3.1万
29701 ななしのよっしん
2012/01/05(木) 22:38:36 ID: 3nKnWKR15O
>>29699
(ヘイムが獣を突っ込ませてから一拍おいて)
(閃光とともに煙が吹き飛ぶ)
覇気「今のは中々の攻めだったが…私を攻めきるには足りんな」
(再び現れたその姿は、傷一つ負ってはいない)
(全身に禍々しい邪気を纏っているのみだ)
星「わー…。あの一瞬で邪気を纏って防御したって事かしら?」
覇気「そろそろ、私も攻めるぞ」
(覇気がゆっくりと星に手を翳す)
(それに合わせて、星の右腕が吹き飛び、鮮血が舞う)
星「あ゛ぁ゛っ!?」
―――
>>29700
(それから、悪意の渦は延々と続いた)
(しかし、突然、その悪意が嘘のように消える)
(台風の目に入り込んだように、その場所にはなんの悪意も存在しなかった)
(そしてその目の中心で)
怜奈「やっぱり、越えて来られたんだね」
(彼女が待っていた)
29702 ななしのよっしん
2012/01/05(木) 22:48:17 ID: +tFvNkOQcc
ヘイム「なっ!?」
(唐突過ぎた)
(というか、一瞬だった)
ヘイム「いったい何した!?・・・星ちゃん、大丈夫!?」
(気遣いながらも、攻撃を続行させる)
(深淵の刃がこれでもかというかというほど飛び荒ぶ)
29703 ななしのよっしん
2012/01/05(木) 23:17:07 ID: OJxXmgndE+
>>29701
小楠「はい、おやかたに助けてもらったから……」
親方「……台風の目のようなものか。ここには全く悪意が感じられんな」
29704 ななしのよっしん
2012/01/05(木) 23:31:48 ID: 3nKnWKR15O
>>29702
星「え、ええ…大丈夫よ」
(肩口を押さえているが、立ち上がる)
覇気「私の攻撃が外れる事は無い。ならば、過程など必要ないだろう?」
(飛び交う深淵の刃は全て紙一重で覇気に当たらない)
覇気「いかに密度が高くとも。私に攻撃を当てるには、100%でなければな」
(余裕の表情で、今度はヘイムに向かって手を翳そうとする)
星「ヘイム、全身を防御して!」
(それを見て、切羽詰まった表情で叫ぶ)
―――
>>29703
怜奈「…ここに悪意が入り込めば、影宮怜奈はもう自身を保てないからね。」
29705 ななしのよっしん
2012/01/05(木) 23:50:33 ID: +tFvNkOQcc
>>29704
ヘイム「!!」
(体より先に、深淵が動いた)
ヘイム「『深淵黒棺桶』」
(深淵がヘイムと星の全身を包み込み、真っ黒な直方体を形作る)
29706 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 00:10:25 ID: OJxXmgndE+
>>29704
親方「……まるで他人ごとだな」
小楠「……あなたが本当のお姉さんなの?」
29707 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 00:16:41 ID: 3nKnWKR15O
>>29705
(直方体に凄まじい衝撃がかかる)
(だが、内部のヘイムに攻撃は届かなかった)
覇気「…命中確率を0%にしたか、中々考える。ならば、防御も不可能な一撃を用いる方が効率的だな」
(その状況を見て、ひとりごちる)
―――
>>29706
怜奈「それは、正しいようで正しくない。本当の影宮怜奈は、さっきまで貴方達が戦っていた相手で、ここを取り巻く悪意の渦。」
(周囲を見渡して)
怜奈「私は、彼女の中に生まれた異物。『善意』と言う、悪意の権化の根底を揺るがす存在。小楠がそれを指摘したから、私はこうして体を得た」
29708 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 00:32:48 ID: OJxXmgndE+
>>29707
親方「……小楠が?」
小楠「……ぜんい……、善意ですね」
親方「善意……。相反する性質……。
それが自身に混じってしまっては……、存在できないということか」
29709 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 00:34:07 ID: +tFvNkOQcc
ヘイム「・・・確変自由自在か、やばいな・・・」
(直方体の中でボソリと呟く)
ヘイム「(しばらくはこうしてるしかないか・・・?)」
???『オイィ、いい加減にしろよォ』
(ヘイムの思考に、ノイズが混ざる)
ヘイム「・・・!」
???『どうして俺はここにいるゥ?どうしてお前はここに来たァ?』
ヘイム「黙れ・・・」
???『さっきィ、お前謝っちまったよなァ、だがよォ、そんなものはなァ、何の免罪符にもならねんだよォ』
ヘイム「黙れよ・・・」
???『はっきり言わせて貰おうじゃねえかァ、約束したんならよォ、きっちり守れって』
ヘイム「『悪意』がなに言う!」
(自分で自分の頭をぶん殴る)
(その瞬間、ヘイムの深淵の直方体が、ぐらり、と揺らぐ)
29710 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 00:45:40 ID: 3nKnWKR15O
>>29708
怜奈「そう。でも私は本体に比べれば塵のようなものだったから、今までは本体は存在できていた。」
(柔らかい声で話す)
怜奈「でも、今は違う、貴方達と私が接触したことで、もう影宮怜奈は、自分の矛盾を無視できない。小楠と親方が、ただ一つの事を成し遂げさえすれば、彼女を止められる」
―――
>>29709
(傾く深淵を見据えつつ)
覇気「『ヘイム』の回避確率0%、『ヘイム』の生存確率%…これで良いな」
(ヘイムの死と言う結果を導き、手をゆっくりとヘイムに向けようとする)
29711 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 00:51:19 ID: OJxXmgndE+
29712 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 00:57:13 ID: +tFvNkOQcc
>>29710
???『お前は拒めねえェ、ほうれェ、危ないぞォ、気をしっかり保てよォ』
ヘイム「やめろ・・・出てくるな・・・」
(深淵が、揺らぎ続ける)
???『もう遅えぞォ?』
ヘイム「あ・・・」
(深淵が揺らいでその形が崩れ始めて)
(ほんの、ほんのわずかに)
(隙間が、できた)
(隙間から、ヘイムは自分に手を向けようとする覇気が見えた)
(見えてしまった)
――何度も言わせるなよォ、お前は『善意』なのさァ――
(ヘイムの脳裏に、その言葉が響いた)
29713 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 20:55:09 ID: 3nKnWKR15O
>>29710
怜奈「私の存在を認めて欲しい。どれだけ矛盾したあり方であっても、私が彼女の一部だと言う事を。私が、影宮怜奈である事を」
―――
>>29712
覇気「さらばだ」
(その隙間に向かって、手を翳す)
(それは、間違いなく『魔王ヘイムの死』を招く不可避の一撃)
29714 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 22:01:19 ID: OJxXmgndE+
>>29713
親方「まあ、アンタも怜奈の一部なんだなってことが分かったよ。何だか調子は外れたがな」
小楠「……あなたも怜奈お姉さんの一部なのです。
大丈夫。ここに居れば、矛盾していてもそこに居るのです」
(近づいていって)
(怜奈と握手しようとする)
29715 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 22:15:52 ID: 3nKnWKR15O
>>29714
怜奈「…ありがとう」
(小楠の手を取る)
(その時だった)
(親方と小楠の背後から、声が聞こえた)
怜奈「あは 認めない あはは 認めない よ 私は さ?」
(気付けば、渦巻いていた悪意は姿を消し)
(先ほどまで戦っていた『影宮怜奈』が立っていた)
(体中に罅の入った、歪な姿で)
怜奈「お前が いたら あはは 私が 消えちゃう じゃない あはは そんなの 私じゃ あは ない あは でしょう?」
29716 ななしのよっしん
2012/01/06(金) 23:09:31 ID: OJxXmgndE+
>>29715
親方「……もう認めろよ。
お前の善意って奴はもう確固たる存在を築いている。もう誤魔化せないぜ。もう、善意もお前の一部だってことを認めろ」
小楠「二人共同じなのです。矛盾しても……心には2つの思いがあるから……」
29717 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 00:17:21 ID: +tFvNkOQcc
>>29713
ヘイム「―――――」
(最期に、彼女は何を思ったのか)
(その思考は、驚くほど真っ白だった)
ヘイム「――――ひは、はァ」
(瞬間)
(ヘイムへの、その絶対に避けれない、防げないはずの攻撃が)
(『止まった』)
(見れば、ヘイムはまるで『攻撃を食らったかのようにのけぞったまま』覇気に向かって手を向けている)
(奇妙な笑い声が、こぼれた)
29718 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 00:24:37 ID: 3nKnWKR15O
>>29716
怜奈「違う、違うんだよ。私には心なんてものがあっては行けないんだ」
(罅だらけの怜奈は苦悶の表情で言葉を放つ)
怜奈「心の欠片に心があってはいけない、それは滅びと霧散を呼び込んでしまう」
(苦しそうに、悔しそうに、憎々しげに)
怜奈(善)「…もう、やりたい事は終わっている。私達が望む結末への準備は既に整った、これ以上は無意味だと、思わない?元々『きえたくて生まれた』私達が、やるべき事を終えて存在にしがみつくこと自体、おかしいんだよ」
(怜奈へと歩み寄る)
―――
>>29717
覇気「…何者か、聞いておこう」
29719 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 00:39:30 ID: OJxXmgndE+
>>29718
親方「もう、お前には心が存在している。
動かせない事実だ。滅びと霧散を恐れた時点でな」
小楠「……きえちゃう……の……?」
29720 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 00:41:53 ID: +tFvNkOQcc
>>29718
ヘイム?「あァ?名乗る名前なんかねえよォ」
(次の瞬間、ヘイムの体格が変わっていた)
(いや、既にヘイムのそれではない。女ではなく、男のような厳つい体格)
(そして、周囲を漂っていた全ての深淵が、薄らいで消えていく)
ヘイム?「どうしても呼びてえんならァ・・・そう」
(白骨板刀の形状が、色が変わる)
(白い部分は、黒に、黒い部分は、白に。そしてより鋭利な形に)
ニブル「『ニブル』、かなァ?俺を知ってるやつぁ、みぃんなそう呼びやがるぜェ」
(そして、一つ目のゴーグルが、割れて、落ちた)
(どこか空ろで、しかし狂気を感じさせる、濁った赤い瞳が)
(三日月形につりあがった口を、不気味に見せる)
29721 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 01:10:20 ID: 3nKnWKR15O
>>29719
怜奈「それじゃあ駄目なんだよ!私は、今ここで消えるわけにはいかないんだ」
(体中の罅から黒い煙が漏れていく)
(彼女自身が、『悪意』が霧散していく)
怜奈(善)「後は、彼女達に任せても大丈夫だと思うよ。一緒に消えよう、ね?」
(そう言って怜奈の肩を叩く)
エミリア「決着はつきましたね」
世界「…まだだ。あいつの悪意でわからなかったが、あいつの中には星蛇が居ない。まだどこかに真打が居るはずだ」
―――
>>29720
覇気「そうか、ではニブルと呼ぼう。ニブル、見た所お前はこちら側の存在に見えるが、私達の邪魔をするつもりか?」
―――
レイナ「……――――!」
(雨が降りしきる中)
(黒い小さな体の中に、巨大な蛇がゆっくりと入り込んでいった)
29722 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 01:19:03 ID: OJxXmgndE+
>>29721
小楠「……はぅ」
(悪意が霧散していくところを見て)
(少し俯く)
親方「俯くなよ。お前がしたことだ」
(といいながら、小楠を抱きしめる)
小楠「……はい」
(顔を上げながら)
岡島「まだ、星蛇がいますよ……」
親方「あの怜奈の悪意……。まだなにか企んでるからこそのあの反応なんだろうな……」
小楠「……?」
(その時、小楠はなにか、大きな力を感じ取った)
29723 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 01:23:42 ID: +tFvNkOQcc
>>29721
ニブル「あァ?何言ってんだお前ェ?」
(三日月形につりあがっていた口が、上下ひっくり返る)
ニブル「『こちら側』ァ?他人なんか知ったことかよォ。
俺は『悪意』だけだァ。全て邪魔して阿鼻叫喚させて馬鹿にして見下せりゃそれでいいんだよォ」
(姿を変えた白骨板刀、『悪骨矛剣』の切っ先を、覇気に向けて)
ニブル「今はお前に阿鼻叫喚させたほうが楽しそうだァ」
(次の瞬間、覇気の懐にもぐりこんで)
(剣を、アッパー気味に振り上げる)
29724 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 01:43:46 ID: 3nKnWKR15O
>>29722
怜奈「…間に合った…あはは、あはははっはははははは!間に合った間に合った!」
(崩れるように倒れ込みながらも、哄笑する)
怜奈(善)「…良かったね」
(崩れ落ちた怜奈を抱いた後)
(怜奈の体に溶けこむように消える)
世界「ここが最上階だとばかり思っていましたが…この上です!」
(怜奈が倒れたことで悪意が消え)
(もう一つの巨大な悪意が上方から感じられるようになった)
―――
>>29723
覇気「それは悪意なのか…?まあいい」
(その剣を擦り抜け、後退する)
覇気「すまないが、私の方に関わっていられない事情が出来た。じゃあな!」
(そして、跳躍して天井を擦り抜け、消える)
星「…(敵が逃げちゃったけど…私はどうしようかしら。殺されたりしないわよね…?)」
―5階―
楽土「上が空いたよ、行こう」
ベアトリックス「レッツゴーよぉ」
29725 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 02:00:15 ID: OJxXmgndE+
>>29724
親方「ふん、やはり何か企んでいたというわけか……!」
岡島「早く上へ行きましょう!」
―――
ローゴ「やっと出番ってわけか。
……ってなんだ?この不吉な感じは……」
29726 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 02:07:34 ID: +tFvNkOQcc
>>29724
ニブル「行っちまったなァ。
俺ァ何のために出てきたんだァ?」
(天井を見据え、呟くと)
ニブル「・・・」
(そのまま、真後ろにいる星に首だけで振り返る)
(人形かお前は)
ニブル「なあァ、どうしたらいいと思うゥ?」
ルッタ「・・・」
ワーギル「緊張してる?」
ルッタ「・・・さあな」
29727 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 11:49:04 ID: 3nKnWKR15O
>>29725
エミリア「しかし、どうやって上に行くのでしょう。階段はここで終わっていましたが」
世界「そう言われれば…そうだな」
怜奈「あはは… 心配する事は ない よ あは 向こうから 呼ばれるし ね あはは」
(仰向けになって言葉を吐く)
覇気「なんだ、負けたのか、ボロボロじゃねえか」
(床を擦り抜けて現れる)
怜奈「あは 負けたって言うか 自爆?」
―――
>>29726
星「えーっと…不完全燃焼なら、上に行ってみない?もっと潰し甲斐のある大物が居るわよ?」
(えへ?と笑ってみる)
―――
>>29726>>29727
ベアトリクス「いよいよラスボス降臨って事でしょうねぇ」
楽土「急がないと 間に合わないよ」
29728 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 12:27:15 ID: +tFvNkOQcc
>>29727
ニブル「・・・」
(ひっくり返った三日月の口で、しばらく星を眺めていたが)
ニブル「まあいいィ、とことんジャマして嫌がらせしてやるとするぜェ。
何せ久々の復活だァ」
(首を元に戻すと、階段に向かって歩き始める)
ワーギル「時間近ね」
ルッタ「もう少し、か」
―シャングリラ―
アガルヴァン「・・・あの馬鹿が」
(忌々しそうに呟いて)
アガルヴァン「早くしねえと・・・」
(倉庫の中身を取り出し始めた)
29729 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 21:01:38 ID: OJxXmgndE+
>>29727
親方「向こうから、だと?」
小楠「……はぅ」
岡島「次こそ本当のラスボスということですか」
―――
>>29728
ローゴ「呑気に言ってないで早くしろよ!」
(走りながら)
29730 ななしのよっしん
2012/01/07(土) 22:34:52 ID: 3nKnWKR15O
>>29728
星「(なんだか色々予想外だけど…一応頼もしい戦力が増えたって事でいいのかしら)」
(ニブルに続いて階段へと向かう)
―――
>>29728>>29729
楽土「まあ、落ち着いて」
ベアトリクス「急ぐと焦るは別物よぉ」
(6階に到達する)
ベアトリクス「あらぁ、また別口さんねぇ」
(7階へ向かうニブル達を見つけて)
―――
>>29729
世界「本当の星蛇の器も、どうやら演出過多なタイプのようですね」
エミリア「星蛇本人ではないのですか?」
世界「あいつらは自分の世界に丸ごと姿を現すことは出来ない。この世界よりも存在規模が大きいからな…世界意思も本人は顕現したことが無かっただろう?」
エミリア「ああ、そうでしたね」
(そんな会話をしていると)
(怜奈が最初に立っていた場所の床に光の円が生まれ)
(光が立ち上がる)
怜奈「あはは 行ってらっしゃい 私は あは ここで 結末を あはは 見て 逝くと するから あは さ」
(親方達を促す)
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。