設定資料集とは、アニメや漫画、ゲームなどの作品の設定資料をまとめた書籍である。
公式に限らず、二次創作の作品やイラストにおいても用いられる。(ファンアートなど)
単純に設定資料とも呼ばれることもある。
概要
既存の作品・キャラクター・メカ等を正確に描く際に必要となるもの。
細部の矛盾、作画ミス、作画崩壊といった事故を防ぐためにも用いられる。
瞳や髪の色、装備品の細部といった目に見える要素から、
プロフィール、性格、スキル、特技、弱点、ステータスといった特徴まで多岐にわたる。
逆に、特にモデルなく適当に描いてしまう際はあまり必要ないが
好みのキャラクターデザインができた際、設定資料を肉付け、煮詰めていくといった手法はある。
特に身長を示す目盛りと身体を並べて示すものはマグショットと呼ばれる。
大勢が出てくる作品においては、キャラクターを並べて比較しやすくしたものもある。
(→マグショット)
手に入れる方法
作品によっては公式HPにおいて、一応のプロフィールのほか全身像、側面図、後ろ姿、表情の違いが添えられる例もあり便利な場合も多い。また公式、制作会社のtwitter等で断片的に小出しにされる場合もある。大きなネタバレを含む場合は作品連載やアニメの放送終了後に公開される場合もある。
物理書籍として書店販売の場合、大抵の場合は大判やハードカバーといった特別な仕様の本となる。
名前は様々だが、公式(オフィシャル)ガイドブック、ファンブックとも呼ばれる場合もある。
その他円盤特典としての非売品、同人誌即売会での作者による配布(よく非公式扱いにはなるが)なども行われている。
また本家ではないが、個人でキャラクターをよく考察し
全身像やメイキングなどを動画・静画で上げている方もいる。まさに愛。
さらに詳細
キャラクターの設定画や決定稿に至るまでのラフ、その他背景美術や劇中では分からない・分かりにくい設定を網羅したファンアイテムと言った趣が強いものだが、二次創作イラストの資料や物語の作り方の参考書としても役に立つものとなっている。
記憶はあいまい
上手く描きたいが資料を見るのが面倒、集めるのが面倒と記憶に頼る方法もあるが…
既にそれを描き慣れている場合を除けば、覚えているのは髪の色と長さ、大まかなすぎる服の形くらい。「ドラえもんと初音ミクとスーパーマリオ描いて」と言われても細部まで正確に思い出せないような感じである。[1]
「コレジャナイ」になるのがオチなので、なるべく本家を見てみよう。
設定資料がなかったら
資料となる構図を探す・集める時間が非効率であったり
理解が困難になる、誤認してしまい間違った描写を起こしてしまう。
例:シーンによってサイズや長さ・身長・身長差が著しく変化してしまう
並べてみたら鞄や容器に入れるはずの、物品が入らないなどサイズ的な矛盾。…等。
作中で違和感を感じるほど絵柄や内容・細部が変わらないよう、
漫画家のアシスタントや、アニメーターさんに指示するための資料もある。(見ながら描く)
稀に原作者自身が油断し、設定を忘れて描く場合もある。
- アニメや漫画から目当てのシーンを探し出す必要があり非効率。
- 全容把握・習熟に時間がかかる。
- 実作品の場合、公式制作なのに違和感を指摘されるといった恥ずかしいことに。(作画崩壊など)
服装の詳細が分からなくとも、形状や色彩をちょっとアレンジしたり、服装自体を変える、コスプレさせてしまうなどアイデア次第で応用は可能である。
資料があっても「上手く描けないな」という方は、
身長を頭身(頭の長さ)[4]で割って何頭身か、どの位置に何があるのかを把握する、
比率割合に注目するのも非常に有効である。(幅や縦横比・占有範囲、パーツ位置の微調整も含む)
その他の意味
しかし、この単語の内包する意味はそれに留まらない。
特に僅かなりとも創作行為をしたことがある者には重大な質量を持つ五文字である。
覚悟が出来てからのスクロールもしくは退去をお勧めする。
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警告はしました。
封印の扉は今、解き放たれた
それは、いつしか創造者によって深淵に葬り去られた禁忌の書。
それは、この世の果てで凍土の中に眠る時の結晶。
それは、人ならざる者との交信を書き記した精霊秘文。
それは、瞑き情熱により糊塗された暗黒魔導書。
それは、終ぞ結実しなかった夢。
早い話が、今もご実家のどこかに
眠っている可能性が高い†アレ†である。
TRPGのキャラクターシート的なものを手書きまたは定規で枠を引いて作り、そこに主人公たるオリキャラの顔だけのイラストと能力値等のプロフィールを書き込んでいくスタイルもメジャーと思われる。ほとんど他人の目に触れる機会が無いというのにメジャーとはこれ如何に。
これは特に、設定だけ作って満足or気力が尽きたというケースで量産されてしまう傾向にある。大抵は身の丈的に能力に合わない壮大なストーリー構想のものをいきなり作ろうとして失敗した残骸である。
また、小説を始めとしたアマチュア作品(時にはプロの商業作品さえ)でも膨大かつ専門用語多数で理解しにくい設定を作り込みすぎて「まるで設定資料集を読んでいるようで面白くない」と言った評価が下されることがある。
以上を踏まえるとストーリーを作る系統の創作全般にとって、「設定資料集」という言葉はトラウマ的な殺傷力をポテンシャルとして保持していると言えるだろう。
発表の場が充実する現在は
しかしこういった本棚の奥でお手製の設定資料集が肥やしになるのは、ネットで創作物を発表するのが非常に手軽になっている現在では昔に比べ少なくなっていると思われる。
誰の目にも触れない類の設定資料集が生み出されるのは「作る」と「発表する」の間に分厚すぎる障壁があるが故である。クリックまたはタッチ一つで多くの人が集まるサイトに匿名で簡単に作品を出せてしまう場合、わざわざそんなもの作らなくてもいきなり作品として出してしまった方が早いのだ。
じゃあ設定資料集を作る意味って
設定資料集というものに価値がないわけではない。
その証拠が、冒頭に上げた「プロダクトとして完成した作品についての詳細な作られ方、またそれで使われたプロの高い技術や考え方を知ることができる」設定資料集というのは書籍としては高価にも拘らずファンアイテムとして根強い需要があるという事実である。
また、アマチュア創作活動においてもピクシブやツイッター、ニコニコ静画などで「うちの子の設定資料」「うちの作品世界の設定資料」と言ったものがよく放流される。よその子描いてみたなどの交流活動にも活用されるが、(技術的に拙い時点から)積極的に人の目に触れさせることで洗練させていくやり方が現在の主流なのであろう。
やはりキャンパスノートで作成し本棚のどこかに封印される種類の設定資料集は、今後ますますレアになって行くと思われる。
商業企画段階の設定資料のひみつ
かっこいい主人公とかかわいいヒロイン等の設定画の隣には、ネットで拾った画像やら他作品のスクショなんかが「○○っぽいもの」と言う風な参考として普通に張り付けてあるという…。当然ながら出版時には消えている。購入した設定資料集の掲載絵の解説文に変な空白の残滓が見えたなら、きっとそれかもしれない…。
オマケ
ある程度以上の立体感を与えてしまうと例の趣が完全消滅してしまうのは多少寂しいところではある。
関連静画
設定資料集タグこそないがつまりコレである。
なお静画を「設定資料集」で検索すると、自作品のソレよりも公式への設定資料集発売リクエストor買いましたの内容が大量に引っ掛かる。
関連商品
設定資料集に関するニコニコ市場の商品を紹介してください。(特にない場合はこの部分を削除してください)
関連コミュニティ・チャンネル
設定資料集に関するニコニコミュニティもしくはニコニコチャンネルを紹介してください。(特にない場合はこの部分を削除してください)
関連リンク
関連項目
脚注
- *描き慣れてもないのに、ここで正確に細部まで思い出せるなら普通にスゴイ。
- *立ち絵は腐るほどあるが、真横や背後の全身像、ズームしたものが少ないなど。
- *アニメの場合、1コマをあまり細かくに描くとコマ数やスタッフの労力が爆増する。
- *誤差が出るため、頭身には頭髪・アホ毛・寝癖・アクセサリー等は頭髪に含めない。
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