光を利用して世界の覇権を握ろうとする虚神会のメンバー。三姉妹を陥れる一助となっていたのだがそれはそれとして三姉妹とは変わらぬ交流を図ろうとしていた。
声優：宮本充。
スタッフ
- 監督：神谷純
- 原作・シリーズ構成:會川昇 － 最初の数話および最後の数話の脚本は全て彼が担当している。
- 音楽：蓜島邦明 － 1部・2部OP曲、および劇中BGMを担当。OP曲の2曲に代表される、彼の持ち味でもある民俗音楽風の楽曲群は印象的であり、本アニメを語る時によく話題にのぼる。1部OP曲「風の眠る島」では主演声優らの歌唱が入っており民俗音楽っぽさはやや薄められているが、2部OP曲「神to汝（カミトナレ）」は歌詞の無い楽曲でもありかなりエスニックなものとなっている。ガムランの響きやケチャに似た男声の掛け声が多用されているところは、インドネシア音楽も思わせる。
関連動画
関連項目
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