岬のマヨイガとは、柏葉幸子による連載小説作品、及びその作品をもとにしたアニメーション映画作品である。
概要
岩手県出身・在住の柏葉幸子が小説家デビュー40周年を記念して「岩手日報」内の「日報ジュニアウィークリー」内で連載していた児童向け小説作品。2014年5月10日~2015年7月4日の期間で連載され、2015年9月11日に内容を一部加筆修正して単行本版が発売された。
2016年には、第54回野間児童文芸学賞を受賞。2021年8月27日には、本作を元にしたアニメーション映画が公開された。
本作品では岩手県内の街をモデルにした架空の町や、東日本大震災を元にした大災害発生直後の街の様子が描かれている。
また、映画版では登場人物の設定が少し変わっており、主人公のと萌花の名前が「ユイ」と「ひより」に変わっていたり、主人公の年齢が17歳の元高校生で、夫ではなく父親から逃げてきたという設定になっている。また、映画版の「ひより」では、年齢が8歳の小学2年生となっている。さらに主人公とひよりの出会いは震災発生後という時系列の変更など、細かな設定変更がある。
あらすじ
舞台は岩手県沿岸にある「狐崎」という架空の町。
主人公である佐野ゆりえは夫のDVから逃れるため、自宅を飛び出して列車に乗って遠くへ逃げていた。その乗り合わせた列車でとある理由によるショックで声を発することができない萌花という少女と偶然出会う。萌花はちょうど伯父に引き取られる途中で、境遇が気になったゆりえは萌花の目的地である狐崎で一緒に下車。一緒について行って、飲食店で昼食を取っていたところ、大地震と津波が発生した。
からくも駅のホームに逃げて、津波から難を逃れた主人公と萌花は、避難所となっている中学校の体育館へ向かう。そこで避難所の係員に名前を尋ねられ、夫に居場所がバレたらマズいと主人公が困っていたところ、山名キワというおばあちゃんと出会う。キワは機転で「嫁の結と孫のひよりだ」と答えて押し通した。そしてゆりえ、萌花、キワの3人はその成り行きでとある古民家で共同生活を営むこととなった。そこでキワの紹介で「ふったち」と呼ばれる妖怪や伝承の生き物と出会うのであった。
登場人物
- 佐野ゆりえ / (映画版) ユイ (CV:芦田愛菜)
本作の主人公。夫(映画版は父親)からのDVに悩まされ、ついには家を飛び出す。列車で萌花と出会い、一緒に行動していたころで被災する。避難所で山名キワと出会い、3人で生活を共にする。 - 萌花 / (映画版) ひより (CV:栗野咲莉)
主人公が列車で出会った小学生5年生(映画版は小学2年生)の少女。両親はともに不慮の交通事故で死別。その影響によるショックで声を発することが出来なくなっていた。その後、狐崎に住む伯父に引き取られることとなり、列車に乗って狐崎へ向かっていた。そこで主人公と出会う。 - 山名キワ / (映画版) キワさん (CV:大竹しのぶ)
87歳のおばあさん。遠野市の登戸に住んでいたが、狐崎の介護施設に入ることが決まり、狐崎に居合わせたところで被災。避難所となった中学校の体育館に連れてこられ、居合わせた主人公ら2人と出会う。主人公が、係員に名前を尋ねられて困っていたところを「自分の嫁と孫だ(映画版は2人とも孫)」と機転を利かし、2人を引き取った。そして2人を引き連れて、「マヨイガ」と呼ばれる古民家を案内し、3人で共同生活を始める。
映画「岬のマヨイガ」主題歌
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