在特会広島支部とは、右派系市民団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の地方支部である。
概要
在日韓国・朝鮮人が有するとされる特権の廃止を主張する団体で、その言動から国内外の公的機関やメディアによって極右排外主義組織と見なされている[1][2]国内最大級の右派系市民団体・在特会が広島県に設置している地方支部。広島県全域を管轄しているが、活動の大半は広島市内で行われている。
2010年3月の第2次支部再編に伴い設置され、同年4月の反民主党街宣で活動デビューを果たすと、6月には同テーマで初のデモを挙行するなど、初期から精力的な活動を展開。2013年までは比較的ハイペースで活動を続け、三大都市圏外の地方支部としては北海道・宮城・福岡と並ぶ有力支部として高い評価を受けていた。
ところが2013年末に先崎玲副会長との対立から川上直四郎支部長(当時)らが支部を離脱し、別団体「反日と闘う会」を立ち上げるという騒動が起きる[3]。現在は当時の運営で唯一支部に残った直江武を支部長に据えて立て直しを図っているものの、2014年中の活動は5件とややペースダウンを余儀なくされている。
ただ現在でも広島を始めとする中国地方では「反日と闘う会」・「日本民族による中国共産党監視委員会」(中監会)中国支部と並ぶ最大手の右派系市民団体であることに変わりはなく、街頭活動では一定の存在感を放っている。なお中監会中国支部とは支部または支部長名で互いに協賛を出し合うなど共闘関係にある。
活動の特徴
これまでに行われた支部活動の約半数が「広島の反核平和運動の糾弾と核武装推進」をテーマにしており、他の支部には見られない大きな特徴となっている。特に2011年以降は毎年8月6日の原爆投下日前後に広島市内で同テーマの街宣やデモ行進を行っており、桜井誠前会長や八木康洋現会長を始めとする在特会の幹部や他の右派系市民団体の有力者らが集う一大イベントとして注目を集めている。
これらの活動では広島の反核平和運動を「反日左翼のキチガイ平和カルト」と称して糾弾するのみならず、原爆ドームや平和記念公園も「自虐史観のモニュメント」に他ならないとしてその存在を否定。「被爆利権者」の排除と共にこれらの施設を日本人の手によって解体することが必要だと主張している[4]。
日本独立。平和公園解体街宣 【広島支部】
皆さんあのハリボテ原爆ドーム 本当に必要でしょうか??
日本人に懺悔を強いるあの平和施設が要りますか?いえいえ要りません。元々あそこは中島町でした。ならば私達の手で元に戻しましょう。一度や二度戦争に負けたくらいで戦勝国のルールに頭下げる必要ありません。ここは日本です。
こうした主張がどの程度広まるかは不明だが、在特会の支持基盤であるネット右翼層も2014年に起きた長崎での修学旅行生による被爆語り部への暴言問題に際して語り部の側を糾弾するなど、反核平和運動への嫌悪感は共有しているため、これらの運動のシンボルである原爆ドームや平和記念公園の解体にも賛同する可能性はある。
他方で反核平和運動に利用されていることは不快だとしつつも、歴史認識問題でアメリカと争う際に、世界に向けてアメリカ側の非を訴える有効な材料として2件の原爆投下があるところ、特に世界遺産として著名な原爆ドームはアメリカ側の非をシンボライズする物件としても活用する余地があるため、安易に取り壊すべきではないとの意見も示されており、全てのネット右翼や右派系市民活動家がこれらの施設の解体に賛同しているわけではない。
歴代運営
太字は現職。なお支部長のみ不在期間も掲載している。
支部長 | ||||
---|---|---|---|---|
名前 | 着任日 | 退任日 | 退任理由 | 備考 |
(空席) | 10/03/01 | 10/03/29 | ||
三津間修三 | 10/03/29 | 10/09/30 | 辞任 | |
(空席) | 10/09/30 | 11/02/07 | ||
川上直四郎 | 11/02/07 | 13/12/09 | 辞任 | 現「反日と闘う会」代表 |
(空席) | 13/12/09 | 14/05/18 | ||
直江武 | 14/05/18 | (現職) | ||
運営 | ||||
名前 | 着任日 | 退任日 | 退任理由 | 備考 |
狩野勇 | 10/03/01 | 不明 | 不明 | 退任日は10/06/26以前 |
広島太郎 | 10/03/01 | 不明 | 不明 | 退任日は10/06/26~12/06/17 |
三津間修三 | 不明 | 10/03/29 | 支部長就任 | 着任日は10/03/29以前 |
大島聡 | 10/05/09 | 11/01/22 | 島根支部転出 | 現「八百万の会」代表 |
伊藤智哉 | 10/05/11 | 不明 | 不明 | 退任日は10/06/26~12/06/17 |
川上直四郎 | 10/09/27 | 11/02/07 | 支部長就任 | |
森脇武一郎 | 11/03/24 | 11/10/01 | 解任 | |
田中源蔵 | 11/08/22 | 13/07/17 | 辞任 | |
天城晃大 | 11/08/28 | 13/03/25 | 辞任 | |
直江武 | 13/06/24 13/12/10 |
13/12/09 14/05/18 |
解任 支部長就任 |
|
西住賢志朗 | 13/06/24 | 13/12/09 | 辞任 | |
菊本徹 | 14/05/18 | (現職) |
運営の登用は積極的に進められているものの、定着率はあまり高くなく、会を離れてしまうケースも見られる。例えば森脇運営は「荒唐無稽な話を信じて自己満足のために活動しているに過ぎないのでは」と疑問を抱いて会を去り、後に左派系ジャーナリストの安田浩一のインタビューに応じている[5]。
関連動画
関連商品
関連チャンネル
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
- 本部・支部紹介 > 広島支部 - 在特会公式サイトの支部紹介ページ
- 行動する保守運動のカレンダー 中国地区 - 活動告知が行われるカレンダー
- 在日特権を許さない市民の会 広島支部 - 支部公式ブログ(更新停止中)
- 峠の茶屋 - 支部公式掲示板
- 直江 武@michinokuisamu - 直江支部長のTwitterアカウント
- 菊本 徹@5kunAho - 菊本運営のTwitterアカウント
脚注
- *警察庁「治安の回顧と展望(平成26年度版)」 24頁。
- *アメリカ国務省民主主義・人権・労働局「2013年国別人権報告書」
- *3月16日「反日と闘う会」 HnnichiBustersHiroshima 始動街宣! : 反日と闘う会 hannichiBustersHiroshima
- *安田浩一著「ネットと愛国」283~293頁。
- *G2|ネチズム(ネット・ファシズム)は拡散する(安田浩一)|第1回:ターゲットはフジテレビ、花王、ロート製薬〈1〉
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