女騎士、経理になる。とは (オンナキシケイリニナルとは) [単語記事]

女騎士、経理になる。（おんなきし、けいりになる）とは、Rootpo rtによる小説である。ジャンルは経理・会計・ファンタジー。

概要

　元々はブログで戯曲形式で連載していたものを、幻冬舎コミックスのWeb 漫画雑誌「デンシバーズ」で漫画化し連載開始した。その後コミックス単行本も幻冬舎コミックスで発売されたが、後に小説版も同幻冬舎コミックスで発売されている。小説単行本は全2巻。コミックス単行本は全8巻。

　そのような経緯もあり、コミックス版と書籍版小説のキャラクターデザインが互いに踏襲されていない。小説版はいわゆる萌え系の画風で可愛く描かれているが、漫画版は年齢と職業相応の風貌となっている。書籍版のイラストレータ－は″こちも″、漫画版の作者は″三ツ矢彰″が担当している。

　書籍版では小説は戯曲形式で収録されているとともに会計について図を用いてわかりやすく解説しており、イラスト（挿絵）も多めになっている。一方、漫画版ではブログで連載されていた小説や書籍版には描かれていないオリジナルエピソード（主人公の女騎士の過去の話）のほか、各巻に単行本描きおろしオリジナルエピソード漫画の「勇者編」、原作者描き下ろしの会計コラム、おまけ漫画等が収録されている。

　漫画版について7巻刊行後1年半の沈黙を経て、8巻分の連載が再開した。女騎士が新大陸で、ダークエルフと司祭補は人間国で、とそれぞれ目的のために3者3様で頑張るという、書籍版第2巻の第7章の42ページまでの展開で連載が終了したが、単行本描きおろしの勇者編32話で漫画版なりの完結版といえる補足がなされている。

登場人物

女騎士: 魔国のオークに捕まった女騎士。名前は「シルヴィア・ワールシュタット」。捕まったオークから人出が足りないからと経理の仕事をしろと命じられ、そのまま魔国の「簿記試験」で3級、2級まで取得する。その後オーク達がいた街が襲撃され滅びたことにより解放され、人間国へ戻った。オーク達が殺された理由に疑問をもっている。元は人間国に併呑された「波国」の貴族で新大陸の副都に移った五大貴族「ワールシュタット」家出身。その影響で幼いころから武を嗜んでいた。口癖は「くっ、殺せ」
ダークエルフ: 奴隷として売られていた所を女騎士が不憫に思い買ったダークエルフの女性。名前は「ルカ・フォン・ローデンスタイン」。恩義に思い女騎士に対してもツッコミながらも経理の知識で助けを出す。ダークエルフが多く住む「影国」出身で元は出自が商家だが、奴隷に身を落とした理由は不明であったが漫画版によれば、船商人であったが、海賊に襲われ父は殺され、母と自分は奴隷に落とされたという。口癖は「正しい帳簿さえあれば世界だって救ってみせる。」と豪語する。
銀行家: 人間国に女騎士が帰った際に従者の幼メイドが怪我をしたところを女騎士が助けた事をキッカケに出会った男性。港町銀行を治める銀行家。亡くなった祖父から経営を引き継いだものの、祖父からは芸術品への素養のみ教えられたことから経営能力は無く女騎士に助けを求める。女騎士の他に部下に番頭がいる。
司祭補: 精霊教会の11人いる司祭補の末席でかつ最年少の女性司祭補。名前はセラフィム・アガフィア。人間国が国債を発行するということで選定者として教会から派遣された。選定に際し策を巡らす。後に港町に拠点を移し女騎士やダークエルフと関わる事が増えた。戦争の終結を目標にしていることを女騎士とダークエルフに明かした。
幼メイド: 銀行家に奉公している女児。名前はマリア。秘密を知った勇者が王国政府から探索されている際、追い詰められていたためその場にいた幼メイドとともに魔国に移動してしまう。
幼王: 人間国の国王の少年。幼王でありながら直言してきた者の言うことを聞き正しい判断をすることが多い。
勇者: 　魔国に勇者パーティーを率いて潜入している。漫画版の勇者編ではギャグ描写になっていることが多い。女騎士にオーク達を殺した犯人だとみなされ剣で襲われるが防ぐ。犯人は自分たちではないこと、別の勇者と呼ばれる人物がいることを女騎士に納得させる。
　人間国に一人だけ帰ってきており、魔国の戦力・経済力とも人間国を凌駕しており戦えば人間国は滅亡することを手紙で告げ、王にも告げようと試みるが人間国の政府から追われる身となっていた。銀行家の家までも追い詰められ、道具を使い幼メイドと魔国へまた赴くことになる。

書籍版と漫画版対照表

原作巻	原作章	漫画版話数	漫画版サブタイトル	漫画版巻数
1巻「鋳造された自由」	1章「フライド・コカトリス」	1話 -6話	1話「女騎士、経理になる。」 2話「女騎士、　ご主人様になる。」 3話「女騎士、憂慮する。」 4話「女騎士、帝都に行く。」 5話「女騎士、慟哭する。」 6話「女騎士、抱擁する。」	1・2巻
	2章「ガバメント・オブリゲーション」	7話 -14話	7話「女騎士、焦燥する。」 8話「女騎士、　　　　荒野を駆ける。」 9話「女騎士、　　　　　めかし込む。」 10話「女騎士、拝謁する。」 11話「女騎士、心を砕く。」 12話「女騎士、温習する。」 13話「女騎士、戒飭する。」 14話「女騎士、切望する。」	2・3巻
	（原作未収録）漫画版オリジナル	15話 -17話	15話「＜副都の悲劇＞前編」 16話「＜副都の悲劇＞中編」 17話「＜副都の悲劇＞後編」	3巻
	3章「リテラシー」	18話 -23話	18話「女騎士、懸念する。」 19話「女騎士、喝破する。」 20話「女騎士、膝を打つ。」 21話「女騎士、一考する。」 22話「女騎士、感極まる。」 23話「女騎士、斡旋する。」	4-5巻
	4章「ウェル・シェイプト・カップ」	24話 -27話	24話「女騎士、　　　　　　便宜を図る。」 25話「女騎士、受託する。」 26話「女騎士、　　　　実力行使に出る。」 27話「女騎士、　　　　太鼓判を押す。」	5巻
	5章「プライス・オブ・ライフ」	28話 -32話	28話「女騎士、捕縛する。」 29話「女騎士、待機する。」 30話「女騎士、嗚咽する。」 31話「女騎士、潜入する。」 32話「女騎士、開発する。」	6巻
	6章「エクイティ」	33話 ‐37話	33話「女騎士、遭遇する。」 34話「女騎士、激突する。」 35話「女騎士、決意する。」 36話「女騎士、赤面する。」 37話「女騎士、　　　　　　経理になる。」	7巻
2巻「魂の負債」	7章「ブラック・スワン」	38話 -43話	38話「女騎士、到着する。」 39話「女騎士、急募する。」 40話「女騎士、　　　　　賭けに乗る。」 41話「女騎士、動揺する。」 42話「女騎士、披露する。」最終話「女騎士、旅立つ。」	8巻
	8章「ローン・オブ・ザ・リング」	-	-
	9章「ジャスト・トゥ・キル・タイム」	-	-

勇者編

すべて漫画版オリジナルで原作未収録エピソードである。登場人物は魔国に潜入している勇者パーティと魔族。各話あたり平均4ページ程度収録している。

巻数	話数	サブタイトル
1巻	1話	勇者と源泉徴収
	2話	勇者と必要経費
	3話	勇者と確定申告
	4話	勇者と特別控除
	5話	勇者と相続税
2巻	6話	勇者と派遣社員
	7話	勇者と契約社員
	8話	勇者と寄付金控除
	9話	勇者と減価償却
3巻	10話	勇者と開業届（1）
	11話	勇者と開業届（2）
	12話	勇者と開業届と屋号
	13話	勇者と開業届と失業保険
	14話	勇者と開業届と業種
	15話	勇者と開業届と青色申告
4巻	16話	勇者と医療費控除
	17話	勇者と健康診断
	18話	勇者と幽玄の眼鏡
5巻	19話	勇者と報酬
	20話	勇者とインフレ
	21話	勇者と大統領制（1）
	22話	勇者と大統領制（2）
6巻	23話	勇者と予定納税（1）
	24話	勇者と予定納税（2）
	25話	勇者と伝説の減価償却
7巻	26話	勇者と脱税（1）
	27話	勇者と脱税（2）
	28話	勇者と脱税（3）
	29話	勇者と脱税（4）
	30話	勇者と納税
8巻	31話	勇者とメイド