稲葉陽(いなば あきら)とは、将棋棋士である。1988年8月8日生まれ。兵庫県西宮市出身。井上慶太九段門下。棋士番号269。
関西所属の有力若手棋士、糸谷哲郎・豊島将之・村田顕弘と並ぶ“関西若手四天王”の一角と称される。
棋歴
6歳のとき、父親に教えてもらったことをきっかけに将棋を始める。12歳で奨励会に入会するも、5級から4級に上がるまでに1年以上を費やし、4級から3級に上がるのにも8ヵ月以上かかるなど、入会したての頃は師匠の井上をやきもきさせていた。しかしそこを超えてからは比較的順調な昇級を重ね、三段リーグを6期で突破し、2008年に19歳で四段昇段(プロデビュー)を果たす。
プロ入り後、初参加の棋聖戦でいきなり挑戦者決定戦まで進み(木村一基に破れ挑戦はならず)、同じく初参加の竜王戦6組でも優勝。鮮烈なデビューシーズンを飾る。2013年、銀河戦決勝で橋本崇載を破り、棋戦初優勝を達成。
2015年、電王戦FINALに船江恒平、菅井竜也に続く“井上門下第3の刺客”として出場。第3局でやねうら王と対局するも敗れた。同年度は竜王戦で2組優勝し、本戦に出場するとともに1組昇級。順位戦でもB級1組を1期抜けし、27歳でA級八段となった。A級順位戦でも1期目から好成績を上げ、名人挑戦権を獲得。初のタイトル戦は佐藤天彦名人相手に2勝4敗で敗れる。
2019年度のNHK杯テレビ将棋トーナメントでは決勝まで進むも、深浦康市に敗れる。翌2020年度のNHK杯でも決勝まで勝ち上がり、決勝では斎藤慎太郎を破り、NHK杯初優勝を達成した。
棋風
相掛かり・角換わり・左美濃・居飛車穴熊と、居飛車を好んで指す。が、時々振り飛車も採用しており、柔軟性も高い。
糸谷哲郎には「誰も見たことのないような棋譜を創りだす、冒険家タイプ」と評され、稲葉本人も「勝つためには“面白い”だけではいけないけれど、面白みのある将棋を指したい」旨をインタビューでも語っている。
人物・エピソード
兄はアマチュア強豪、稲葉聡。聡も奨励会に在籍していた経験があり、陽にとっては1年先輩でもあった。しかし2001年に3級で聡が退会。兄の夢を受け継ぐように、その時期を境にして陽は成績を伸ばし始める。聡も2011年にアマ竜王戦で優勝、2015年もアマ名人戦で優勝、プロ棋戦である加古川青流戦ではアマチュア初のプロ棋戦優勝を達成するなど、アマチュア棋界にその実力を轟かせている。
奨励会時代に将棋合宿を行なった稲葉。将棋漬けの合宿を送ったのか……と思いきや、堀北真希の出演するドラマが始まるのをTVの前でwktkしながら正座で待つ程度の堀北真希ファン。何か聞かれても「今話しかけんといて」と熱中する程度のファンだった模様。
同じ関西所属の糸谷哲郎とは、小学生以来の腐れ縁。「(初対面の印象を聞かれて)お互いこんなヤツには負けたくないと思ってた byダニー」「初めて対戦したとき、負けそうになった糸谷が急に泣きだした byイナバ」など、お互いに言いたいことを言い合える関係のようだ。しかし、仲が良いだけというわけでもなく、竜王戦に挑戦中の糸谷に対しては「勝ってほしくなかった」と漏らし、竜王就位した盟友を食い入るように見つめる姿から、強く健全なライバル意識も垣間見える。
関連動画
関連生放送
関連商品
関連項目
外部リンク
- 2
- 0pt