ボーカル&ギターの五十嵐隆が専門学校の同級生でドラムの中畑大樹、ベースの佐藤元章を誘い「SWIMS」というバンドを結成。その後、バンド名をSyrup16gに変更。由来は五十嵐の好きな甘い咳止め用シロップと、練習後によく行っていた某ドーナツ屋のガムシロップが当時16gだった事。
数枚のアルバムをリリースし、佐藤が脱退。その後、サポートメンバーとしてスタジオミュージシャンのキタダマキが加入。
フロントマン五十嵐は現在現役のミュージシャンの中でも髄一の速筆としても知られている。
デビュー作の時点で既に録音の有無に関わらずストックが100曲以上あり、アルバムに入れていくのは常にその活動期のベストとなっているという。
活動再開時にも解散時のストックが非常に多く残されていたにも関わらず、10曲以上も収録されたフルアルバム形態の全編書き下ろし作品を発表して世間を驚かせた。
作曲ペースがあまりに速いため、活動時期と音源の作曲時期が一致しないことも多々あり、「delayed」「delaydead」のdelay(遅れてきた者)シリーズはそうした「過去の」楽曲を寄せ集めた作品でもある。
五十嵐が如何に作詞作曲を行っているのか、については活動初期に以下のように明かしている。
(2001年のインタビュー記事からの抜粋なので、今も同じかどうかは不明)
つまるところ、大滝詠一や桑田佳祐に始まるデタラメ言葉に歌詞を見つけて乗せていく、という手法で、近年でも桜井和寿、YUIなどが同じ方法を用いている云わば『ロックミュージシャンの作曲法における基礎中の基礎』を知らず知らずのうちに習得していた、ということである。
曲はどうやって作っているのか? という問いに対して
『基本的にギターでしか作れないんですけど、ギターのコードの響きっていうか
自分で”他にはない”と思えるような響きをみつけてそこから作る感じですかね。
メロディーは結果的には1個しかなかったりするんですよ。
自分で開発したと勝手に思ってるコードに乗るメロディーは自分のなかには1個しかなくて、それを探す作業というか。
大雑把に言えば、コード進行をまず探って、そこから歌メロが決まって、その後歌詞がのっかるということ。歌詞についてはいまだに…。
文章を書くっていうのが好きじゃないんですよ。
読むのはすごい好きなんですけど。文字で表現するっていうことがまだいまイチわかってないというか。
あまり歌詞っぽくない歌詞っていうか、そういうものを敢えて選んでしまうところがあって、その方向で開き直るというか、そういう感じなんですね。
最初にデモテープを作った時からそれは思ってて。歌詞っぽい歌詞ってあるじゃないですか。
比喩を多用したりとか、共感しやすい言葉を使ったりとか。
そういうのは敢えて使わないで、深くリアリティーのある言葉を自分のなかで探すっていう。で、それがメロディーと拮抗していくように…。メロディーと言葉が相殺し合わないような言葉を選んでいくっていう。ひとつの歌詞を書き始める場合のとっかかりは、何かひとつの言葉で
全体的な物語みたいなものを作るっていうことは自分の作り方としてはなくて。
メッセージ色っていうのは別にないと思うんですけど、自分のなかで引っ掛かっている強い言葉が自然に何個か歌詞のなかに入ってくるっていう。ただ、そのとっかかりになる言葉が結果的に完成品の歌詞の中心になるかというとそうでもないですねえ。
たとえばサビは音楽的には盛り上がるべくして盛り上がってるところだから
そこに強い言葉を必要とはしないと思うんですけど、逆にAメロとかBメロのなかで言いたいことを言っていくっていう感じなんです。
サビっていうのは一番聴かれるところだから、そこでイメージを限定したくないという。とっかかりの言葉が曲とタイトルにつながっているかというと、タイトルは凝ったものにしてしまうとそれがキーワードになってしまうじゃないですか。
でも、僕の場合はそういうものではないから、歌詞のなかにある幾つかの言葉のひとつとしてポンと取り上げてるだけで、そこから何かを広げようとかしないし。
きっと表現っていうのは、そんな安易なものじゃないから、だんだんわかりやすくしていく方向にはあるんですけど…。
でも自分たちのリアリティーとして”正しいことばっかり言ってられない”というか人間のなかにあるひと言では言い表せられないようなものを書きたいっていう気持ちがあるから。まあ、書けてるかどうかは別にして、敢えてキーワードみたいなものは作らない。
syrupっていう名前もそういう考えからきてるし。』
『最初に鼻歌で歌ってるようなときは英語っていうかデタラメ英語なんですよ。
昔から聴いてきた英語の発音の語感に付随してキレイなメロディがあったりして。
でも日本って節回しで歌を作るっていうか、音にコトバをはめ込んでいくっていう感じがするんですよ。
最近だとそういうバンドが多いじゃないですか、洋楽をあんまり聴いてないような。
でも僕は自然と英語で出てきちゃうんですよね。
だから日本語で歌ってるんですけど、メロディへの乗り方は洋楽的というか。
だから……コトバに関しては本当、別物として考えてるんですよね。
ただ、メロディを壊さないように。詞が(曲に)勝っちゃってるのもちょっとイヤだから。
その……曲が黄昏れてるときに思いっきり違う詞を持ってくるおもしろさにも惹かれるけど、やっぱり……洋楽って何も考えずに聴けるところが良いと思ってて、その感覚に近いんですよね。
耳に全部が入らなくても、抜けていってもいいから、たまにひっかかるものがあれば、それで良くて。そういう、聴き流せるものであるべきかなって思うんですよね。』
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