からし焼きとは、東京都北区東十条周辺で親しまれているご当地グルメである。
からし焼きとは、豚肉を唐辛子とニンニク、ショウガをベースにしたタレで炒めた後に豆腐と共に煮立てた料理である。からしはマスタードの「芥子」ではなく唐辛子の「辛子」から来たものである。
具は豚肉と豆腐が基本であるが、店によってはタマネギも入ったり薬味にきゅうりを添える所もある。
高度経済成長期の東十条周辺が発祥の地とされており、当時の十条周辺の工場で働いていた労働者向けに安価でパンチが効いてたっぷりご飯を食べられる料理として人気を博した。からし焼きのレシピは門外不出であったものの見様見真似でもある程度盗む事ができたため周辺の店舗にも広まり、現在では北区の学校給食にも出されるほどのソウルフードとなっている。
なお、板橋に本店を構えるアームロックで有名な洋食店チェーン「洋庖丁」でもからし焼きを提供しているが、洋庖丁の辛子は「黒胡椒」であるため異なる。
からし焼きの御三家「とん八」「大番」で共通するスタイルとしては、豚バラ肉を大量のすりおろしニンニクとショウガ、醤油と唐辛子粉をベースにしたタレと共に炒めた後に肉を取り出し、豆腐を残ったタレと共に煮込んでいき、最後に炒めた肉を合わせて盛られる形となる。
もつ煮のようでもありチゲ鍋のようでもありはたまたマーボー豆腐を思わせるビジュアルに小口切りのねぎと千切りきゅうりが盛られた、一見するとアンマッチな組み合わせに思えるが、強烈なニンニクのパンチと豚の甘めの脂が絶妙にマッチし、そのタレを吸い込んだ濃厚な豆腐、その濃厚さをサッパリとさせるきゅうりははご飯の相性も抜群でガツガツといただける一品である。
当然ながら酒の肴としての相性も抜群であり、十条の大衆酒場でもビール、チューハイ、ホッピーと共に親しまれている。
からし焼きに似た料理としては「朝鮮焼き」と呼ばれるものが日本各地に点在している。からし焼き同様にニンニク・ショウガ・唐辛子をベースにしたタレと共に炒めたものであり、当時の朝鮮系の人々がニンニクと唐辛子をよく食べていたために名づけられたものである。
ただ、東十条のからし焼きは中華系のレシピが混ざった独自のアレンジが加えられたものである。
(元々がとん八の店主が作ったまかない料理だった影響もある)
からし焼き発祥の店とされる「とん八」と、絶大な支持を得る「大番」が東十条の御三家と言われており、現在(2024年5月時点)も営業中で地元住民に親しまれている。
ちなみに御三家の残り1件は「みとめ」(大衆酒場みとめ)という店だったそうだが、2017年に惜しまれつつ閉店している。
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最終更新:2025/12/06(土) 16:00
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