LSDとは
- リゼルグ酸ジエチルアミド(独:LysergSäure Diäthylamid)のこと。最強の向精神薬とも称される麻薬の一種で、カビの一種麦角菌(Claviceps)から人工的に合成された。自意識フィルタを一時退行させることで見たもの聞いたものをダイレクトに脳内で強烈に混在させるため、1960年代にアメリカのヒッピーらの間に流行し、「サイケデリックカルチャー」や「LSDカルチャー」と言わしめるほど利用され、多くのシーンに影響を与えた。これを服用した医師の記述である「知覚の扉」が著名。無論、早々に規制された。
- 1998年にアスミック・エースエンタテインメントより発売されたプレイステーション用ゲーム。
- 差動制限機能付差動装置(英:Limited Slip Differential)。簡単に言えば自動車(主にスポーツカー)の部品のひとつ。
- Long Slow Distanceの略称。文字通り長い距離をゆっくりとした速度で走るトレーニングのこと。
- LSD(Least Significant Digit) radix sort = 最下位桁基数ソートの略。基数ソートを参照。
ここでは2を説明する。
概要
アスミック・エースエンタテインメントより発売。ジャンルはドリーム・エミュレーター。PC用ゲーム「東脳」などを製作したデザイナー佐藤理氏らによって送り出されたPS用ゲーム第一弾。
プレイヤーは明月荘(仮称)に暮らす「誰か」となり、明月荘を始めとした5~6の大マップを自由に歩きまわることができる。いわゆる目指すべき目的やエンディングは特にない。365日目(DAY_365)には特殊なムービーが挿入されるが、その後は1日目(DAY_001)に戻る。
明月荘の外は異様な光景が広がっている。針のような日光、京都を模したような風景、足音がおかしくなる床など・・・なぜこんな異様な世界なのかというと、下述のように京都出身のスタッフらが10年間の間に見た夢を基にデザインしているため。
これら風景は最初は(正常なところは)正常なものの、日数が進むにつれてどんどんテクスチャが異常なものに差し替わっていき、やがて小説か何かのカットアップ文章が壁一面に張られたテクスチャになる。
また所々に不気味なオブジェクトが置かれている。特に各地に影のように現れる、山高帽を被った紳士のような黒いしみ(通称「紳士」)は、触れると今まで見た夢(ムービー)をリセットされ、すでに観た夢のリプレイもできなくなるため、本作における「敵」と言ってもよい。
これら大マップ間を移動するには足ではなくオブジェクトなどにぶつかってワープする必要がある。このときぶつかったオブジェクトによって移動先は異なる。また、ワープ時にムービーが挿入されることもある。
まさに夢を夢のように彷徨うという独特の雰囲気にはまる人も少なくはなく、かつてはプレミアソフトであったが、2010年8月11日よりPS3ゲームアーカイブスで配信され、多くの人がこの電子ドラッグにはまれるようになった。
音楽とグラフィック
ゲーム中の音楽には佐藤理氏の他、μ-ziq・ケンイシイ・JIMI TENORなどが参加している。参加ミュージシャンの一人である「OUT ASS MAO」は「佐藤理」のアナグラムである。
また、ジャケットは7枚封入されており、それぞれgroovisions・DJ FOODなどがデザインを担当している。
ゲーム中のグラフィックやムービーはスタッフが10年間書き留めた夢日記がモチーフになっている。それに佐藤氏の毒のあるグラフィックが加わり、上述の様な一見理解しがたい世界が展開されている。
関連商品として書籍「LOVELY SWEET DREAM」及びサウンドトラックCD「LSD AND REMIXES」などが発売されたが、いずれも現在絶版である。
サウンドトラックについては、現在パブリックドメインとして下記の場所で公開されている。
https://archive.org/details/LsdDreamEmulatorSoundtrack
また、ゲーム発売から20年が経った2018年には、前出のサウンドトラックCDに新リミックス楽曲などを追加した、「LSD REVAMPED(20th Anniversary Deluxe Edition)」が発売されている。
関連動画
関連コミュニティ
関連商品
関連項目
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