AIイラスト(AIart)とは、人工知能(AI)を用いて作成されたイラストのことである。
通常のイラストが人間の手と画材道具によって作成されるのに対し、人工知能によってコンピュータ上で作成されたイラストのこと。
現実では作成しづらい精密・複雑な画面構成に対するアプローチが短時間で行えるなど、人間と異なるプロセスによって生成されることによる特異性が非常に多い。
(拡散モデルと呼ばれる2022年現在最新の学習に基づいたAIの生成プロセスについてはこちらも参照→お絵描きAIがどのように絵を描いてるのか解説してる人たち - Togetter)
ペンや道具を使い、紙や石板などの情報を刻める媒体に対して、線を引いたり色を付けてある具象を表す、絵画あるいはイラストレーション。世界最古といわれる壁画は約6万4000年前とされ、洞窟に残されている動物の壁画である。以降人類の歴史の上に常に「絵画」という概念があった。
そうした中で、写真が生まれて、情報を記録するという面から絵の役割が薄れた。画面が生まれ、コンピュータが生まれ、コンピュータによって画面に視覚的情報を描画するようになり、絵をコンピュータで描ける時代になって、画材の役割が薄れた。
そして人類は、イラストが人類だけのものではなくしようとしても居た。例えば類人猿に筆を持たせたり、象を調教して鼻で絵を描かせた。そして、ついにはコンピュータ上の人工知能に絵を描かせ始めたのである。
学習データに基づいて出力を行う人工知能を用いて画像生成をしようという試みは他の多くの人工知能分野とともに、2006年ごろに誕生し2012年ごろに躍進する「深層学習(ディープラーニング)」研究以降に顕著であった。その中で画像生成モデルは様々な手法が生み出され、試みられている。
成果物として近年で一般に話題となった初期の例では、ディープラーニングではないもののまずGoogleが2015年に発表した『ディープドリーム』が挙げられる。深化畳み込みニューラルネットワークと呼ばれる情報処理技術を用い、入力した画像を幻覚のような不気味な世界へと変換してしまうというサービスであった。
また、2016年に公開された『レンブラントの新作』。『The Next Rembrandt』というプロジェクトによるもので、マイクロソフトなどの協力のもと、多作であったレンブラントの絵画を様々な方法で学習させた人工知能を多角的に用い、また絵画のプロの見地を加えて検討の上、構図、特徴、更に油絵特有の表面の凹凸までをも学習させ、18ヶ月の月日をかけて出力したものであった。
また、次の二例のモデルが非常に大きくAIイラストの世界に影響を与えた。
2014年に登場した「GAN(敵対的生成ネットワーク)」は、詳しい仕組みは省くが実在の情報から実在しないデータを出力する生成モデルとして高域に影響を与えた。
2019年、『Waifu Labs』および『Crypko』が話題となる。どちらもGANを用いた学習モデルであり、ユーザーが特徴を入力するとそれに沿ったキャラクター画像が生成できるというもので、学習量のためかそれまでと比較して非常に高解像度な二次元イラストを作るために大きく話題となった。
2020年には、『TEZUKA2020プロジェクト』が今は亡きマンガ家である手塚治虫のイラストと人の顔、ストーリーをAIに学習させた後、人間がペン入れ等の補完を行った。そうして漫画を完成させたので、注目された。これもGANを利用していた上、イラストではなく漫画ということもあり、前述の通り実際の人物とは異なる簡略された人体や漫画風のデザインがうまく出力されなかったりして、1から10までAI単体が行うことは難しかったようである。
2021年には、小説生成AI『AIのべりすと』で知られるStaによる『とりんさまAI(TrinArt)』が登場している。テキストを送るとそれに合った感じの独特で素朴な風景画・イメージ画像を生成するというもので、初期は精度が低かったが、徐々に精度を高めていき、話題を集めた。
さて、上のようにしばらくはGANによってアプローチするものが多かったが、2022年になると、深層学習の数ある技術の中で、「拡散モデル(Diffusion Model)」というものが急速に発展する。
ノイズから画像を復元するプロセスを学習させることで存在しない画像を復元させるというもので、元々は2015年ごろに登場した技術であったが、トレーニングの安定性や出力の高品質さなどから再評価され、研究されたところ、画像をいくつか読み込ませることで誰でも少ない手数でイラストを作りあげることまでが可能となる。
この結果、『Midjourny』『Stable Diffusion』など、AIによる画像作成サービスやアプリケーションが次々と公開された。この頃、先述の『とりんさまAI』もモデルを刷新し、大幅に精度を高めている。
勿論指などの細かい部分の歪さや、本来接続しないパーツ同士の接続など、ややおかしい部分が出ないのではないが、従来と比較して大幅に精度が高い作品が出来上がる為、各事例の中でも特に娯楽的な利用、作画時のヒントを得る目的、あるいはその作成物自体を取り入れた作品での利用などで注目を集めることとなった。
急進的な高性能化により、作品制作の補助として、小道具用として、または学習と言語の用法による高度な生成物の探求として活用される反面、汎化による弊害も顕在となってきた。特に、実質的な代行にあたる外部AIサービス系の汎化サービスがそれに拍車をかけた。
既に写真AIでは「生成された存在しない人物の顔写真を詐欺に用いる」「虚偽の情報(フェイクニュース)に説得力を持たせるために実際には起きていない事象の写真を作成」などが問題になっていた。
などといった、利用者もしくは閲覧者での行為や問題が挙げられるようになった。
対応が追いつかないサービスも多く混乱が生じており、自分の手で作品を制作している表現者などの活動を制限するものになっている場面もある。
なお、利用許諾の未読や曲解も起こりうるので、商用の可否や表現可能な範囲(主にR18)、生成素材元の権利関係(素材自体が著作権侵害してないか)、公開に関する許諾(生成・運営サービス側)など、利用の上ではこれらをよく確認すること。
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ニコニコではAIを利用した作品を投稿の制限はないものの、AI(ツールなど)を用いて自動出力されただけの作品に対してクリエイター奨励プログラムから除外することを発表した。
一方で2022年10月現在、ニコニコ静画にはAI作品であることを示すカテゴリタグは用意されていない。
掲示板
2892ななしのよっしん
2023/03/24(金) 23:38:17 ID: urlMISiKPp
>>2890
そっちはどちらかというと脳科学方面のアプローチっぽいしね。
ただ、もし実現すればAIと違って著作権的に揉める範囲は従来と変わらず素直そう。
人間が自分の考えを専用の道具で具現化するので。
2893ななしのよっしん
2023/03/25(土) 00:25:54 ID: 9dTfWcryV7
何度も言ってるけど現状のAIのやってる事は
「キーワードから無断で収集された画像を自動検索して切り貼りコラ画像にする」ってマシーンでしかない
2894ななしのよっしん
2023/03/25(土) 00:34:52 ID: Jy3cAkK14W
>>2890
>>2892
阪大が脳活動から画像生成する研究をしている例はありますね。
https://
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最終更新:2023/03/25(土) 01:00
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