武田高信(たけだ・たかのぶ 1529? ~ 1576?)とは、因幡の戦国武将である。山陰地方の隠れた下克上武将。
概要
初め山名氏に属していたが、毛利氏の後ろ盾を得て下克上、独立勢力化する。しかし山名氏と毛利氏の方針転換により、切り捨てられるような形でその野望は潰え、直後に謎の急死をとげる。
外様の人間が乗っ取り・独立を企てる、という点では彼も立派な下克上の雄ではあるのだが、いかんせん知名度が低い。原因は色々あるが…。
生涯
ここまでのあらすじ
武田高信の一族は若狭武田氏の庶流だという。が、系図の上では確認できず正直よくわからない。15世紀末頃には山名氏に仕えていて、客将として扱われていたそうな。
父の武田国信は因幡・鳥取城を任されるのだが、改修に改修を重ねた結果、異様に堅固な山城になったため、山名氏から「…お前、なんか企んでんじゃねえの?」と疑われて1545年に暗殺されてしまった。
一方の山名氏は、戦国時代前半には但馬守護家と因幡守護家とに分裂して対立していた。1548年、但馬家の山名祐豊は、因幡家の山名誠通(山名久通)を奇襲して討ち取り、祐豊の弟・山名豊定を因幡守護とする。しかし因幡家と結んでいた尼子晴久が、誠通の遺児・山名豊成を擁立して何度となく因幡に攻め込んでくる。
山名豊定は1560年に病死。祐豊の子が新守護に就任するも翌年病死。続いて豊定の子・山名豊数が守護に就任するが、因幡国は不安定極まりない状態となっていた。
下克上
1563年、このような状況を見て、武田高信もまた山名氏からの独立を企むようになっていた。第一のターゲットは父の遺産ともいえる鳥取城を奪取する事である。当時すでに大勢力への道を歩んでいた毛利氏と結び、まずは鳥取城を占拠する事に成功した。
続いては大義名分代わりに傀儡当主を擁立するべく行動を始める。まずは因幡西部・鹿野城を拠点としていた因幡家末裔・山名豊成を毒殺。続いて守護の館を兼ねる布勢天神山城を攻めて、山名豊数を但馬に追放した。代わりの因幡守護として祐豊の弟・山名豊弘を形式的に擁立して、因幡国の実権を握ることに成功する。
…とはいえ、因幡は相変わらず不安定な事には変わりなく、取って代わろうという国人衆たちとの対立、更には但馬山名氏の支援を受けた尼子再興軍まで乱入してきたため、戦国大名と名乗るには力不足な状況であった。弟や息子も戦死するなど、戦況は決して有利とは言い切れなかった。
凋落
1573年、豊数の弟で後を継いでいた山名豊国と、山中鹿之介率いる尼子再興軍が大勝利を挙げ、遂に高信は失脚する。鳥取城は新たな因幡守護である山名豊国に明け渡し、落ち延びる高信と山名豊弘であった…が、この直後に豊国が尼子再興軍を捨て毛利氏と手を結んだことで、いよいよ二人は窮地に追い込まれる。「毛利氏の後ろ盾で山名&尼子軍と戦う」というのが彼らの基本方針だったが、それが完全に崩壊してしまった。
なんとかツテをたどって毛利氏の庇護を求めようとする高信たちであったが、山名氏の要望もあって取り合ってもらえず、まもなく高信は死去したとされる。その最期は諸説あって謎も多い。
- 1573年3月、高信、不慮の死を遂げる(と、小早川隆景が書状に残している)。
- 1573年8月、高信失脚、豊国に鳥取城を明け渡す。
- 1575年、毛利氏あてに高信の助命嘆願が送られる。
- 1576年、高信、織田氏に内通したとして豊国に切腹させられる(と、吉川元春が書状に残している)。
- 1578年、高信、豊国に暗殺される(という説話がある)。
なんか全部あわせると3回も死んでいるが、とにかく山名豊国が因幡を掌握する為に武田高信を死に追い込んだ、と見るのが自然と思われる。豊弘はその後豊国と和解したようだ。
遺児・武田助信はあちこちを流浪した末に、関ヶ原の戦いの後、山名豊国に誘われて家臣となった。色々因縁はあったものの、結局は山名家臣という元の鞘に納まって、子孫は幕末まで村岡藩士として仕えたという。
関連動画
◆武田高信のある行動により、誰も予想できないようなトンデモない展開になっていった「第53回信長の野望・天翔記PK CPUダービー」。神回と名高い。
補足
一般の武将として登場したのは天翔記の一度だけ。しかし暗殺持ち、義理3野望73と独立の危険性が高いなどなかなか強烈なキャラクターであった。
- 註:諸勢力頭領(国人衆)として登場。
| 軍事能力 | 内政能力 | |||||||||||||
| 戦国群雄伝(S1) | 戦闘 | - | 政治 | - | 魅力 | - | 野望 | - | ||||||
| 武将風雲録(S1) | 戦闘 | - | 政治 | - | 魅力 | - | 野望 | - | 教養 | - | ||||
| 覇王伝 | 采配 | - | 戦闘 | - | 智謀 | - | 政治 | - | 野望 | - | ||||
| 天翔記 | 戦才 | 138(A) | 智才 | 148(A) | 政才 | 78(C) | 魅力 | 40 | 野望 | 73 | ||||
| 将星録 | 戦闘 | - | 智謀 | - | 政治 | - | ||||||||
| 烈風伝 | 采配 | - | 戦闘 | - | 智謀 | - | 政治 | - | ||||||
| 嵐世記(註) | 采配 | (37) | 智謀 | (35) | 政治 | (47) | 野望 | (43) | ||||||
| 蒼天録 | 統率 | - | 知略 | - | 政治 | - | ||||||||
| 天下創世 | 統率 | - | 知略 | - | 政治 | - | 教養 | - | ||||||
| 革新 | 統率 | - | 武勇 | - | 知略 | - | 政治 | - | ||||||
| 天道 | 統率 | - | 武勇 | - | 知略 | - | 政治 | - | ||||||
| 創造 | 統率 | - | 武勇 | - | 知略 | - | 政治 | - | ||||||
関連項目
- 山名豊弘
- 山名豊国
- 山中幸盛
- 吉川元春
- 戦国時代の人物の一覧
- 2
- 0pt

