ガンダムMk-Ⅲとは、『Ζ-MSV』に分類されているモビルスーツである。
Ζ-MSV版の他に連邦版のイグレイ、ティターンズ版のハーピュレイ等のガンダムMk-Ⅲも解説する。
元々は藤田一巳氏が月刊OUTのΖワールドという企画で描いたガンダムMk-Ⅱのアドバンスドモデル「ガンダムMk-Ⅲ」を、B-CLUB vol.5のZ-MSV企画において自身の手でリファインしたもの。
この機体を語る上で、Ζ-MSV版が設定されるまでに創られたMk-Ⅲについても触れておかねばならないだろう。モデルグラフィックス誌の設定では、連邦、ティターンズ各々の陣営にガンダムMk-Ⅲという名の機体が存在しており、機体の開発コンセプトも全く異なる物だった。
そしてΖ-MSVのほうが後発なので、そちらとの整合性もあまり考えられていない。
連邦版のMk-Ⅲ(イグレイ)はΖ-MSV版より早く掲載されている。またこれらはΖプラス、ガンダムMk-Ⅴ、エプシィガンダム等のモデグラを初出とするオリジナルガンダムとほぼ同時期に掲載された機体である。この時には開発系列に組み込もうとする動きも見られた。
矢立文庫のWeb企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』では「ティターンズ側でもガンダムMk-Ⅲが開発されていた」という記述もある。この企画はサンライズが関わっているので比較的信憑性は高い。
ちなみに原文だと「それらの殆どは戦場に出ることなく表部隊から消えた」と続くがイグレイ、ハーピュレイ、デュライ、フリーアの事を指しているかは不明である。
型番 | MSF-007 |
---|---|
頭頂高 | 19.5m/22.0m(全高) |
重量 | 32.1t/48.2t(全備) |
出力 | 2,022kw |
推力 | 107,500kg |
装甲 | ガンダリウム合金 |
兵装 | ビーム・サーベル×2 |
専用ビーム・ライフル | |
2連装ビーム・キャノン | |
シールド |
正式なΖ-MSVのMk-Ⅲ。
ティターンズから奪取したガンダムMk-Ⅱのムーバブルフレーム技術をアナハイム社のフジタ博士が改良した機体。
ムーバブルフレームの強度問題、内部構造の複雑化からMk-Ⅱは量産には適さないと判断された。そこでアナハイム社のフジタ技師長は、装甲やムーバブルフレームにガンダリウム合金を採用し、構造の強化・防御性能の向上を図った。
Mk-Ⅲは間接部分の強度を向上させることでより人間に近い動作が可能となり、追従性を高めることに成功した。
火力の増強やスラスターの増設もあって総合性能は高く、次世代機の雛型と呼ぶに相応しい機体となった。
AE社製の物は後述の8号機も確認されているが、生産数は不明。
ナイトガンダムのモデルとしても有名な機体で、プラモの説明書に「騎士であるかのような華麗さ」という謎の記述がされている。
『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場。
エゥーゴで数機が生産されたガンダムMk-Ⅲの内1機。全体が赤色に塗装されているのが特徴で、これはクワトロ・バジーナの乗機にしたかったからだとも言われている。
シールドはビームコーティング(百式の廉価版)が採用されている。その他はZ-MSV版と同一。
グラナダからエゥーゴ/コリアー艦隊が待つサイド2宙域への輸送中、茨の園跡でアクシズの強行偵察部隊と遭遇、輸送部隊の戦力不足から実戦に投入された。各部を大きく損傷しつつも敵部隊殲滅に成功している。
SDクラブ誌掲載のM-MSV(大河原郁男コレクション)に登場。
Mk-Ⅲにフルアーマーシステムを採用した形態。両脚部ハイパー・ビーム・キャノン、両肩にシールド・キャノン等の火器を搭載。計7門のビームキャノンを持ち、さらにグレネードランチャーを装備している。 シールドキャノンにはジェネレーターが内蔵され、ビーム兵器へのエネルギー供給を可能とした。
また、機動力向上のために各部にスラスターを増設し、稼働時間延長のためにプロペラントタンクを装備。フルアーマー化はMSが第3世代に移ったことによりペーパープランで終わっている。
SDガンダム外伝の「騎士ガンダム」とSD戦国伝の「頑駄無真悪参」は、ガンダムMk-Ⅲをデザイン上のモチーフとするキャラクターである。
騎士ガンダムは操者(コア)を失った黄金神が新たなコアに選んだ武者頑駄無真悪参の「善の心」であり、覇界神バロックガンの妨害を受け、真悪参が「善の心」と「悪の心」に分裂し、黄金神が「善の心」を騎士ガンダムとして転生させたという経緯を辿っている。
ちなみに真悪参には息子「射駆零(イグレイ)」、さらに子孫に「頑駄無真駆参」がいる。
EGLEY イグレイ |
|
---|---|
型番 | RX-166 |
頭頂高 | 22.6m/31.4m(全高) |
重量 | 52.1t/88.0t(全備) |
出力 | 2,010kw |
推力 | 112,600kg |
装甲 | ガンダリウムγ |
兵装 | ビーム・サーベル×2 |
ビーム・ライフル | |
ハイパー・バズーカ | |
60mmバルカン砲×2 |
モデルグラフィックス1985年11月号を初出とする連邦版のガンダムMk-Ⅲ。(ただし、開発したキリマンジャロ基地自体がほとんどティターンズの基地である。そのせいか、イグレイも後の本でティターンズ機に分類しなおしている)
小田氏が藤田氏のアドバンスドガンダムをイメージベースに作ったオリジナルガンダム。
設定では地球連邦軍のキリマンジャロ基地で開発された機体。フレームの高いポテンシャルに注目したキリマンジャロ基地の開発グループが、マークツーの設計図をグリプスから取り寄せて製造が進められた。
キリマンジャロ基地で開発した機体にバイアランがあり、型式番号の上二桁は同様に生産拠点を示している(16=キリマンジャロ基地)。下一桁は製造順で6番目という事を指す。
装甲をガンダリウムγに換装、さらに高機動スラスターユニットを装備してペイロードの増加を図る。本機はMk-ⅡのアドバンスドモデルとしてガンダムMk-Ⅲと名付けられた。
Mk-Ⅲとして正式な認可を得ていなかったとのことで、先行して開発が進められたRX-272と名前がかぶっているのはそのため。さらにキリマンジャロ基地がカラバの攻撃を受けたことで試作機とデータが全て消失し、イグレイが日の目を見ることはなかった。
デザイン経緯上、Z-MSV版と外見がそっくりだが、設定上はほとんど接点がない。現在の設定に組み込むには、そのあたりの説明が不足していると言える。
SDガンダムシリーズでは、先述した通り武者頑駄無真悪参に射駆零という名の息子がいる事が判明。
HALPULEY ハーピュレイ |
|
---|---|
型番 | RX-272 |
頭頂高 | 22.3m/25.9m(全高) |
重量 | 48.9t/118.2t(全備) |
出力 | 1,980kw |
推力 | 123,200kg |
装甲 | :PROJECT Z (ガンダリウムβ) :PROJECT ZZ (チタン合金セラミック複合材) |
兵装 | ビーム・キャノン×4 |
ビーム・ライフル×2 | |
ビーム・サーベル×2 | |
60mmバルカン砲×2 |
モデルグラフィックス1986年2月号を初出とする機体。
デザインは複数存在するが、最初の『PROJECT Ζ』版(フェイスマスク的な物を被っている方)はモビルスーツというよりオーラバトラーの様で、スタンダードなガンダムタイプからもかなり外れているように思える。
これはメカデザイナー志望の読者が寄稿したメカデザインを岡本英郎氏がクリーンアップした物。
生前のフランクリン・ビダン大尉はマークツーの開発後から既に見切りを付け、次の開発に取りかかっていた。しかしガンダム強奪事件で大尉が死去したことを受け、計画は他の者が引き継ぐことになる。
このハーピュレイはグリプス基地で開発された機体で、ギャプランの設計データを参考にしているため、初期構想とは大幅に異なる機体となった。
装甲はガンダリウムベータ級の強度だが、ギャプランに似た可変機構を備えているため高速戦闘もこなせる。
RX-272は計3機が製造。
1号機がフリーア、2号機がハーピュレイ、3号機はデュライと名付けられる。
作戦に応じて異なる装備を持たせており、特にデュライはウェイブライディング・ボードを装着することにより単独で大気圏突入が可能。しかし装甲材の問題で予定性能に達しなかった、または装甲材ガンダリウムβの精錬に限界があったことから、制式採用に至らず終わったという。
当初の設定では対Zガンダム用だが、後にムック『MISSION ZZ』に載った年表ではZガンダムよりかなり早くロールアウトしているため、その設定はなくなっているようだ。さらに『MISSION ZZ』では装甲材ガンダリウムβという設定もチタン合金セラミック複合材に修正、明貴美加氏によるイラストもΖ系フェイスに変更された。
RX-272という型番は、拠点17(=グリプス)の12番目の機体の意。公式な資料に載っている機体で200番台に到達したものはなく、公式外でも有名なものはこれしかない。
とはいえ、ハーピュレイは人気も知名度も高く、設定上の無理もそれほど無い。資料への掲載が比較的望まれている機体だと思われる。
『ADVANCE OF Ζ』に登場するギャプランTR-5[フライルー]は、ハーピュレイ型の頭部案があった。
漫画『サイドストーリーオブガンダムΖ』に登場。型式番号:RX-178R
基本的にはZ-MSV版と同じだが、本作がパラレル世界のゼータという事もあってティターンズが開発した設定になっている。また型番も変わり、若干近藤氏によるアレンジも加えられた。
ゲームブック『エニグマ始動』に登場。こちらも完全なパラレルである。
連邦軍が開発した最新鋭機で地上戦を重視したMk-Ⅱの後継機であり、セミ・モノコック構造を持っている。
Webアニメ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』に登場するガンプラ。Mk-Ⅲベースとなっているが、左右非対称で全身を徹底的に手が加えられた異形のガンプラであり、一見するとMk-Ⅲだと判別する事が困難なほど(腕部・腰部で辛うじて意匠が解る程度)
「ゼルトザーム」とはドイツ語で「奇妙」「不思議」正に名は体を表すと云うべき機体。
更にこの機体のベース機として「ガンダムティルティウム」が存在。こちらは白味ががったロービジ色基調かつヒロイックな外見であり純粋にZ系統由来のMk-Ⅲの正統強化型という趣。「ティルティウム」はラテン語の「3」番目。すなわちMk-Ⅲそのものを指している。
改造機とはいえ、Mk-Ⅲがアニメで動いた初の機体である(過去のガンプラアニメでは背景として出ていた)また、1/144のプラキットとしても両者が発売。既にランナー部分にMk-Ⅲのネームが刻まれている
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掲示板
29 ななしのよっしん
2022/08/27(土) 22:47:03 ID: 3tXAXRRxUD
本日8月27日、ガンダムベース限定のSDW HEROES クリアカラーセットⅡのアーサーガンダムMk-Ⅲ&シーザーレジェンドガンダムクリアーVer.発売日おめでとう!
https://
30 ななしのよっしん
2023/02/26(日) 07:04:38 ID: 6vL6zQhk2M
>>27 そんなあなたに創世超竜譚 蛮界の騎士団に出てくるマークスリーをどうぞ!
31 ななしのよっしん
2023/02/28(火) 18:43:07 ID: ZqpXe8I6OY
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最終更新:2025/03/26(水) 22:00
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