CorelDRAW(コーレルドロー)は、コーレル株式会社が開発・販売している、ベクターグラフィックスソフトウェア(ドローソフト)。Windows版とMac版の最新バージョンは 2020 (22番目)。iOSやAndroidでも使える「CorelDRAW.app」も存在する。廉価版として「CorelDRAW Essentials 」シリーズがある。
概要
図形や画像、文字をベクターグラフィックスとして扱うソフトで、比較的安価ながら Illustrator 同様にCMYKカラーをサポートしており、印刷物の制作にも比較的向いている。Illustratorの対抗馬として30年以上前から世界的に発売されている。Illustrator形式(.AI)を扱うことができる、数少ないソフトでもある。
現在はフォトレタッチソフトであるCorel PHOTO-PAINT とその他おまけソフトをセットにした統合パッケージ「CorelDRAW Graphics Suite」として発売されている。CorelDRAW 単独のパッケージは存在しない。
廉価版として「CorelDRAW Essentials」もあり、こちらでもAI形式の入出力が可能なので、DVDやCDプレスの際の盤面にロゴデータをレイアウトしたり、チラシや同人誌を作ったりするのにも向いている。
Adobeのソフトがデファクトスタンダードとなっている日本ではいまいちマイナーだが、レーザー彫刻やカッティングプロッタのシステムに対応しているため、この分野では使われていることが多い。北米近辺では、Illustratorが猛威を振るう中でも一定の支持層があり、たとえばサウスパークのキャラクターは本ソフトで作られている。
よーくみると「CorelDRAW」はCorelとDRAWが離れておらず、DRAWは大文字である。(小文字は間違いだし、CorelDRAWが一つの名前なので、「Corel DRAW」(CorelのDRAWみたいなの)は違う!
Illustratorとの比較
相違点・良い点
CorelDRAWはWindows用DTPソフトとしての歴史が長く、左クリックや右クリックメニューで大抵の作業が完結するような楽さがあり、マウスホイールだけで編集画面の拡大・縮小が可能。(Illustratorはショートカット必須)
また、CorelDRAW Graphics Suiteに組み込まれているCorelDRAWとCorel PHOTO-PAINTは、AdobeのIllustratorとPhotoshopのように連携を行うことが可能で、画像を右クリックし[ビットマップを編集]と進むだけで埋め込み画像の編集が可能です。
ラスタ画像をベクタ画像に変換する「CorelTRACE」は元々MicroGrafxのWindowsDRAWというソフト用プラグインとしてWindows95の時代から開発されています。 CorelDRAW2020では、AI(人工知能)を利用し、より精度が上がっています。
パスのグループ編集モードではなく、ctrl+選択でグループ内オブジェクトをグループを解除せずに選択可能し、編集も可能。
- 現在でもパッケージ版の販売もあり、その価格は Illustator よりも安価。
- パスから余計なアンカーポイントを削除する機能が優秀で、Illustrator よりも良い結果が得られる。
- DTPソフトのような複数ページ構成をサポートしている。Illustrator のアートボードよりに比べ、ページ物の使い勝手が良い。
- 自動処理用のマクロとして、VBA に対応している。
- パワークリップ(イラレでいうクリッピングマスク)を行ったものに対して、更にパワークリップを行うことが出来る。(漫画的な埋め込みや、最終レイアウト決定時にドキュメントサイズでパワークリップを行えるので超楽)
- オブジェクトパネルに、ベクトル素材の形が表示されていて選択しやすい。
- CorelDRAW.appで作成したドキュメントをPC版で編集出来る他、PC版からアップロードしたドキュメントをCorelDARW.appにて注釈をつけたりコメントをつけることが出来る。
- クリップやテクスチャ素材、ダウンロード可能なフォントがとても多く、追加ダウンロードすることができる。(かつては国語辞典並みの分厚い素材見本がパッケージに付属していたぐらい。)
残念な点
- アピアランス機能がなく、線と塗りはパスに対してひとつずつしか指定できない。
- 販売されているプラグインが少ない。(バーコード作成や寸法ツールは標準搭載)
- Illustratorは線の太さをノードごとに調整できるが、CorelDRAWはオブジェクトやライン全体の太さになる。
ノウハウ
- CorelDRAWは複数ページを作成する機能を有しており、ページ物の扱い勝手はInDesignに近い。ただし InDesign とは違い、ルビ機能や縦中横機能などはない。
- アップデートで新機能が追加されるが、「次バージョンのお試し」という位置づけであり、有効化するには有料のプレミアムメンバー会員登録が必要。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 2
- 0pt