エリザベート・フォン・ブラウンシュヴァイク(Elisabeth von Braunschweig)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
ゴールデンバウム朝銀河帝国の貴族令嬢で帝室の縁戚。有力な門閥貴族オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵と、その妻で第36代皇帝フリードリヒ4世の皇女アマーリエとの間にできた一人娘であり、帝国暦487年時点で16歳。
母が皇女であることにより、従妹のサビーネ・フォン・リッテンハイムと並んで次期皇帝有力候補であった。しかし外戚の専横を忌々しく感じていた当時の国務尚書クラウス・フォン・リヒテンラーデが権力維持のためラインハルト・フォン・ローエングラム元帥と手を組み、早世していたルードヴィヒ皇太子の子ながら有力な外戚のいない5歳の皇嫡孫エルウィン・ヨーゼフを即位させたため、野心を阻まれたブラウンシュヴァイク、リッテンハイム両家ら門閥貴族によりリップシュタット戦役が勃発する。
やがてリップシュタット戦役の終盤、敗北を悟ったブラウンシュヴァイク公がラインハルトとの和平を考慮した時、エリザベートをラインハルトの妻とすることで権力に正当性を与える条件で講和する案を思いついたが、この期に及んではもはや無益であると側近のアンスバッハにたしなめられ具体化することはなかった。その後の行方は不明。
原作ではほぼ触れられるだけの存在であり、実際にどういう性格の持ち主であるのか判然とせず、メディアミックスでの扱いもそれぞれで大きく異なる。
石黒監督版OVA本伝では16話で小さく顔写真が映るのと、23話でブラウンシュヴァイク公がラインハルトに自分の娘をやるくだりで触れられるだけで、原作通りの扱いである。
同シリーズオリジナルの外伝作では、従妹サビーネが登場シーンを貰っている「決闘者」2話においてウィルヘルム・フォン・リッテンハイム3世侯爵とヘルクスハイマー伯爵の会話シーンで、サビーネとならぶ帝位継承の有力候補として名前が挙がる。つづく「奪還者」の4話では、エリザベートがある遺伝病の特質を持つと判明したことが、ヘルクスハイマー伯が失脚・亡命する原因となったことが語られた。
リップシュタット戦役時に次期皇帝候補として登場する。容姿はいくら親子だからってそこまで似なくたってもいいだろうと言いたくなるほどに父親ブラウンシュヴァイク公と似ている。ほぼ公爵を女性化させただけといっても過言ではない。
父親と同じくリッテンハイムの一族とは犬猿の仲で、リップシュタット盟約を結ぶ園遊会の際には、父親と一緒にリッテンハイム侯爵とその娘サビーネを、心底不愉快そうに睨み合っていた。
本人の語るところによれば次期皇帝となるべく帝王学を幼い頃から学んできたらしいが、それが生かされるシーンはまったくなく、ガイエスブルク要塞での戦いで戦死している。フレーゲル男爵とは非常に親しい間柄であったらしく、軽口を言い合う場面があり、エリザベートが死んだ時はフレーゲルがブラウンシュヴァイク公と一緒に涙を流して深く悲しむほど。
Die Neue Theseでは第14話でフリードリヒ4世の葬儀がクローズアップされており、他の皇族や有力貴族達と一緒に葬儀に参加する形で初登場する。
意外にも帝位を争うライバルであるはずの従妹サビーネとの仲は悪くなく、一緒に新無憂宮の噴水際で親しく語り合う場面がある。また皇帝になることについても両者ともに「まだ幼いエルウィンのかわり」と認識しているらしく、当人達はそれほど強く皇帝になることを望んでいるわけではない様子。どちらも父親から自分が皇帝になると言われていたようで、どちらが正しいか口喧嘩になってはいたが、実際にしていることは子どもの水かけ遊びそのものとたいへん微笑ましい。
とはいえ良家の令嬢らしく時と場合は弁えており、乳母が迎えに来ればすぐに切り替えて動き、実際の葬儀の場でも厳粛な面持ちで祖父フリードリヒ4世を弔う列に加わっていた。
リップシュタット戦役後の消息は不明だが、「星乱」第三章劇場公開時のパンフレットにおける歴史解説では、ガイエスブルク要塞陥落時に討伐軍に保護されオーディンへ送還されたことが記されており、無事に生存してはいるようである。
掲示板
21 ななしのよっしん
2022/09/08(木) 01:36:46 ID: N2++fz2SCv
皇位継承の候補者に彼女らばかりがあがっていたが
…アマーリエやクリスティーネら母たちには継承権無かったんだろうか?
皇帝の娘なんだけど臣下に嫁いでると継承権消えるんだろうか
22 ななしのよっしん
2022/10/23(日) 22:15:36 ID: KSRAc6H4FF
ノイエではザビーネ共々なんだか理に聡い印象を抱いたな
帝国もあきらかに男権偏重の国だろうし、カザリンまで女帝がなかったことからも、自分たちにとってはお飾りの帝位でしかないこともわきまえていたんでは
銀河系屈指の富家の子女、人を待たせることに慣れてそうなのに、従者に呼ばれて小走りするあたり性根も悪くなさそう
23 ななしのよっしん
2025/04/24(木) 09:05:15 ID: ViLbajGLr+
>>21
「女帝の夫」より「女帝の父」の方が立場とか発言権が強いとかあるのかもしれん
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最終更新:2025/12/12(金) 12:00
最終更新:2025/12/12(金) 12:00
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