ENEOSとは、石油製品の精製・元売企業であるENEOS(株)、同グループが営むガソリンスタンドのブランド、およびそれを取りまとめるグループ「ENEOSグループ」、持株会社「ENEOSホールディングス(株)」の総称である。
概要
三菱グループの一員。日本国内で最大のシェアを持つ石油元売企業である(業界シェアは2019年時点でENEOSが52%、出光昭和シェルが31%、コスモ石油が10%、残り7%がキグナス石油・太陽石油等その他)。
元々は日本石油・三菱石油という2つの企業だった。
日本石油は明治時代中期の1888年に新潟県にて創業したとても歴史の深い企業である。その後インターナショナル石油(1911年吸収)、宝田石油(1921年吸収合併)、小倉石油(1941年吸収合併)、愛国石油(1942年吸収合併)を吸収合併していき、巨大化してきた。
三菱石油は昭和時代初期の1931年に創業。1973年に丸善石油(現在のコスモ石油)と共同で沖縄県に石油基地を建設したり、1984年時点で既に日本石油と業務提携していたりする等同業他社と協力的な姿勢を見せていた。
1999年に「日石三菱」という企業として合併・再出発した。その後、2001年にENEOSのブランドを制定。「ENEOS」の由来は、「ENERGY」と「NEOS」(ギリシャ語で「新しい」)を組み合わせて作られた。
「ENEOS」制定後、2002年に日石三菱から「新日本石油」に社名変更。2009年に持株会社制に移行し「JXホールディングス」を設立。2010年、新日本石油はジャパンエナジー吸収合併を機に「JX日鉱日石エネルギー」に社名変更。2016年、「JXエネルギー」に社名変更。2017年、東燃ゼネラル石油吸収合併を機に「JXTGエネルギー」に社名変更。2020年、現在の「ENEOS」に社名変更し今に至る。
業態
- ENEOS
基本形態で、ENEOSの中でフルサービススタンドはこのブランドだけ存在。セルフスタンドではExpress転換組ではないものがこれになる。 - Enejet
2018年スタート。セルフスタンド専用ブランド「Express」(エクスプレス)転換組。しかし最近ではENEOS時代からあったセルフスタンドがこれにブランド変更するパターンも見られる。
大ENEOSへの道
その長い歴史から、過去にいくつもの石油元売企業を吸収合併し巨大化していったのがENEOSの特徴でもある。以下の企業は全てENEOSに吸収されて消滅した者である。
- ジャパンエナジー:「JOMO」(ジョモ)のブランドで展開していた。日本鉱業・共同石油の2社が1992年に合併し「日鉱共石」となり、その翌年にジャパンエナジーを名乗り始めた2010年に現在のENEOSに合併され、JOMO店舗はENEOSブランドに統一された。
- 九州石油:1960年創業。「STORK」(ストーク)ブランドで、その名のとおり九州地方(沖縄県除く)をメインテリトリーに店舗展開していた。経営悪化により、2008年に単独での事業継続を断念し現在のENEOSに合併され、STORK店舗はENEOSブランドに統一された。
- 三井石油:1961年創業。その名のとおり、三井グループの一員で三井物産の子会社だった。主に東日本を中心に店舗展開していた。2014年に東燃ゼネラル石油に身売りされ、その翌年に清算(清算時には「MOCマーケティング」という社名になっていた)。事業を受け継いだゼネラルもそののち…
- Express(エクスプレス):東燃ゼネラル石油が2001年に立ち上げたセルフスタンド専用ブランド。エッソ・モービルもこのブランディングに乗っかっていた。2018年にEnejetに転換。
- 東燃ゼネラル石油:「ゼネラル」のブランドで展開していた。1939年創業の「東亜燃料工業」と、1947年創業の「ゼネラル物産」(のちに1967年にゼネラル石油に社名変更)が、2000年に合併して誕生。2017年に現在のENEOSに合併され、2019年までに全店がENEOSブランドに統一された。
- ESSO(エッソ):元々はアメリカ系の石油メジャーのひとつである「エクソンモービル」のブランド。日本では1961年から事実上の日本支社であった「EMGマーケティング」が1961年から展開していたが、2017年に現在のENEOSに合併され、2019年までに全店がENEOSブランドに統一された。
- Mobil(モービル):エッソと同じく元々はエクソンモービルのブランドのひとつで、日本国内ではEMGマーケティングが運営していた。これも、2017年に現在のENEOSに合併され、2019年までに全店がENEOSブランドに統一された。日本国内ではMobil店舗は無くなったが、そこが販売していた「Mobil1」というエンジンオイルは評判が高く、現在でも販売されている。ENEOS合併後はENEOS店舗でも販売されるようになった。一部の超高級車(日産・GT-Rやレクサス・LFA等)の専用オイルに指定されているほど。以前、「マイナス40度の世界ではバナナで釘が打てます。新鮮なバラもほらこの通り。こちらは普通の高級オイル。」という名ナレーションで有名になったので覚えている人は多いはず。
カード
ENEOSではいくつかのカードを使用して支払いが可能。特にENEOSカードを利用すると、燃料が最大7円/L引きになったりするなどの特典がある。
また、Tポイントとも提携しており、ENEOSでの支払いでポイントが付くほか全国の提携店でTポイントを貯めることができるカードもある。もちろん、他店で作ったTポイントカードおよびTカードで貯めることも可能。
余談
東京ディズニーリゾート・オフィシャルスポンサー
現在東京ディズニーリゾート内にある2つのテーマパーク「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」の両方でオフィシャルスポンサーとして提携している。
東京ディズニーランドでは2014年にリニューアルした「ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション」を、東京ディズニーシーでは「ディズニーシー・トランジット・スチーマーライン」を提供している。ちなみに、どちらのアトラクションも船を使っている。
街ingメ~カ~
PS2ソフト「街ingメ~カ~3」で実名テナントの一つとして登場している。なぜかは知らないが、このゲームではガソリンスタンドはENEOS以外にはない。
スポーツ実業団
ENEOSグループでは男子野球部として「ENEOS野球部」(本拠地 神奈川県川崎市)が、女子バスケットボール部として「ENEOSサンフラワーズ」(本拠地 千葉県柏市)が存在する。
特に野球部は社会人野球チームの中でも強豪であり、そこからセパ問わずプロ野球へ転身する選手を多数輩出する名門チームと化している。
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関連項目
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