田村恵とは (タムラケイとは) [単語記事]

田村恵とは、

広島東洋カープの元捕手で、現スカウト。この記事で記述。
演歌歌手暁月めぐみの本名。こちらは、たむらめぐみと読む。
日本の元サッカー選手(ディフェンダー)。こちらは、たむらめぐむと読む

田村恵とは、元プロ野球選手で、現在は広島東洋カープの九州担当スカウトである。
現役時代のポジションは捕手。

概要

OB
田村恵
基本情報
出身地	福岡県
生年月日	1976年 5月22日
身長体重	172 cm 74 kg
選手情報
投球･打撃	右投右打
守備位置	捕手
プロ入り	1994年ドラフト6位
引退	2002年
経歴
選手歴鹿児島商工高等学校→樟南高等学校広島東洋カープ(1995年-2002年)
プロ野球選手テンプレート

高校時代～現役時代まで

鹿児島商工高校時代は、4度甲子園に出場。
このうち、1992年の夏の甲子園では控え捕手であったが、1993年夏の甲子園に出場した際にはエースの福岡真一郎とともに、田村も黒縁眼鏡の捕手として注目を浴びた。
1994年夏の甲子園は主将として甲子園に出場し、福岡とともに校名が変更となった樟南高校を鹿児島県勢初の夏の甲子園決勝に導いた。

この中で特筆すべきこととしては2度の不運な散り際であろう。
まず、1993年夏の甲子園 3回戦の常総学院戦では、金子誠を擁する常総学院監督の木内幸男の戦略を読み、この試合は当時、「田村対木内の頭脳戦」と話題となった。
（スコアは鹿児島商工が4-0でリードしていたが、4回表に降雨ノーゲームとなった。なお、再試合では常総学院が1-0で勝利を収めた）
1994年夏の甲子園決勝では、樟南有利の下馬評通りに試合が進んだが、8回に佐賀商業が追いつくと、9回には佐賀商業の西原正勝に、史上初となる決勝での満塁ホームランを浴びて、準優勝に終わった

その後、1994年のドラフト会議で広島東洋カープに6位で指名された。
同期入団には、山内泰幸・嶋重宣・朝山東洋・高橋建・横山竜士などがいる。
広島では1998年にプロ初出場を果たすものの、2002年に引退しスコアラーなどを経て、スカウトに転身した。

スカウト転身後

スカウトに転身してからの田村が担当した選手としては、今村猛・松山竜平・安部友裕・中崎翔太・戸田隆矢・大瀬良大地がいる。

この中で話題を呼んだのは大瀬良との絆の強さであろう。
田村は、大瀬良が長崎日大高校に所属している際に2009年の春の甲子園で優勝した今村擁する清峰高校を破った時、つまり無名だったころから注目していた。
その後、大瀬良が九州共立大学に進学した後も、田村は大瀬良を密着マークしていた。
そして、迎えた2013年ドラフト会議。

広島は1巡目で大瀬良の指名を決めていたのだが、大瀬良は競合が予想され、くじ引きを誰がするかという話になった。
本来であれば、球団社長や監督がくじを引くところである。
しかし、2013年の広島は違った。

野村謙二郎監督：2014年の続投が決まった時点で、過去を踏まえて「自分がくじを引くと外すから」という理由で断っていた。
松田元オーナー：「表に出る性格ではないから」と理由で断る
鈴木清明本部長：「当てたときのよろこび方がわからない」（！？）という妙な理由で断る

と言った調子て、広島はくじ引きになった際は担当スカウトがくじを引くと言う話になった。
そして、各球団の指名が始まり、予想通り大瀬良は広島・東京ヤクルトスワローズ・阪神タイガースの3球団による競合となった。
そのくじ引きが行われたあとになるが、田村は次のようなことを述べている。

「彼（大瀬良）は投手、僕は捕手。ミットを持つ左手で（くじを引く）と決めていました」

そして、2番目に引いたくじが交渉権確定の記事であり、大瀬良との交渉権を確定させた。
大瀬良を引き当てた田村であったが、「自分が1番見続けてきたので当たると信じていました」と語った。
一方で、インタビュアーに「どんな投手に育ってほしいですか？」という質問に対して、「……すいません、頭が真っ白で何も答えられないです」と返すなどかなり緊張していたこともうかがえた。

ドラフト、ネット上では田村と大瀬良の絆の強さが話題となり、「ありがとう、田村スカウト」「スカウトと選手の絆がいい」「感動した」「（田村スカウトが）感極まる姿を見て、もらい泣きしました」などの言葉が次々と書き込まれた。
そして、それは同時に、1994年の夏の甲子園以来20年ぶりに田村が表舞台に出てきた瞬間でもあった。