逝っとけダイヤ、それは鉄道動画を「その他」ではなく「エンターテイメント」にしてしまう立役者。ニコニコ動画においては、京急タグと一緒に付くことが多く、KQクオリティの一つとして知られている。
逝っとけダイヤとは、人身事故などの運転支障が発生した際に鉄道会社が発動させるスキル。ダイヤ乱れの際にとにかく列車を走らせお客さんを運ぶという対処法である。
語源は「とりあえず行けるとこまで行っとけ(逝っとけ)」と思われる。
発動後は高度な運行スケジュールの調整が要求されるので、入出庫や乗務員のやりくりで引っかかってしまい、gdgdになることも多い。収拾がつかなくなるリスクを考え、見合わせを長時間行いダイヤ復元を第一とする路線(会社)があるのも仕方がない。しかしこれと対極にある対応が逝っとけダイヤなのだ。
語が使われるようになった本家の鉄道会社。運転主任という職人集団を擁する京急では、日頃から信号やポイントなどあらゆる動作が彼ら自らの手によって司られているため、突発的な運用変更があっても臨機応変に対応できる。
たとえ完全に平常ダイヤを逸れてしまっても的確な指令が各乗務員に送られ、「とりあえず乗れば着ける」という理想的な運行を実現してきている。乗り慣れた京急沿線民もこのことが分かっている(いわゆる客もプロ)ので、混乱も少ない。
逝っとけダイヤが発動しているかどうかは、アナウンス中に次のような『逝っとけ宣言』が含まれているかどうかで判断を。あとは空気を読みましょう……。
運転は再開いたしました。(←ここ強調)
なお、これより先、列車の遅れ、行き先、待ち合わせ等変更がある場合がございます。
ご了承ください。お急ぎのところ大変ご迷惑をおかけしております。
電車は運転を再開しております。(←大事なことなので2回言いました)
なお、遅れが出る見込みですので、ご了承ください。
この先状況によりましては、行き先が変更となる場合がございます。
変更があり次第お客様にお知らせいたします。 (だいたい直前だけどね)
放送内容は、担当や実際の状況によって次のように臨機応変に補足が加わる。
この先遅れが見込まれます。お急ぎのお客様はJR線をご利用ください。(そのJRが原因の混雑の場合ムリ)
列車の行き先、種別、待ち合わせ等に変更がある場合がございます。
もちろん変更になるものは編成両数も。そういえば列車の入ってくる方向さえ……。
だって裏ではこんな航空管制かと思うような指令がバンバン飛び交ってるんだもん。その伝えられる情報量の多さからレールウェイラジオとも呼ばれたり・・・
(これも参考動画から。聞き取り間違ってるかもしれない)
あなたの車は蒲田止まりにして上り回送で平和島まで行っていただけますか?逆出発で。
それで、平和島からは普通車で...
あなたの車は次の京急鶴見で快特の通過待ちをします。信号の指示に従ってください。
ちなみにこの指令は後発の快特が2駅前まで接近してから送られたもの。運輸指令所の逝っとけ具合を体現する迷指令。
あなたの車は併合できませんので、8両で出発してください。
分割併合を日常茶飯事で行う京急でも、(お隣の車とか編成の都合で)そのまま動かしてしまうことも・・・。
京急以外でも様々な方法での運用変更が見られる。それぞれの社の事情によって様々な特例が見られるのが面白い。
小田急ではこの対処法を「カメレオンダイヤ」と呼ぶ。主に事故発生直後に見られる手法で、走行中に抑止の指示を受け、急行なのに通過駅に停車して客扱いをやってしまう手法 である。このとき、幕は「急行」のままになっていることがほとんどで、同様のケースは快速急行とかでもあり得る(快速急行が経堂に臨時停車したケースもある)。
西武の場合池袋線系統は遅れの状況次第では東京メトロ車や東急車を西武の池袋へと入線させる方法や、準急を練馬から石神井公園の間を各停にさせる以前の区間準急と同一の停車駅に変更、急行を臨時停車させるなどの変更、支障区間によっては所沢の折り返しというのが主な点である。
一方で新宿線の場合は直通運転がないので所沢での折り返し(定期列車では設定なし)などの対応があったり、支障区間によっては上石神井や田無折り返し、拝島線の新宿線直通の拝島線内の区間運転(小平~拝島)への運転変更などが行われる。
「逝けば分かるさダイヤ」を参照。
国土交通省鉄道局は毎年10月、「鉄道に対する国民の理解と関心を深め国民の強力な支持を得るとともに、鉄道の一層の発展を期すること」を目的に「日本鉄道賞」(2002年より)と呼ばれる表彰制度を設け、当該鉄道事業者の当該関連事業に対し表彰をしている。
2015年度は、当該表彰のうち特別賞(「高度な安定輸送実現」特別賞)を”京急の高度な安定輸送実現”こと”逝っとけダイヤ”が栄えある栄誉に輝いた。受賞理由は下記の通り(以下原文ママ、強調は引用者によるもの)。
【日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞 「高度な安定輸送実現」特別賞】
◎京浜急行電鉄株式会社
「わが国最高水準の安定輸送の実現」(選考理由)
わが国の鉄道は、高いサービス水準のみならず、安全性や正確性など様々な点で国際的に非常に高い評価を得ています。その中にあっても、京浜急行電鉄は、極めて利便性の高い高頻度・高速運転や相互直通サービス、そして高い安全性を確保しつつ、列車の遅延を最小限に抑制したわが国で最高水準の安定輸送を着実に提供し社会に大きく貢献してきました。これは、同社が線路配線や信号などの地上施設、運行管理システムなどの設備の改良、先頭車両の動力車化といった、ハード面の改善と工夫を長期にわたって営々と積み重ねてきたことに加え、高度なプロフェッショナリズムへのゆるぎない信念に基づいた「人間優位」の運行管理思想を社内の隅々まで徹底してきた、同社の長年の努力の賜物であります。ここに深く敬意を表し「高度な安定輸送実現・特別賞」を授与します。
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最終更新:2024/11/30(土) 21:00
最終更新:2024/11/30(土) 20:00
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