ラチェット(ラチェット&クランク)とは、ゲーム『ラチェット&クランク』シリーズの登場キャラクターである。
日本語版のCVは津村まこと。
概要
ラチェットはロンバックスというキツネのような見た目をした種族の少年である。後述の出来事から天涯孤独の身の上であり、物語が始まるまでは惑星ベルディンで独りで生活していた。一作目のリブート作品である『THE GAME』では修理工の親方であるグリムローズと暮らしている。
ラチェットは独学ながら優れたメカニックの才能の持ち主であり、機械イジリから宇宙船の自作、果てはオトナのオモチャから銀河間ワープ装置を作った事も。元々ロンバックス自体が工学に明るい種族な事もおそらく関係している。
ガラメカ(ゲーム内で登場する武器や冒険に使う道具)の扱いがバツグンに上手く、身体能力も高い。パイロットとしても一流でシリーズ中いくつもの宇宙船を乗りこなしている。演技は相棒と違いクソ大根。
性格は活発で正義感が強く、お人よしでお調子者な面も。ミーハーで有名人相手には舞い上がるし、歳相応に異性への興味もあるのか何人かの女の子といい関係になってたりする。
作品を経る度にヒーローとしての責任を知り、様々な事件を経験した事からFUTUREシリーズ以降はベテランの風格を漂わせている。
相棒のクランクとコンビを組んだ『ラチェット&クランク』は銀河の平和を守るヒーローであり、互いに欠かす事の出来ないベストパートナーである。
来歴
PS2・PSPシリーズ
惑星ベルディンで独り、ヒーローを夢見るラチェットは、ある日一体のロボットを拾いクランクと名付ける。ビッグバッドボス(BBB)の悪事を防ぎたいというクランクに協力し、憧れのヒーローキャプテン・クォークを探す旅に出る。
しかし彼はBBBの手下に成り下がっており、クォークへの失望から自暴自棄に陥り、一時はクランクとも険悪な関係になる。
旅を通してクランクと仲直りし、クォークとの決着をつけたが、BBBが故郷のベルディンを破壊して銀河中をムチャクチャにしてしまう計画を企てていると知る。
最終的にBBBの野望を打ち砕き、銀河を救ったヒーローとしてラチェット達は一躍有名になった。(ラチェット&クランク)
BBBを倒してから一年。すっかり世間から忘れ去られたラチェットは、ガガガ銀河のメガコープ社CEO・フィジージェットから、盗まれたプロトペットの奪還の為にコマンドーとして雇われる。
紆余曲折を経てプロトペットをフィジージェットに返却するが、プロトペットを盗んだ張本人で開発者のアンジェラからプロトペットが欠陥品である事を伝えられる。ラチェットはプロトペットが生む混乱に対処していくが、全てはフィジージェットに成りすましたクォークが、ヒーローに返り咲くための自作自演の計画だったのだ。
あっさり失敗したクォークの尻拭いをする形ではあるが、プロトペットの凶暴性を取り除くことに成功したラチェットは再び銀河を救ったのだった。(2)
ガガガ銀河で平穏に暮らしていたラチェットだが、故郷ベルディンの襲撃に慌てて帰還。なし崩しでガラクチックレンジャーの隊長になったラチェットは、事件の首謀者であるドクターネファリウスと、ネファリウスに対抗できるクォークの捜索を命じられる。
発見したクォークが味方になり、ネファリウスの計画を調べるラチェットは、またしても銀河とベルディンが巻き込まれる事態を解決していく事となる。
何度もネファリウスに手を焼かされるラチェットだったが、最後はガラクチックレンジャー、クォークと協力してネファリウスの秘密兵器を破壊し三度銀河を救った。(3)
これまでの活躍に目を付けられ、ヒーロー同士の殺し合いを見世物にするドレッドゾーンに拉致されたラチェット。巻き込まれたクランクとふとっちょアルのサポートもあり、順調に勝ち残り脱獄計画を立てていた所を落ちぶれたヒーロー、エース・ハードライトに見つけられてしまう。
エースとの死闘を制し、牢獄からの脱獄を目指す最中、ドレッドゾーンの経営者であるヴォックスと戦う。ヴォックスを無事倒したラチェットは、同じく囚われていたヒーロー達を救い、爆発するドレッドゾーンから脱出したのだった。(4th)
リゾートでのんびり過ごしていたラチェット。偶然知り合った少女のルナがロボットに連れ去られ、手がかりとなる『テクノマイト文明』の痕跡を調べる。その後研究施設でルナを発見するが、突如罠にかけられてしまいDNAを採取されてしまう。
ルナはテクノマイト人が作ったロボットで、ラチェットのクローン兵士を造る為のおとりだった。ラチェットはテクノマイトの親玉であるオットー皇帝を倒し、二度と悪事を働けないように懲らしめた。(5)
謎の人物に操られ、『無限の瞳』という宝石を盗んだ犯人として逮捕されたラチェット。エージェントクランクが事件を解決するまでの間、今まで倒してきた悪党から身を守るため刑務所内で戦いを繰り広げる。
クランクが真犯人を倒した後は釈放され、感謝のしるしにクランクへ掃除機をプレゼントした。(クララチェ)
PS3シリーズ
惑星ケルヴァンで暮らしていたラチェットだが、突如クラグマイツ族の帝王タキオンと名乗る存在に命を狙われる。何とか逃げ延びた先のポララ銀河で、ラチェットはロンバックスとクラグマイツの因縁に巻き込まれ、自分が何者なのかを知る事になる。
ポララ銀河から突如として消えたロンバックスが遺したという『ロンバックスの謎』を探すため、探検家のタルウィン・アポジーと協力し、その正体がディメンジョネイターという次元を自由に操れるオーバーテクノロジーである事を知る。
タキオンの目的が別次元に幽閉された軍勢をディメンジョネイターで呼び戻す事と知ったラチェットは、ロンバックスの母星だった惑星ファストゥーンの遺跡でタキオンと対峙する。
激闘の末タキオンを打ち倒し、仲間達と休息を得ていた時にクランクに協力していたゾニーがクランクを連れ去ってしまった。(FUTURE)
連れ去られたクランクを探すため、銀河中を探索できる装置であるオブシディアンアイを求めてタルウィンと共に惑星メルデグロを訪れたラチェット。しかしその手がかりを知る海賊ダークウォーターはすでに死んでいた。
かつてダークウォーターの船員だったというラスティ・ピートについていくが、ロンバックスの謎を追う最中に倒した海賊スラッグ船長の復活に利用されてしまう。ダークウォーターとスラッグの怨念で海賊ゴーストがはびこる中、二人の幽霊海賊を倒したラチェットはオブシディアンアイでクランクの居場所を探す。
ゾニーに囲まれたクランクの傍にはドクターネファリウスが──ビーコンが示した座標はブリーガス星雲。ラチェットはすぐにクランクの救助に向かうのだった。(FUTURE外伝)
ブリーガス星雲に辿り着いたラチェットだが、時間異常という謎の現象で星系全体が混沌と化していた。ネファリウスの軍勢に襲われ、敵対するロンバックスが居るという噂を聞いたラチェットは惑星トレンⅣを訪れる。そこで父の友人である壮年のロンバックス、アリスター・アジマスと出会う。
アジマスの助けでクランクが『グレートクロック』に居る事、ネファリウスがクロックの時間制御を悪用するつもりだと知ったラチェットだが、同時にアジマスがロンバックス消失を招いた人物であり、時が流れた現在でも後悔と狂気を抱え込んでいるとも知ってしまう。
紆余曲折を経てクランクと再会したラチェットは、クォークと協力してネファリウスの要塞に乗り込み、ついにネファリウスを倒す。要塞の爆発に巻き込まれかけたラチェット達をアジマスが救い、クランクと別れを告げるためにグレートクロックを訪れる。だが、クロックで時間を巻き戻す事を良しとしないクランクの考えに激昂したアジマスがラチェットを攻撃してしまう。
アジマスの無理な時間操作のせいで時空崩壊の危機にまで陥ってしまうが、正気に返ったアジマスが命を賭してクロックを元に戻し、宇宙の平和はどうにか保たれた。事件の後、ラチェットは一人でロンバックスを探すつもりだったが、ラチェットの心配をしたクランクも一緒にいる事を選んだのであった。(FUTURE2)
銀河連邦軍の依頼で凶悪な宇宙魔女ヴェンドラの護送中、ヴェンドラの弟ネフティン率いるサッグ商会が護送シップを襲撃。ヴェンドラは解放され、ラチェットとクランクは爆発寸前のシップから宇宙に吸い出される形で難を逃れるも、目の前でタルウィンの家族であるクロックとゼファーの二人を失う。
友人の敵討ちを兼ねた冒険の途中判明したヴェンドラの目的は、複製したディメンジョネイターを使い、ネザーバースという世界の生物であるネザーをこちら側に招き入れる事だった。しかしネザーの侵攻が始まった途端、ヴェンドラはネザーの親玉であるミスター・アイに裏切られ、ネザーバースに幽閉されてしまう。
ヴェンドラ達の生い立ちとネフティンの本心を知ったラチェットは、後で自首することを条件にネフティンと協力関係を結び、修理した本物のディメンジョネイターを使ってヴェンドラを救出。彼女の魔術でミスター・アイをネザーバースへ送還する事に成功した。
約束通り、姉を連れて自首しに行くネフティンを見送ったラチェットは壊れたディメンジョネイターを眺めていた。その様子を見ていたクランクに"壊れていなければロンバックスを探すために使うのか?"と聞かれると「(悪用されることを考えたら)今の仲間の方が大事」と答えその場を後にした。しかし、クランクはラチェットに内緒でディメンジョネイターを持ち帰り…。(INTO THE NEXUS)
PS4(THE GAME・THE MOVIE)
惑星ベルディンでグリムローズと共に宇宙船修理工を営むラチェットは、キャプテンクォーク率いるガラクチックレンジャーの入隊試験がベルディンで行われると聞いて早速参加。見事合格するが、過去に犯した数々の違法行為を糾弾され入隊は取り消しに。落ち込むラチェットだったが、ロボット工場から逃れて来たクランクと出逢い、ビッグボス・ドレックの悪事を阻止するため二人で宇宙に旅立った。
レンジャーの本部がある惑星ケルヴァンに到着すると、丁度ウォーボット軍団による攻撃の火中にあり、二人はそれらを撃退した事で一躍有名人に。レンジャーにも改めて迎え入れられ、ドレックの計画を阻止する為に奮闘するが、その活躍への妬みから魔が差したクォークに裏切られドレックに惑星ノバリスを破壊されてしまう。
ショックで故郷へ帰ってしまったラチェットだったが、クランクに諭されレンジャーに復帰。再びドレックの本拠地デ・プラネタイザーに向かう。
そして自棄になっていたクォークと戦い改心させると、ドレックを裏切りデ・プラネタイザーを乗っ取ったドクターネファリウスと死闘を繰り広げ撃破。墜落するデ・プラネタイザーの中からクォークと共に脱出した。
ロンバックスについて
この項目では、ロンバックスという架空の種族について説明する。
概要
ロンバックス(Lombax)はヒューマノイド型生命体であり、直立二足歩行とフサフサの毛並み、キツネに似た耳と尻尾を特徴として持つ。ゲーム中では唯一五本指を持つ知生体として描写されている。
種族単位でテクノロジーの取り扱いに長けており、アーマーや宇宙戦闘機、瞬間凍結技術など銀河系の中でも際立った技術を持っている。
ゲーム中でロンバックスについて言及されたのFUTURE以降であり、それまでは設定資料や4thでちらりと名前が出てくる程度だった。
歴史
ロンバックスはポララ銀河の惑星ファストゥーンを出身とする種族であるが、FUTURE時点ではラチェット(及びアンジェラ)のみが確認されている希少な存在だった。"ロンバックスは一夜にして消え去った"などの超然的な逸話が残されており、銀河を支配しようとするクラグマイツ族を一掃したロンバックスの謎と呼ばれるテクノロジーもその神秘性を補強していた。
ゲーム内で明かされたロンバックス失踪の真実は、かつてロンバックスの謎の力で分子レベルに分解された帝王タキオンの復活により壊滅的な被害を受け、ロンバックスの謎を使い別次元へと退避したというものだった。
ロンバックスの謎を守る使命を帯びたラチェットの父親、復活した帝王タキオンに侵攻されるきっかけを作ってしまったアジマス、そしてアンジェラとラチェットだけがこの次元に残されたロンバックスである。
テクノロジー
- ディメンジョネイター
ロンバックスの謎の正体であり、次元を自在に操る事の出来るヘルメット型デバイス。FUTURE、NEXUS、パラレルトラブルの騒動を引き起こしただけあってその能力は強大。
起動後は着用者の意志に応じて次元ポータルを開き、対象を次元の狭間に追放したり、その逆も行える。不完全だがヴェンドラによってコピー品が作られた事、クランクが修理できた事から完璧なロストテクノロジーでもない辺りが厄介である。 - アフィリオン
ロンバックスが製造した宇宙戦闘機とそのAI。ファストゥーンでラチェットが修理した個体がアフィリオンであり、作中描写からラチェットの父親が乗っていた可能性がある。同型機はアジマスのものが確認されている。
戦闘能力は高く、ブラスターは大型シップにも通用しエネルギーミサイルは弾数無制限となっている。後方にはクランクが操作できる砲台も搭載しているがシールドの類はない。
ゾニーの力で修復、強化された際は三種類のブラスターとミサイル、リフレクターや恒星間移動ブースターなども獲得している。 - その他
FUTUREに登場するαディスラプターはロンバックス製であり、非常に強力な武器ガラメカ事からこれがロンバックスの謎と目された事もある。ポララ銀河で最高グレードの合金であるトリリウムの鉱山も所持しており、クラグマイツやラチェットのアーマーにロンバックスの技術が利用されている。
関連人物
- アンジェラ・クロス(2)
プロトペットを盗んだ盗賊マスクの正体であり、ラチェット以外で初めて登場したロンバックスの女性。遺伝子工学に秀でておりプロトペットの開発スタッフでもあったが、プロトペットの凶暴性を無視して一般販売に踏み切ろうとしたフィジージェットに失望しメガコープを辞職する。
2以降は3のエピローグとFUTURE2での言及のみの登場であり、帝王タキオンに襲撃されタルウィンの父マックス・アポジーと共に消息不明になってしまっている。 - アリスター・アジマス(FUTURE2)
ロンバックスとしてのアジマスはラチェットの父・ケイデンの親友であり、研究者や軍人としても高い地位に就いていた人物だった。科学者に扮していたタキオンをそうと気付かずロンバックスの研究所に招き入れ、結果としてロンバックスに多大な被害をもたらした罪科からラチェットのいる次元に取り残された経緯を持つ。ラチェットの両親や同族を死に追いやった過去を悔やんでおり、グレートクロックを求めてブリーガス星雲を拠点にしていた。
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関連項目
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