恋雪(鬼滅の刃)

この項目は、少年漫画『鬼滅の刃』の第153話以降、及び『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のネタバレで構成をされています。
ここから下は自己責任で突っ走ってください。

「狛治さんもうやめて」

恋雪とは、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた漫画『鬼滅の刃』の登場人物である。

CV：Lynn

概要

雪の結晶を象った髪飾りを身につけた、花の形をした桜色の瞳が特徴の、黒髪の十六歳の少女であった。

初登場は鬼滅の刃第153話『引かれる』であるが、鬼滅の刃第1話『残酷』以前に既に亡くなっている人物で、十二鬼月の上弦の参である猗窩座の回想で魂として登場する。

登場当初は寝たっきりの病弱な身、母親は看病疲れで自殺し――来年や再来年に自身の未来があるのかと悲観する悲惨な環境であったが、怪我した人物を心配し、気を遣う心優しい性格であった。

その生涯

猗窩座が人間だった時の名前は「狛治」で、病弱だった父親を治す薬を手に入れるため、何度も盗みと刑罰を繰り返し、その結果父親を自殺させてしまい、荒れに荒れて喧嘩を繰り返していた。

その狛治を素手の武術『素流』でボコボコに叩きのめし、弟子にした慶蔵が引き合わせる形で初対面。慶蔵から看病を任された狛治は、病弱であった父親の面影を見たのか何も言わずに隣に座り、元来から辛抱が利く身体で、看病にも慣れていた狛治の懸命な奉仕が始まる。

一緒に花火を見ることを約束するなど、何気ない会話が恋雪にとっての救いとなったのか、三年後、元気を取り戻し床に臥せる事も殆どなく、普通に暮らせるようになるまで身体が治った。そして父親が伝える形で好意がある事を明かす。そして煌びやかな花火が夜空を照らす中「私と夫婦になってくれますか？」と告白。その想いは狛治に伝わり、「俺は誰よりも強くなって一生あなたを守ります」と返され、目に涙を浮かべながら喜んだ。

――だが人の手で撒かれた悪意によって、二人の現の恋模様は踏み荒らされる雪の如く消え去る。

恋雪とは殆どの関わりの無い事柄であるが、父親が継いでいた素流の道場は助けたある老人から譲られたものであった。しかしその土地と道場を自分達のものにしたい剣術道場からすると面白いものではなく、幾度も嫌がらせをしていた。

しかし素の実力では勝てず、そして二人の婚約が知られた事で井戸に毒を入れ、一線を超えた外道に手を染める。

知らずに毒が入った井戸の水を飲んだ恋雪、慶蔵は毒に蝕まれ死亡。だが狛治は自身の父親に婚約した事を報告するために墓参りに行っており無事だった。なお、二人だけを狙って殺害して狛治に生き地獄を見せるためにそうしたのか、偶々狛治が留守している間に毒を仕込んだから二人だけ殺害する結果になったのかは不明である。

命をかけて守ると誓った二人が毒殺された狛治は、素流の道着を着込み復讐を決行。剣術道場の六十七人を惨殺した後に出会った鬼舞辻無惨によって鬼にされ、新たな名『猗窩座』を与えられ、守る拳を――師範から学んだ素流を血で染め上げながら、百年以上の無意味な殺戮を繰り返す事となった。

死してなお

肉体は亡くなったが、天国に行くこと無く何らかの形で猗窩座として百年以上生きる狛治の側に居続けていた。炭治郎によって首を切断されたが、それでも尚動き続ける猗窩座と、生と死の境界線で会遇を果たす。

それが契機となって、猗窩座は人であった時の記憶を取り戻し、自らに止めを刺し潔く地獄に行きたいと願う。だが、猗窩座を留める様に鬼の始祖である無惨が現われ、強くなりたい事を思い出して再び鬼の姿となる。

しかし、それを撥ね除ける様に恋雪も現れ「狛治さんありがとうもう充分です」と猗窩座に言葉の向けた瞬間、狛治の姿に戻り互いに抱擁。

約束を守れなかった事を――自身を許してくれと泣きじゃくる。想いが伝わった恋雪は自分達のことを思い出してくれた事に感謝し、「おかえりなさいあなた…」と再会できた事に嬉し泣きしながら、業火に焼かれて一緒に地獄に向かった。

猗窩座に与えた影響

死ぬ間際まで恋雪の事を忘れていた猗窩座であったが、女性は絶対に喰わないし殺しもしない。固有の血鬼術である破壊殺の技名の殆どの元は花火で、羅針の形が恋雪の髪飾りと同じ雪の結晶である。また、鬼となって強さに固執していたのは恋雪との約束が理由である等、記憶として覚えていない状況でありながらも恋雪を鬼としての核としている事が窺える、

そしてアニメに於ける破壊殺・羅針の演出は地に現れた雪の結晶が赤く染まった後に青白く光るもの。それはまるで、血に染まる雪の結晶にも見える事から、毒で殺された恋雪を想起させるものである(漫画でも故人となった恋雪の口元は血で濡れている)。

関連動画

関連項目

• 鬼滅の刃
• 猗窩座
• 花火
• 狛治さんもうやめて