「出来らあっ!」とは、漫画作品『スーパーくいしん坊』に登場した台詞である。
『包丁人味平』で知られる原作「牛次郎」と絵「ビッグ錠」のコンビによる、漫画作品『スーパーくいしん坊』の「美味ステーキ勝負!!の巻」のエピソード内で登場した台詞。
後述する「おなじ値段でもっとうまいステーキを食わせられるっていったんだよ!!」「え!! おなじ値段でステーキを!?」という台詞と共に、これらの台詞が登場する一連のシーンが面白画像としてネット上で流布されている。テキストとしては、むしろ「できらぁ!」と言った少し異なる表記の方が広まっている感もある。
この 「美味ステーキ勝負!!の巻」は、『スーパーくいしん坊』のマガジンKCコミックスでは7巻に、KCデラックス版では4巻に収録されているようだ。選抜エピソードのみが収録されている中公文庫版では前編が1巻に、後編が2巻にと分割収録されているようだ。
(※ここから以下の内容は、電子書籍サイトebookjapanで『スーパーくいしん坊』7巻の電子書籍版を購入して確認したものである。紙媒体のコミックスや雑誌掲載時とは細部が異なっている可能性もある。)
主人公「鍋島香介」はレストラン「キッチンくいしん坊」のオーナーシェフの息子で、料理に関して柔軟なアイディアを出す才能を持つ少年である。しかし料理のことになるとすぐにムキになり、そのために他人とトラブルとなることが多いという欠点もある。
ある日の朝、香介の父親が新聞に挟まっていたチラシ広告で「ステーキ(200g)が980円!」と謳う「ステーキハウス春」の開店広告を見て低価格に驚いていたところ香介も興味を持ち、父親と一緒に食べに行くことになった。
「しかしこの値段じゃきっとかたくて食えたもんじゃねえぜ」「そうだなあうちのだって最低千五百円はするもんなあ」「ともかく勉強のためだいってみようぜ」「ほんとに牛肉をつかってんのかねえ」と、低価格でまともなステーキが出せるものか疑念を抱いていた親子だったが、「ステーキハウス春」に到着して実際に食べてみると肉はやわらかく味も美味しく、どんな工夫でこれを実現しているものかと不思議に思う。
その食事中、父親が駐車場に止めていた車の位置が悪く他のお客の車が出られなくなっていたため、店内放送で「キッチンくいしん坊さま」とアナウンスで呼び出されてしまい、父親は慌てて車を動かしに行った(親子が乗ってきた車には「キッチンくいしん坊」の店名が記されていた)。
しかしこの店内放送を聞きつけた「ステーキハウス春」のコックが「人の店の技術を盗みにくるのにずいぶん大胆なやり方ですなあ」とわざわざ座席まで嫌味を言いに来る。それに激昂した香介は言い返しはじめ、以下の口論へと発展してしまうのだった。
香介「フンよくいうよだいたい盗まれるような技術があるのかよ」
コック「なにい!?」香介「ヘンッステーキなんかいい肉さえありゃあだれだって焼けらあ!!」
コック「ファッハハハたしかにそうだ!」
そしてここから、ネット上で面白画像として流布されている以下の2ページに繋がるのである。
(※右ページ)
コック「まあうちのマネをしようなんてバカな考えはよすんだなハハハハ」(※そう言い捨てて席を立ち去ろうとする)
香介(‥‥‥‥)(※汗を流し、睨みつけている)
香介「出来らあっ!」
コック「いまなんていった?」
香介「おなじ値段でもっとうまいステーキを食わせられるっていったんだよ!!」
(※左ページ)
コック「こりゃあおもしろい小僧だぜ」
父親「いやこいつは食い物のことになるとすぐにムキになるんだよ すまんこいつにかわってあやまる!!」
コック「そうはいかないぜくいしん坊さん」
コック「大勢のお客の前でケチをつけられたんだ」(※騒動を聞いて、多くの客が3人に注目している)
コック「こりゃあどうしてもうちの同じ値段で うまいステーキをつくってもらおう」
香介「え!! おなじ値段でステーキを!?」
右ページで「おなじ値段でもっとうまいステーキを食わせられる」と堂々と宣言しているにも関わらず、その直後の左のページではそれを実行しろと言われてなぜか驚愕している主人公……というこの見開き2ページの画像は、「お前ついさっき自分でそう言ったのに何で驚いてんだ?」というツッコミなどとともに「面白画像」としてインターネット上で流布されるようになった。これを元ネタとした様々な二次創作画像なども作成されている。
「この左のページから右のページに繋げられそう」という、無限ループにできそうという意見もある。無限ループってこわくね?
さらには「これ、本当は左のページが先にあって、後から右ページに繋がるんじゃないの?乱丁でページの順序が狂っているのでは」といった意見も出るそうだ。しかし、上記のような前ページまでの流れからは右ページにしかつながらないし、またこの2ページのさらに次のページはコックが「そうだこの小僧とうちで」「ステーキのデリシャスマッチだ!」「いいな小僧勝負は二日後!場所はこの店だ!!」と話すシーンなので上記の左ページからしかつながらない。よって乱丁の可能性は無いと思われる。
ここから「キッチンくいしん坊」と「ステーキハウス春」の2店の公開対決となり、香介の工夫によって「キッチンくいしん坊」側が勝利した上で両者が和解する流れとなる。
その香介による「工夫」とは、「極上肉の脂肪を細く切ったものを安い肉の中にたくさん縫い通しておく」という、要するにいわゆる「牛脂注入肉」の手法と、「ステーキハウス春」の調理場を見て真似た「野菜のエキスに漬けて肉を柔らかくする方法」、および卵白や半紙などを使用して肉汁の旨味を閉じ込めるといったマンガ的ないくつかの手法である。
ちなみに余談ながら、敗北した「ステーキハウス春」側がうまいステーキを安く提供できていた秘訣は、上記の「野菜のエキスに漬けて肉を柔らかくする方法」の他、「多くの支店を持つチェーン店なので直営牧場から良質な肉を安く仕入れている」というものだった。普通に優良店!
しかも「うちの技術を盗みに来たのか」と嫌味を言いに来たコックの態度は少し悪かったかもしれないが、上記の通り香介は実際に「ステーキハウス春」のキッチンを見て知った技術を盗んでいるので、結果的にではあるが「言いがかりをつけただけ」ではなくなってしまっている。
ちなみに『スーパーくいしん坊』は1982年から1987年に『月刊少年マガジン』に連載された漫画であり、インターネットの普及よりかなり前の作品である。
よって、インターネット普及後のどこかの時点で誰かがこの見開き2ページの画像をインターネット上にわざわざ投稿して紹介し、それが徐々に普及したものと思われる。ただしそのきっかけとなった時期や場所などはよくわからない。
Google検索で探し出せたのは、2012年の個人ブログで話題に出されているものが最古だった。また、Twitterで検索したところ、2011年には既に話題に出している人がいた。
それらの2011年頃のTwitter投稿(ツイート)には「えっ!同じ値段でステーキを!?→できらぁ!って言い回しが最近流行っている」と言うものがあったので、この付近に盛んに流布し始めたのかもしれない。また同じく2011年の投稿でこの言い回しについて「いつ頃からふたばに登場したんだろ?」と言うものもあったため、画像掲示板「ふたば☆ちゃんねる」の関与も疑われる。
もちろん、このツイートをした人々がそう認識しているだけのことではあるため、もっと以前から別のサイトをきっかけとして普及し始めていた可能性もある。
掲示板
155 ななしのよっしん
2024/10/27(日) 01:35:33 ID: uARIfU51cM
156 ななしのよっしん
2024/10/31(木) 19:50:08 ID: 6bq8ka42BA
>>151
言っとくがこの時代の牛ステーキはお高い食べ物って区分だったんだぜ
だからこそ代替品的なポジションだった豚肉のステーキことトンテキとは別にビフテキなんて呼ばれてたわけだし
157 ななしのよっしん
2024/10/31(木) 21:05:15 ID: m5xVb7BHuO
>>152
日本で一番消費されていると言われている食べ物の梅おにぎり
1個約140円で160kcal
対して、一般的な業務スーパーで買える鳥もも肉
1kg約1000円で230kcal
1円あたりのカロリーに換算するとおにぎりは0,8円なのに対して鳥もも肉は0,4円
某バーロー「あれれ~おかしいぞ~~??」
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最終更新:2024/11/08(金) 13:00
最終更新:2024/11/08(金) 13:00
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