魚は海や川など水の中で生活する生き物である。脊椎動物の一種で、基本的にうろこを持ち、えら呼吸を行い、四肢の代わりにひれを使って泳ぎまわる。
(下傍線は編集者)
魚類はエラにより水中に溶存している酸素を吸収することによって呼吸している。つまり溶存酸素の豊富な水中にいるかぎり、魚類が酸欠に陥ることは通常はありえない。
しかし、魚類のなかには、水中のみならず、空気呼吸も併用しているものがいる。そういった種は、空気呼吸できない状態が続くと、魚であるにもかかわらず溺死する。
つまり、以下の魚類を虫かごに入れて水の張った水槽に沈めると、たとえ水中の溶存酸素が豊富であっても、空気呼吸ができずに遅かれ早かれ窒息してしまうことになる。よって飼育する際には水面と蓋の間に一定の空間を設けなければならない。
ドジョウの仲間はエラのほかに腸呼吸もしている。飼育しているドジョウを観察していると、たまに水面へ呼吸をしにいっている様子を見ることができる。空気をとりこみ、腸から吸収することで、水の少ない泥中でも生存できるのである。
コリドラスも腸呼吸を行うが、強力なエアレーションを施している環境ではあまり見られないという意見もある。あくまで溶存酸素量が少ない場合の補助的なものなのかもしれない。よってコリドラスがドジョウのように溺れるかどうかは定かではない。
肺魚は読んで字のごとく肺をもち、空気呼吸とエラによる水中呼吸を併用している。ただし肺は哺乳類ほどには発達しておらず、うきぶくろがちょっと発展した程度の単室であるためさほど効率は高くない。しかし空気呼吸の依存度は高く、生存に必要な酸素のおよそ92%を肺呼吸に頼っているという。
やはりときおり水面に顔を出して息継ぎをする。大型の個体だとそのさい「きゅう」とか「はぁ」といった音がすることも。
干潟でぴょんぴょん跳ねているハゼの仲間である。ほとんど両生類のような生活様式を営んでおり、水への依存は、半身浴の状態で周囲を見張ったり、たまに水溜りに顔を突っ込んでごくごく飲むようにしてエラ呼吸する程度である。
エラに溜めた水で酸素を補給するほか、皮膚呼吸も用いている。皮膚呼吸においては濡れた体表に溶け込んだ酸素を吸収する手法をとる。よってカエルのように体表がつねに濡れていなければならない。
水なしでも数日は生存できるが、逆に水面を塞いで空気に触れさせないようにすると数時間で死亡する。
マッドスキッパーと通称されるトビハゼ類はさらに水を極端に嫌い、ムツゴロウと同様に軟泥の干潟に生息するが、潮が満ちてくると大慌てで跳ねて水から逃げ惑うほどである。まさにマッドスキッパー(泥で飛び跳ねるもの)である。ただし敵の接近を察知すると水中に逃げ込むこともある。
飼い主に慣れると陸にいる状態で手から直接エサを食べるようになる。
キノボリウオの名前で有名なアナバスの仲間は、エラにラビリンス器官と呼ばれる特殊な構造を有しており、空気から酸素を取り込むことが可能になっている。これによりエラが湿ってさえいれば短時間の上陸も可能としている。溶存酸素が欠乏しやすい止水域に生息しているためにこうした進化を遂げたものと思われる。アナバスの仲間を総称してアナバンティッドという。
アナバンティッドとしてほかに有名なのは、ベタ、グーラミィ、クテノポマなど。ベタがコップで飼えると銘打たれているのはラビリンス器官で空気呼吸が可能なことによる(望ましくはない。海外、たとえばドイツでやると虐待とみなされ罰金刑が下される可能性も)。
逆に空気呼吸が酸素要求量の少なくない割合を占めているため、空気呼吸できないと死に至る。
スネークヘッドといっても中国のマフィアとはなんの関係もない。Channa属に分類される魚類である。いわゆるライギョ。
エラにラビリンス器官に酷似した機能があるため、空気呼吸が可能。これにより夜間に陸を挟んだとなりの湖沼へ這いずって移動することもできる。飼育下においては、水槽が二階にあるのに一階の風呂場で見つかった例が報告されたこともある(だいぶ乾いていたが水槽に戻したら泳ぎだしたという)。
肺魚ほどではないが、ポリプテルスの仲間も肺(というよりうきぶくろ)呼吸を行う。ふだんは低層にいるがときおり思い出したように水面へ息継ぎをしに行く様子を観察することができる。
ポリプテルスにおなじ。
ガーパイクの仲間で有名なのは、国内の河川で目撃なり捕獲なりされたと報じられることの多いアリゲーターガーであろうか。
ポリプテルスにおなじ。
アメリカの大学の研究によると、生存に必要な酸素量の半分を空気呼吸でまかなっているという。
ポリプテルスにおなじ。
発電魚として有名。ちなみにウナギとあるがデンキウナギはウナギではない。ウナギよりむしろコイのほうが近い。
ポリプテルスにおなじ。
淡水魚としては世界最大の有鱗魚として有名。現地では一頭採れば一週間は働かないで暮らせるとして昔から漁師たちの糧となってきた。熟練の漁師は、ピラルクが円を描くように周回していることを利用し、空気呼吸の泡を見つけたら(巨大なのでボゴン!っと派手な音がする)、次に息継ぎしにくるポイントを予測し、船上で辛抱強くじっと待ち、ふたたび水面に上がってきたところを銛で仕留めるという。
ウナギに似て細長い体を持つが、ウナギにはある胸ビレがなく、ヘビのような外見をしている。分類的にウナギとは縁遠い。
咽頭部の鰓弓とよばれる部位の粘膜を使った空気呼吸を可能としている。やはり空気呼吸できないと窒息死する。
慣れると水面からぬうっと頭をもたげてエサをねだるようになる。
空気呼吸できる魚類のほとんどは、エラから水中へ二酸化炭素を排出している。つまり人間が、
「新鮮な空気を肺にとりこむ」「体の各部から肺に戻ってきた血中の二酸化炭素を呼気に溶け込ませて排気する」
このふたつを呼吸のワンセットとしているのに対し、空気呼吸する魚類の多くは、
つまり一方通行であることが特徴といえる。水がなければ二酸化炭素を捨てることができないため、完全に水から離れることもまた不可能である。
↑1分39秒のあたりで水面にオセレイトスネークヘッドが水面にキスをしている。これが空気呼吸の瞬間である。
↑33秒のあたりでレッドスネークヘッドが水面に口をつけている。ここで空気呼吸が行われている。
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最終更新:2024/04/18(木) 05:00
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