カルトとは、
- カルト宗教、カルト教団。
- サブカルチャーにおける、一部で熱狂的なファンがいる状態。
- 漫画「HUNTER×HUNTER」に登場するキャラクター。本名、カルト=ゾルディック。
- 漫画「幽☆遊☆白書」に登場する、妖怪によるアイドルグループ。
- カルト(生放送主) - ニコニコ生放送の生放送主。
- 2013年公開のホラー映画。監督・脚本は『ノロイ』『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』の白石晃士。
本項では1.および2.について記述する。
カルト (Cult) とは英語で本来は「崇拝」「祭儀」を意味し、原義において否定的な単語ではない。
しかし後に社会学用語として「非キリスト教的で組織性の薄い少人数の宗教集団」というマイナスの意味が付け加えられ、そちらが広く流布した。
また現代の日本ではしばしば「異端的新興宗教」の意味で用いられる。
1.の概要
次のような傾向が見られる場合、カルトと見なされる可能性がある。
- 強引な勧誘
- 教祖や組織の絶対視
- 他宗教に対する攻撃、もしくは極めて排他的な行動
- 霊感商法による物品購入の強要
- 寄付の強要
- 組織活動の強要
- 反社会的行動(地下鉄サリン事件などの宗教テロ)
- 新興宗教(幕末以降生まれた歴史のない宗教。新興宗教=カルトと考えてもいい)
カルトの主なものには、多くの社会的問題をもっており、被害者も数多く存在する。
カルト宗教・団体
ここでは一般的にカルト宗教と呼ばれる組織や団体の名前を挙げる。()内は正式名称。
実在の組織・団体
- アーレフ(Aleph)
- 元・オウム真理教。過去に「松本サリン事件」「地下鉄サリン事件」などの宗教テロを起こし、教団にとって不利益を被る複数の人物を誘拐、殺害した。
- ひかりの輪
- アーレフから独立して設立された団体。発起人は上祐史浩。脱麻原派を標榜するが偽装の疑いもあり、公安による観察処分は継続されている。
- エホバの証人
- 教義の絶対視による社会との摩擦。児童への性的虐待。輸血拒否による信者の家族の死の原因となり、裁判になった。
- 顕正会(冨士大石寺顕正会)
- 国教化を目指している(政教分離の否定)。終末論。強引な勧誘。脱退者に対する攻撃。すでに警察にマークされている。
- 幸福の科学
- 教祖の絶対視。強制的に2億円を献金させられたと訴訟した元信者に名誉毀損だとして計8億円の損害賠償請求。フランス政府にカルト宗教と認定されている。[*]
近年は幸福実現党を設立し、国政への参加を目指している(政教分離の否定)。
- 摂理(キリスト教福音宣教会)
- 韓国のキリスト教系新宗教。教祖の絶対視。女性信者への性的暴行。教祖・鄭明析は2009年に懲役10年の有罪判決を受けて服役中だが、獄中からも本を出版するなど活動は継続している。
- 創価学会
- 指導者の絶対視。強引な勧誘。脱退者への攻撃。他宗教への高い排他性。公明党を通じた政治への関与(政教分離の否定)。
- 統一教会(世界平和統一家庭連合)
- 韓国のキリスト教系新宗教。霊感商法。強引な勧誘。信者の監禁および洗脳。脱退者への攻撃。
- サイエントロジー
- アメリカの新興宗教。宗教哲学系。高額の金銭の要求、出家信者に対する強制的な中絶、投薬による医療行為の禁止。トム・クルーズ、ジェニファー・ロペスなど著名人が多数入信している。
- ホームオブハート(レムリアアイランド、アマゾンなど異名多数)
- 自己啓発セミナー。指導者を絶対的存在とした帝国。心の癒やしと銘打った勧誘や監禁、学校否定による児童虐待。かつてXJapanのToshlが入信させられていた。
- モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)
- アメリカのキリスト教系新宗教。宗教テロ「マウンテンメドウの虐殺」を行った事あり。高額の金銭要求、強引な勧誘、教団関係者による一般人女性へのレイプ、脱会者に対するストーカー行為など。
- 天華の救済
- 元・法の華三法行。 足裏診断などの霊感商法にかかる詐欺罪により教祖や幹部が逮捕、一旦崩壊した。現在は教祖・福永法源が出所して復帰、名を変えて存続している。
- ファミリー・インターナショナル
- アメリカのキリスト教系新宗教。1970年代のヒッピー運動からの派生。コミュニティ内での近親相姦が認められており、児童への性的虐待により非難された。これに関連し、2005年に元会員が自分に性的虐待を行った会員を殺害後に自殺している。リバー・フェニックスとその一家は幼少期をこのコミュニティで過ごしており、組織に対する非難の声を上げた。
- セブンスデー・アドベンチスト
- かつてのアリウス派に近い、伝統的なキリスト教からは外れた思想。エホバの証人など様々なキリスト教系カルトの母体となった。
- 崇教真光
- 通称「真光(まひかり)」。真光の業こと「手かざし」で悪霊を除霊することにより、病を治すと称する。また教団内の青年組織は「青年隊」と呼ばれ、軍隊式の呼称を用いて教練を行っている。
- 全能神
- 中国のキリスト教系新宗教。「東方閃電」「実際神」とも。教義の絶対重視による、勧誘・脱退の際の殺人などが問題視されている(2014年山東招遠カルト殺人事件
)。中国で「邪教」とされた他、ロシアでもカルト認定を受けている。
- 人民寺院
- アメリカのキリスト教系新宗教。教祖ジム・ジョーンズによる専横と妄想による暴走を招き、南米・ガイアナ共和国に移住した900人余の信者ともども集団自殺を遂げた。現在は事実上消滅している。
- 立正佼成会
- 創価学会と対立しているが同じ穴の狢で、改宗を強要したりする。
- 実践倫理宏正会(朝起会)
- ひとのみち教団(PL教団)と関わりが深い。「倫風」なる怪しげな機関誌を押し付けて回る。
- 大乗教
- 名古屋の人がよく名鉄に乗って金山から神宮前に行く時に目にする謎のインド風の建物。
- 阿含宗
- 仏教系新宗教。オウム真理教に深い影響を与えた。
- 念仏宗
- 仏教系新宗教。信者からせしめたお金で兵庫県の山中に謎の巨大寺院を建設。
- 中山身語正宗
- 仏教系カルト。信者に滝行を強要し死亡させた。
- 法師宗、本門佛立宗など
- 日蓮宗系新宗教。現世利益で信者を釣る。
- 日本山妙法寺
- 政治色が強く成田闘争などに参加していた。
- 白光真宏会
- 「世界人類が平和でありますように」とかいう謎の柱を各地に立てている。
- 親鸞会
- 浄土真宗であるかのように装っているが実際は無関係の自称浄土真宗の新興宗教。宗教団体であることを隠しての勧誘活動など。
- 希心会
- 樹木希林などが洗脳され入信していたとされている。
- 一切宗、仏眼宗、光明念仏身語聖宗、仏教真宗、妙見宗、霊友会、真如苑、念法眞教、如来宗、身語正宗、孝道教団、佛所護念会など
- いずれも仏教系カルト。
カルトと誤認されている組織・団体
- 太極拳
- 国によってはカルト指定されている。とされているが、ベルギーにおける1997年の報告書では「不法行為・危険行為の継続的監視を必要とする団体」として扱われるに留まり、厳密にはカルト(セクト)認定ではない。同報告書にはアーミッシュとか禅宗とか上がっている辺りでお察しください。
- オプス・デイ(属人区聖十字架とオプス・デイ)
- ラテン語で「神の業」を意味する。「属人区」と呼ばれるカトリックの組織の一つで、教皇による正式な認可を受けている。自由と意見を尊重しながら信仰を守り、日常生活すべての聖化を務めとする。
ダン・ブラウンの小説「ダ・ヴィンチ・コード」では主人公を追いかける狂信的団体のように描かれており、映画化によって更に誤解が進んでしまい、問題視された。 - 日蓮正宗
- 新興宗教だと思われることもあるが鎌倉時代からある伝統宗教である。ただし創価学会など多くのカルトの母体となったことは事実である。
宗教ではないがカルト的とされる団体、思想
幸福会ヤマギシ会
農業・牧畜業を基盤とするユートピアの実現を掲げる団体。拉致監禁及び洗脳による逮捕者を出した後 も、外部社会との隔絶、子供は無所有の存在であるとみなした親との断絶、虐待、児童労働、強制結婚など。ドイツではカルト認定を受けている。
宗教ではなく、むしろ宗教否定ではあるが、活動家が騒ぐ、機関誌や新聞を押し付ける、テロの原因など宗教に近い。創価学会と同じく親族に共産党員がいると警察や自衛隊には採用されないなどまさにカルト宗教と変わらない団体。
創作の組織・団体
- ダゴン秘密教団
- H.P.ラヴクラフトによる小説および世界観「クトゥルフ神話」における代表的なカルト。アメリカ合衆国マサチューセッツ州エセックス郡の漁村、インスマスを事実上支配している。
この他にも「星の智慧派教団」「皮膚の兄弟団」「暗黒のファラオ団」など、様々なカルトが邪神復活を目論んで暗躍している。 - 恒心教
- オウム真理教の流れをくむ集団。 教義により弁護士・皇室・首相などへの殺害予告を繰り返し行う。という体をなした団体。詳細は個別記事参照。
2.の概要
サブカルチャーにおいて、少数の熱狂的なファン(信者)を持つ映画・文学・音楽・漫画・アニメなどの作品に対して「カルト」と表現される事が多い。
「カルトムービー」「カルトミュージック」「カルトアニメ」「カルトゲーム」などその例は幅広く、よく頭に「知る人ぞ知る」という形容がつく。
アメリカ等の欧米で「カルト的人気を博す」と評されたとき、こちらが当てはまる。
商業的に失敗しても熱烈なファンによる支持が後押しし、思いがけない評価を受ける場合もある。
同名のミュージカルを題材とした1975年の映画『ロッキー・ホラー・ショー』はその最たる例で、今でいうところの『応援上映』によって観客は大いに盛り上がり、当時は社会現象にまでなった。これにより、現在では世界初のカルト映画と呼ばれて広く支持されている。
こういった作品を好んで制作するクリエイターは、往々にしてファンにとって崇拝の対象となる。
映画監督のデヴィッド・リンチ(『ブルーベルベット』『ツイン・ピークス』)、アレハンドロ・ホドロフスキー(『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』)などは良い例だろう。
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関連項目
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- 0pt
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88