相鉄・JR直通線とは、相模鉄道とJR東日本を羽沢横浜国大駅を介して相互直通運転する運転系統である。
概要
相鉄・JR直通線 | |
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基本情報 | |
開業日 | 2019年11月30日 |
所有者 | 東日本旅客鉄道・相模鉄道 |
路線記号 | / / |
使用車両 | JR東日本E233系7000番台 相鉄12000系 |
路線諸元 | |
軌間 | 1,067mm |
電圧 | 1,500V |
架空電車線方式(直流) |
神奈川東部方面線として計画されたものの一部で、2019年11月に開業した。相鉄本線とJR埼京線を、相鉄新横浜線・東海道貨物線経由でつないでいる。
関東大手私鉄で唯一都心部に乗り入れていなかった相鉄にとっては本路線の開業は長年の悲願であり、相鉄の車両が歴史上初めて営業運転で直接東京23区に乗り入れることになった。
複数の路線を直通運転する系統であるものの「京浜東北線」や「湘南新宿ライン」のような分かりやすい運転系統名が命名されなかったため、現状では呼び名があまり統一されておらず、直通する各方面に対応する形で「JR線直通」「埼京線直通」「相鉄線直通」などと案内されている[1]。一応、新横浜まで開業してないのに「新横浜線」と案内するのはおかしいから極力使わない、ということに関しては相鉄の方針で決まっている。
ネット上では相鉄のマスコットキャラクター「そうにゃん」の名前を織り込んだ「そうにゃん新宿ライン」なる俗称も生まれている。
なお「相鉄・JR直通線」という単語は、大半の列車の運転区間である「海老名駅~新宿駅」(下記路線図に記載の範囲)を指すか、旅客案内上の路線名が明確に定まっていない「西谷駅~大崎駅」や「西谷駅~武蔵小杉駅」を指すことが多い。建設時の事業名としては新規建設区間の「西谷駅~羽沢横浜国大駅」を指していたが、「相鉄新横浜線」という路線名の発表以降はこの意味で用いられることはほとんどない。
下記路線図にも記載があるように、武蔵小杉駅から羽沢横浜国大駅に向けて線路が分岐するのは鶴見駅からとなっている。しかし鶴見駅やその手前の新川崎駅にはホームがないため電車は停車しない。ところが運賃計算は鶴見分岐に則って計算するため、羽沢横浜国大~武蔵小杉の1駅だけ乗ると320円もするのに羽沢横浜国大~武蔵小杉~横浜~鶴見と乗っても180円しかかからないという謎現象が起こっている。
相鉄・東急直通線の開通後はルートが被っている為か影が薄くなっているだけでなく、乗車時の行き先が分かりにくくなる原因になっている。
歴史
- 2000年1月27日 - 運輸政策審議会答申第18号において、神奈川東部方面線として二俣川~新横浜~大倉山間が位置づけられる。
- 2004年9月 - 相鉄が西谷~羽沢間の新線建設と羽沢でのJR相互直通(相鉄・JR直通線)構想を公表する。当時は2010年の開通を目指していた。
- 2009年10月20日 - 国土交通省から相鉄・JR直通線の工事施工認可がおりる。
- 2010年3月25日 - 相鉄・JR直通線の起工式が行われる。開業予定は2015年度内とされた。
- 2013年4月23日 - 開業予定が2018年度内に延期。
- 2016年8月26日 - 開業予定が2019年度下期に延期。
- 2017年12月11日 - 羽沢駅(仮称)が羽沢横浜国大駅と正式決定される。
- 2019年3月28日 - 開業日が2019年11月30日と発表される。
- 2019年11月30日 - 開業。
運行形態
新宿駅~海老名駅の運行が基本だが、朝の一部列車は新宿駅を越えて赤羽駅、武蔵浦和駅、大宮駅、川越駅まで乗り入れる。これは朝時間帯に混雑する新宿駅でもたもた折り返し作業を行うことのないようにするためでもある。
相鉄側は特急or各停、JR側は各駅停車として運行する。この種別は羽沢横浜国大駅で切り替える。ただし、朝に新宿以北に(から)直通する列車の一部は大崎から(赤羽まで)快速or通勤快速として運転する。相鉄側の種別がどちらも緑文字なのは、JR直通であることを強調するためであり、JRから相鉄に直通してきた列車は相鉄線内完結の列車と同じ特急or各停と表示される。
基本的には相鉄本線との直通運転しかされないが、ダイヤ乱れでごくまれにいずみ野線と直通してしまうことがある(いずみ野線上り二俣川行きが突然新宿行きに行き先変更されるなど)。また、なんらかの原因で直通先の各路線に入線できなくなった場合は品川行き[2]、横浜(JR)行き[3]、横浜(相鉄)行き[4]などの行き先を見ることもできる。現在までに実例は発生していないものの、武蔵小杉駅を発車して鶴見駅の分岐を通った後に羽沢横浜国大駅に入線できなくなった場合、東海道貨物線のホームは藤沢駅まで存在しないため、万が一に備えて直通対応車には「藤沢行き」の表示が用意されている。
路線図
- 凡例
- ●:停車、|:通過、■乗り換え路線、○:駅周辺施設
- 路線名について
- 「相鉄本線」:書類上の正式路線名は「本線」
「相鉄新横浜線」:書類上の正式路線名も「相鉄新横浜線」
「東海道貨物線」:書類上の正式路線名は「東海道本線」(の支線)
「品鶴線」:いわゆる「横須賀線の線路」の一部で、駅ナンバリングは湘南新宿ラインのものを借用。書類上の正式路線名は「東海道本線」(の支線)。
「大崎支線」:いわゆる「湘南新宿ラインの線路」の一部で、書類上は大崎駅構内扱い。
「埼京線」:線路の通称は「山手貨物線」。書類上の正式路線名は「山手線」
使用車両
使用車両はすべて10両編成。
関連動画
関連項目
脚注
- *相鉄線内の駅では「JR線直通」または「JR埼京線直通」、埼京線内の駅では「埼京線(相鉄線直通)」と案内される。その間にある武蔵小杉駅・西大井駅(・大崎駅の相鉄線方面)では方面に応じて「埼京線直通」「相鉄線直通」と呼び分けられる。
- *相鉄線からの列車がJR線に入線したものの埼京線に入線できなくなった場合。品川駅14番線に到着後、折り返し西大井駅まで回送し西大井始発として運転。
- *JR線からの列車が相鉄線に入線できなくなった場合。JR横浜駅9番線または5・6番線に到着後、保土ヶ谷駅の側線まで回送して留置し、折り返し武蔵小杉駅まで回送し武蔵小杉始発として運転。
- *相鉄線からの列車がJR線に入線できなくなった場合。相鉄横浜駅からそのまま営業列車として折り返し。
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