記録的短時間大雨情報とは、身の危険を知らせる大事な情報の一つである。
概要
各地の気象台が発表する降雨に関する気象情報。その地域で土砂災害や浸水、河川の洪水に繋がるような急激な降雨が発生している事を知らせる為に発表される。
「記録的短期間大雨=短時間(1時間)でその地域にの歴代記録1位または2位を参考にしてそれに比類する大量の降雨が発生しています」ということを伝える情報である。
国の中央防災会議がまとめ2019年6月から各自治体や報道機関で採用される防災情報では警戒レベル4(避難勧告・避難指示(緊急)/速やかに避難)およびレベル5(災害発生/命を守る最善の行動を)に該当する。
この情報が発表された地域にその時点でいる方は、安全確保のための行動を取ってください。
発表の要件
各気象台の観測点で観測(地上の雨量計で測定)したり解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析。10mm刻み)した1時間毎の数値を、地域の歴代1時間降雨記録を基に算定した各予報区の基準値と照らし合わせて発表を決定。その基準値は下表の通り。
雨量 | 都道府県 | 地域 | 雨量 | 都道府県 | 地域 | 雨量 | 都道府県 | 地域 |
80mm | 北海道 | 宗谷 | 100mm | 北海道 | 石狩・空知 | 110mm | 栃木 | 全域 |
後志 | 胆振・日高 | 静岡 | 全域 | |||||
東京 | 小笠原 | 渡島・檜山 | 兵庫 | 南部 | ||||
新潟 | 佐渡 | 秋田県 | 全域 | 和歌山 | 全域 | |||
福井 | 全域 | 岩手 | 全域 | 広島 | 全域 | |||
90mm | 北海道 | 上川・留萌 | 宮城 | 全域 | 徳島 | 北部 | ||
網走・北見・紋別 | 山形 | 全域 | 福岡 | 全域 | ||||
十勝 | 福島 | 全域 | 大分 | 全域 | ||||
青森 | 全域 | 茨城 | 全域 | 長崎 | 全域 | |||
滋賀 | 全域 | 群馬 | 全域 | 佐賀 | 全域 | |||
京都 | 全域 | 埼玉 | 全域 | 熊本 | 全域 | |||
岡山 | 南部 | 東京 | 東京・伊豆 | 沖縄 | 本島 | |||
鳥取 | 全域 | 千葉 | 全域 | 120mm | 三重 | 全域 | ||
香川 | 全域 | 神奈川 | 全域 | 徳島 | 南部 | |||
長野 | 全域 | 高知 | 全域 | |||||
山梨 | 全域 | 宮崎 | 全域 | |||||
愛知 | 全域 | 鹿児島 | 奄美以外 | |||||
岐阜 | 全域 | 奄美 | ||||||
新潟 | 上越・中越・下越 | 沖縄 | 宮古 | |||||
富山 | 全域 | 石垣 | ||||||
石川 | 全域 | |||||||
大阪 | 全域 | |||||||
兵庫 | 北部 | |||||||
奈良 | 全域 | |||||||
岡山 | 北部 | |||||||
島根 | 全域 | |||||||
愛媛 | 全域 | |||||||
山口 | 全域 | |||||||
沖縄 | 大東島 | |||||||
与那国島 | ||||||||
気象庁「記録的短時間大雨情報の発表基準の一覧(PDF)」より再構成 |
見ての通り大体1時間当たり100mmの降雨を基準としているところが多い。
この100mm/h、どれくらいの降雨かというと「1mmの降雨=1m2に1mmのかさの水が貯まる=1リットル」の100倍が1時間のうちに降る量であり、具体的には
- 頭上にある直径約1.2m(≒1m2)の穴の開いた金ダライにコカコーラの大ペットボトル(1.5リットル)が60本乗っかってて、毎分一本封が開けられ1時間ずっと浴びせられつづけられる(よりちょっと多い。しかも実際は1時間かけてじっくりでなく数十分の内に一気に)。しかもそれが今居る所全域に吊るされている。
- 一般的に50~80mmは「非常に激しい雨」という風に表し、滝のように降り傘はまったく役に立たない。80mmを超えると「猛烈な雨」と表し、息苦しくなるような圧迫感があり恐怖を感じるほどである。つまりそれ以上の体感。
- 皇居(230万m2。外苑含む)で100mm/hの雨が降った場合、降り注いだ水の総量はおよそ23万tとなり皇居の堀の水(約45万m3)が1.5倍に増える量に値する(下水に流れたり地面にしみこむ量は無視して全量堀に流れ込んだとして)。丸の内ピンチ
という感じである。
とるべき行動
この情報が出された時、その地域は「稀にしか見ない大雨により洪水・土砂災害の危機が差し迫っている」と言っても差し支えない状態にあります。
行政が公開する土砂災害警戒区域や浸水想定地域、ハザードマップ、気象庁の警報の危険度分布(土砂災害、浸水害、洪水害)などの情報と現在地の情報を照らし合わせ、また現在出されている避難情報を頼りに安全地域への避難を開始してください。危険を感じたらためらわずに行動を開始してください。避難指示が発令されている場合は速やかに避難を完了させてください(なので避難勧告の時点で行動を開始することが望ましい)。"記録的=稀な事"が"短時間=あっという間"に起こっています(現在進行形)!判断や行動の遅れが採ることのできる選択肢を狭め、守ることの出来るものを減らします!
屋外が豪雨によって避難をする事すら困難になっている状態に既になっている事も当然想定されます(何せ"短時間"に事態は進行していますから)。
その場合は無理な屋外避難をせず、近隣もしくは今いる屋内の少しでも安全な場所(川や崖や高台の則面などから少しでも離れて高所にある部屋)に移動しましょう。
関連動画
関連コミュニティ
記録的短時間大雨情報に関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連リンク
- 気象庁
- 国土交通省
- 内閣府
-
CPS-IIPリスクウォッチャー
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関連項目
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