サトームセンとは、あなたの近所の秋葉原である。
サトームセンはかつて存在した家電量販店である。東京都の秋葉原本店を中心とし、神奈川・千葉・埼玉・茨城といった関東圏でチェーン展開を行っていた。キャッチコピーは「確かな物を、確かな店で」。
店舗形態としては、コジマのように他の施設と複合して展開することはほぼ無く、独立した大型店舗施設を各地に建設または利用して展開する事が特徴である。秋葉原以外では駐車場完備の施設も多かった。
また関東ローカルではあるが、非常に印象的なTVCMでおなじみだった。特に1990年代まではゴールデンの時間帯に放送されていたバラエティ番組の冠スポンサーに大手家電企業(日立・東芝など)が非常に多かったこともあり、その時代を知る人からの知名度は高い。
しかし2000年代以降はネット通販の普及と共に業績が悪化し、現在は事業を停止している。
バブル崩壊後は単に家電やマルチメディアに力を入れるだけでは経営を支えきれず、晩年の本店では秋葉原の立地を活かし、PCゲーム販売や声優イベントを展開した石丸電気同様にアイドルの招致するイベントを行ったりもしていた。
2005年~2006年にかけてぷれっそホールディングスに全株式を売却し、経営統合。更に2007年にぷれっそがヤマダ電機に買収されると、その傘下となる。2007年以降サトームセンの店舗は全て無くなっており、最後まで残っていた店舗の多くは傘下に入ったヤマダ電機の店舗に移行した。
店舗消滅後暫くは所有資産の管理会社として法人は残っていたものの、2013年に法人格をヤマダに吸収されることとなり完全消滅、創業67年で幕を下ろした。これにより、あなたの近所には秋葉原は存在しなくなった(秋葉原周辺住民を除く)。
なお、経営末期に閉鎖した店舗施設は前述の通り大型のビルや商業施設が多かったため、取り壊されずそのまま他の店舗が入ったケースが多く、特に引き続き家電量販店となった店舗はヤマダ以外にもノジマ、ラオックス、でんきち等がある。
その為会社が消滅した現在でも建物だけは残存している。特に2020年8月に秋葉原駅前にある「旧サトームセン1号館」のビルに入居していた「ツクモ秋葉原駅前店(ヤマダHD)」が閉店し、2022年4月に「ソフマップAKIBA駅前館」がオープンした際、その間の改装工事中にビル自体も調査改修工事を受けたのだが、その際の仮囲いに張り出された事業場名称が「サトームセン1号店 改修工事」だったことから、建物名は未だにサトームセンという名称で千代田区に登録されている事が確認され、Twitterで若干の話題を呼んだ(広告が撤去された1階の壁面からは「サトームセン」のロゴの設置痕が…)。
この為、少なくとも秋葉原に現存する他の旧サトームセンビル(現在「東京レジャーランド秋葉原1号店」になっている「旧サトームセンパソコン館PCisland」ビルなど)も同様の名称で千代田区に登録されているとみられる。
あなたの近所の秋葉原!サトームセン!というフレーズは(関東圏の人間にとっては)あまりにも有名。
作詞:伊藤アキラ 作曲:長沢ヒロ(男声パート担当)
曲を使用したTVCMの内容は、ジャガーを擬人化したマスコットキャラクター「じゃがお」「じゃがこ」が、暗い家電製品の売り場で実際のテレビ・ビデオデッキ等を背景にタップを交えたダンスを踊りながら歌い、最後はスケボーに乗りながら前述のフレーズで締め、ロゴが表示されるというものである。
キャラクターは全編に渡りミニチュアのストップモーションが使用されており、CGは一切使用されていないが、その軽快な動きと特徴的な曲も相まって非常に印象深いものとなっている。
なおCM中で登場した家電製品には「Hitachi」「Panasonic」「SONY」のロゴが確認できる。
CMが放送された年度は不明だが、少なくとも1990年(平成2年)での放送された例が確認されており、以降2004年頃までにかけて、実に10年以上この映像を使ったCMが使用され続けていた。他の家電量販店のCMが様々なパターンを製作している状況とは対照的である。
またヨドバシカメラやコジマ、さくらやといった同時期の家電量販店のTVCMでは「安さ」「セール」「売れ筋商品」等をひたすら強調する構成である事からも、この独特な曲とダンスだけのCMは異彩を放っていると言える(但し後半の「あなたの近所の秋葉原」の歌詞を飛ばし、新装開店の告知を行う等のローカルバージョンも存在していた)。その内容や放送期間の長さから、印象を植え付けるには十分な内容だったと言えるだろう。
また所謂"アキバ系"という単語やオタクの聖地的ムーブメントがまだ存在せず、あくまで都心有数の電気街という位置づけであった当時の"秋葉原"という町の単語を、家電の紹介の代わりとして歌詞に盛り込みテレビを通じて紹介したこの曲は、黎明期における秋葉原系文化の象徴の一つとして取り上げられる事もあった。
例としては、インディーズ時代の桃井はるこ(もあいはるこ)が1997年頃に公開したMVの冒頭では、秋葉原の風景をバックにこの曲が流れるシーンが存在する。
なおこの曲はポニーキャニオンから発売されたアルバム「エレクトリックパーク」に収録されている他、JOYSOUND等一部のカラオケ店にも曲が登録されている。
そんなこともあって、長らく親しまれてきたサトームセンのCMであったが、流石に2000年代に放送された頃には、映像の中で登場する旧式の家電に対しての違和感は否めないものであった。
それを受けてか、2005年にはフルCGによって大幅にリニューアルされた2代目CMが登場。その上なんとあのライオンでおなじみの富士サファリパークを歌うことでも知られる串田アキラを起用し、ジャズ風にアレンジされた2代目テーマソングを使用している。映像ではスケボーは省略されたものの、ジャガーのキャラクターが大幅に増加したほか、冒頭カタカナのロゴが中央から左上にワイプしていく演出や、「じゃがお」のタップシーン、「じゃがこ」のウインク等、初代の演出も健在である。また初代で家電量販店色がやや薄かった事を考慮してか、締めのロゴの直前には明るい店内でユニフォームを着こなした「じゃがお」「じゃがこ」の姿が追加されている。
しかしこの2代目CMの放送期間は非常に短く、僅か約2年後の2007年12月に全店舗が消滅した上、1990年代ほど起用する番組も多くなかった為か知名度は低い。クオリティ自体は高いだけに悔やまれる。
またこの2代目曲は長らく販売されていなかったが、2019年に串田アキラのアルバム「Delight」にて収録された。
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最終更新:2023/03/21(火) 09:00
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