原田宗時とは (ハラダムネトキとは) [単語記事]

「原田宗時」（はらだ・むねとき 1565 ～ 1593）とは、弱冠18歳より伊達政宗に仕えて軍事を指揮して戦功を重ねた勇士であり、2.7メートルの大太刀を金の鎖で肩から下げた伊達者であり、後藤信康の刎頚の友である。

別名は「原田左馬助」

概要

奥州伊達家臣・山嶺源一郎の子に生まれ、叔父で伊達氏初代伊達朝宗の頃より宿老を務めた原田家の原田宗政が戦死した際に、後継者がいなかった事から原田家を継いだ。

弱冠18歳から伊達政宗と共に戦場を駆け、剛直な性格と武勇に優れた事から伊達政宗との間に家臣の域を超えた信頼を集めた。

また同僚であり9歳年上の知勇兼備の将・後藤信康の間には、まさしく刎頚の友とも呼べる交友があった。

摺上原の戦いや郡山の戦いに従軍して、評定衆として活躍し、豊臣秀吉による朝鮮への派兵にも参加したが、釜山で発病した原田宗時は、対馬まで戻ったところで病没し、29歳の若い命を散らせたのだった。

※その他「原田宗時」の詳細についてはWikipediaの該当記事参照の事。

刎頚の交わり

原田宗時と後藤信康は、当初はライバル関係・・・というか9歳年下の原田宗時が家中でもコーエーが評価しない知勇兼備の将として知られた後藤信康を一方的にライバル視していた中で、二人の関係に影響を与えるとあるイベントが発生する。

1585年に、原田宗時が部下の牢人を蘆名家中に送り、会津を攻めた際に内応させようとしていたが、牢人が原田宗時を裏切って蘆名家についた為に策は成らずに敗北した。

この時、後藤信康が自分の事を笑っていると聞いた原田宗時は激怒し、この機会に後藤信康との間に決着をつけようと決闘を申し込まんと後藤信康の屋敷に踏み込んだ。

血気にはやる原田宗時と相対した後藤信康は、まず原田宗時の失敗を笑った理由を、単に策が失敗したからではなく

功名欲しさに内応者の本質を見抜けなかった御身を笑ったのです。

と答え、怒り心頭した原田宗時だったが、後藤信康より、

決闘を受け入れてもかまわない。
しかしこの様な私的な理由で勇士が命を失う事は伊達家の為にならず、大きな損失となる。
お互い、御家の為に戦って死ぬことこそ大事であると思わないか。

と言われて自分が慢心して一方的にライバル視して失態を招いた事と、後藤信康の深謀遠慮を知って自らが恥ずかしくなり、それを冷静に諌めた後藤信康への信頼を厚くした原田宗時は、後藤信康との間に刎頚の交わりとも言える厚い親交を重ねたと言われている。

伊達者

豊臣秀吉の朝鮮出兵における出陣式の際に、第三陣として登場した伊達政宗の軍団における原田宗時と後藤信康は、まさしく「伊達男」な派手な姿を見せ、伊達男の語源の一つとなった。

その際の原田宗時のいでたちは、

長さ１間半（2.7メートル）もの大太刀を背負い
大太刀を金の鎖で結び
駿馬にまたがり現れた

と言われており、背負っていた大太刀は地面に届かんばかりとなっていて伊達軍の中にあっても特に目立っていたといわれており、京都の人々は原田宗時の威風堂々たる洒落た姿に、

さすがは伊達者

と賞賛の声を送ったといわれている。

しかし・・・この威風堂々とした姿で出陣した原田宗時は、二度と奥州の地を踏む事は無かった・・・

原田宗時の死を悼む歌

原田宗時は朝鮮からの帰途に対馬で病没した。

その事を知った伊達政宗は、家臣の域を超えて友とも感じていた原田宗時の死を悼んで「国風六首」の和歌を詠んだ。

な	夏衣　きつつなれにし　みなれども　別るる秋の　程ぞ物うき
む	虫の音も　涙催す　夕ま暮　淋しき床の　起臥はうし
あ	哀れげに　思うにつれぬ　世の習い　馴れにし夢の　別れをぞする
み	みるからに　猶哀れそう　筆の跡　今より後の　形見ならまし
だ	誰とても　ついには行かん　道なれど　先立つ人の　身ぞ哀れなる
ぶ	吹き払う　嵐にもろき　萩の花　誰しも今や　猶まさるらん

※上から順に歌の頭文字を読むと「なむあみだぶ」→「南無阿弥陀仏」となる。

また、岩出山城で留守役を務めていた原田宗時の刎頚の友・後藤信康もまた、弟同然に思っていた事等を吐露して、原田宗時の大太刀を譲り受けて家宝とした。

その後の原田家

原田宗時が若くして病死した為に後継者がいなかった事から、原田家の名跡は桑折宗資が養子に入る事で残される事となった。

原田宗資は、重臣・茂庭綱元の娘と結婚して男子が生まれており、この男子こそ後に伊達騒動で有名になる原田甲斐こと原田宗輔である。

※原田宗資も通称は原田甲斐だったりする。

伊達騒動によって伊達宗重（伊達安芸）を斬り殺した原田宗輔（原田甲斐）が柴田朝意（柴田外記）と相打ちとなった後、騒動の責任をとって原田家は取り潰されたが、伊達家は残ったのである。

補足

「信長の野望」（PC）シリーズにおける原田宗時の能力一覧。

※伊達家の宿老のはずなのに奥州原田一族で登場しているのは歴代でも原田宗時だけとは・・・

軍事能力

内政能力

戦国群雄伝(S1)

戦闘

－

政治

－

魅力

－

野望

－

武将風雲録(S2)

戦闘

政治

魅力

野望

教養

覇王伝

采配

戦闘

智謀

政治

野望

天翔記

戦才

156(A)

智才

98(B)

政才

70(C)

魅力

野望

将星録

戦闘

智謀

政治

烈風伝

采配

戦闘

智謀

政治

嵐世記

采配

智謀

政治

野望

蒼天録

統率

知略

政治

天下創世

統率

知略

政治

教養

革新

統率

武勇

知略

政治

創造

統率

武勇

知略

政治

大志

統率

武勇

知略

内政

外政

戦国大戦

「てめーはもう許さねぇからな！」

Ver2.0伊達家で参戦。武力と統率は8と6、と2.5コストではそこそこの竜騎馬隊。
更に気合とVer2.0の伊達家で唯一の「攻城」持ち。カードイラストも伊達者のイメージに違わず派手である。
計略は「閃光の逆撃」。相手の計略の後にカウンターとして放つ逆計の一つ。武力と移動速度が上がり弾が無い時はタッチ突撃可と士気3では超破格の効果。逆計なので能動的には打てないが。

同2.5コストは伊達成実と伊達政宗という伊達家の顔が居るため原田が採用される事はあまりない。そのため逆計はリアルステルス気味で思わぬ戦果が出たりする。また伊達家の城持ちは彼だけのため伊達に攻城持ちなんていないと勘違いされ虎口にあっさり通される、なんてことも…決して弱くはないのだが対抗の問題で採用されづらいカードである。