白兎神社とは、鳥取県に複数存在する神社である。
ここでは、鳥取市白兎の身干山に鎮座する白兎神社について述べる。
正式には「白兔神社」だが、この記事内では「白兎神社」に統一する。
概要
しろうさぎのかみ
白兔神 (大兔明神)を主祭神とし、保食神、豊玉姫命を配祀する。
豊玉姫命は大正元年に川下神社を合祀した事で祀られるようになったもので、元来の祭神ではない。鳥取県の公式ホームページに「白兔神=豊玉姫命」と記されているが、古事記の「豊玉姫命は和邇の化身である」との記述を鑑みるに、これは誤りである。
本殿の六つの菊座石に二十八弁の菊花紋章が用いられていることから、創建に際し皇室・伊勢神宮と何らかの関連性があると思われるが、社殿および本殿は西向きで出雲方面を向いており、また拝殿の外観はどことなく出雲大社の拝殿を彷彿とさせ、更に注連縄は左本右末と、建築様式は出雲大社を強く意識したと考えられるものとなっている。
上記は学術的に大変興味深いことではあるが、度重なる戦乱の渦中で古書等諸共に祠廟が消失し長らく放置され、結果、創建に関する事柄はその一切が暗中にある。
白兎神社は長らくその社地すら不明の状態であったが、戦国武将であり後に因幡国鹿野藩藩主となった亀井茲矩により慶長年間に復興したとされる。また、本殿は明治時代に再建されたものである。
白兔神
淤岐島に流された兎
海の和邇を欺きて気多之前まで渡らむとせしが欺きを知りたる和邇により悉く衣服を剥がれ泣き悲しむ兎に八十神の命もちて海塩を浴みて風に当り伏せれば前にも増して痛みはげしく、
ここに大穴牟遅神その兎に教へたまはく
「今急くこの水門に往きて水もて汝が身を洗ひて、水門の蒲黄を取りて敷き散らしその上に輾転てば汝が身、本の膚の如必ず差えなむものぞ」と教へたまひき。
かれ教の如せしかば、その身もとの如くなりき。……
白兔神とは古事記に語られる出雲神話、「稻羽之素菟」に登場する白兎その人(?)である。
原話の説話から皮膚病、傷病、動物医療、意中の人との結縁に霊験あらたかとされる。
ちなみに、白兎神社の境内には兎が体を洗ったという御身洗池、通称「不増不滅の池」があるのだが、河口の真水で体を洗ったという古事記の記述とは矛盾しており、現状、様々な学説が飛び交っている。歴史上の謎の多さも相俟って、研究者にとっては実に魅力的な研究対象であると言えよう。
また、出雲神話を由来としているためか、全国の出雲系列の神社で配祀されている事がある。
○○○出雲神社という神社で兎の像を目にする事があれば、それはほぼ確実に白兔神像である。
ギャラリー
本殿 |
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菊座石 |
白兎海岸 |
淤岐島 |
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