新国立競技場とは、国立霞ヶ丘陸上競技場の建て替え後の名称である。愛称は「オリンピックスタジアム」。
概要
もともと、国立霞ヶ丘陸上競技場(以下霞ヶ丘競技場)は1964年のオリンピックでメインスタジアムとして使用されてきた会場であるが、2008年に老朽化を理由に建て替えを行うことになった。2016年のオリンピック誘致計画では、オリンピックスタジアムは晴海に建設し、現在の霞ヶ丘競技場はサッカー競技場とする計画であったが、落選したため白紙となる。その後、2020年の誘致計画(後に決定)では霞ヶ丘競技場を建て替え、8万人収容のスタジアムにすることになった(現在は5万4000人収容)。2012年までにデザイン選定が行われ、ザハ・ハディド(イギリス)の作品が選ばれた。2014年に現在の霞ヶ丘競技場を取り壊し、2015年に着工、2019年に竣工する予定である。
新国立競技場は2019年のラグビーワールドカップ、および2020年の東京オリンピックのメイン会場として使用される予定である。
しかし、解体に手間取ったことから着工が遅れたため、ラグビーワールドカップ開催に間に合わなくなる恐れから屋根の設置は見送られることになった。また、座席も一部は仮設になる予定。ただし、後述のようにコンサート開場としての使用を見込んでいることから、東京オリンピック開催終了後に屋根を取り付けるとしている。
・・・と言う報道があったのだが、その後屋根は最初から設置するとの報道もされたため、デザインに関しては混乱が続いているようである。
その後、後述するように建設費用が2520億円まで膨れ上がってしまったことなどから、2015年7月17日になって、安倍晋三首相が「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す」と表明し、秋までには代替計画を発表することとした。この影響で完成目標が2020年春にずれたため、2019年のラグビーワールドカップは会場を変えて開催されることになった。
ちなみに新国立競技場はコンサートモードにすることができ、その場合は9万人が収容することができると言う。これはさいたまスーパーアリーナの3万7000人や東京ドームの5万5000人、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)の7万2000人をはるかに上回る数字である。
とされていたが、結局2015年8月に建設費圧縮のためにスポーツ競技に限定することを表明。結果、国立霞ヶ丘競技場のようにコンサートを開催することは不可能となった。
新国立競技場の建設費用は?
新国立競技場の建設費用だが、2015年7月時点で2520億円という試算結果が出ている。さらにはこれに、周辺整備費として72億円が増額されるようである。勿論、この時点での概算金額であるため実際はもっと変化するかもしれないが。
この現実離れした巨額に関して、本当に必要なのか、税金の無駄遣いではないのかという至極当然の疑問も沸いている状態である。何しろ、国内に存在する競技場(スタジアム)の大半が追加金額たる72億円前後で建設できる事や、他国のオリンピック会場の建造費用を比較すれば、無理も無い疑問であるかもしれない。
金額が大きすぎて多くの人にはいまいちピンとこないと思われるので、参考として2520億円あれば他にどんな事ができるかを参考までに記述。(2015年時点)
- 東京ディズニーランドがもう1つ建設できる(総事業費:約1800億円)
- 過去のオリンピック開催国で建設されたメインスタジアムが4つまとめて建設できる
(シドニー:約660億円、アテネ:約355億円(改修費)、北京:約513億円、ロンドン:約900億円) - マツダスタジアムことMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島が単純計算で28個建設できる(約90億円)
- 東日本大震災で被災した、JR大船渡線と気仙沼線を津波対策などを施したうえで鉄路復旧可能(約1100億円)
- 東京スカイツリーが6つ建造できる(建設費:約400億円)
- 保育園・幼稚園に通う5歳児の保育料の多くが無料になれるかもしれない?
- 待機児童ゼロが実現?
- 出産費用の全額負担可能?
- 銀河鉄道999の地球発進用高架橋一式が68個建設できる(約37億円)
- マジンガーZの格納庫が35個建設できる(約72億円)
- グランツーリスモ4のサーキットが11個作れる(約221億円)
- 「宇宙戦艦ヤマト2199」発進準備工事が2件可能(約1207億円)
ちなみに最終的には上記の削減指示もあり工費は1569億円と抑えられたが、それでも近年の競技場建設費としては膨大である上、維持費も年24億円と相当に高い。
建築年が違うため単純比較はできないが、参考までに似たような総合競技場である日産スタジアムは工費600億円、年維持費7億円であることを考えるといかに新国立がぶっ飛んでいるかが分かるだろう。
森喜朗古墳
一部からは新国立競技場のことを森喜朗古墳と呼ばれている。原因は森喜朗が東京オリンピック競技大会組織委員会の会長であり2520億ものの巨額費用と「競技場を2020年五輪のレガシー(遺産)として残したい」と発言したからである。
ちなみに大仙古墳を現在の技術で作ったら工期は2年6ヶ月、コストは20億程度でいけるので森喜朗のポケットマネーでいけるかもしれない。
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 大分スポーツ公園総合競技場
- オートポリス
- 国立霞ヶ丘陸上競技場
- 東京スタジアム
- 栃木県総合運動公園陸上競技場
- 等々力陸上競技場
- 長居陸上競技場
- 新潟スタジアム
- 日本のサッカー場・球技場一覧
- 東大阪市花園ラグビー場
- 宮城スタジアム
- 横浜国際総合競技場
▶もっと見る
- 3
- 0pt