○○しないと出られない部屋とは、何らかの条件を満たさないと出られない部屋である。
概要
現実の刑期付き独房なども「刑期が終わらないと出られない部屋」と言えなくもないかもしれない。
だが、ここでは主に創作物になどに登場する「何者かに閉じ込められ、何らかの条件を満たさないと出られない部屋」について扱う。
インターネットの日本語を使用するオタク界隈で割と共有されているシチュエーションのようだが、「元祖が何なのか」「いつ頃から、何をきっかけにオタク界隈に流布されたものなのか」は不明瞭である。
流行の始まり?
Twitterで時期を指定して「"しないと出られない部屋"」をキーワードに検索してみると、どうやら2013年10月22日頃に「セックスしないと出られない部屋」というネタが突如流行し始めたようだ。また、ほぼ同時に、「#セックスしないと出られない密室に閉じ込められたCPの反応」というハッシュタグも流行していた。
ちなみに、これらの言葉やハッシュタグは女性と思われるアカウントが多く使用している印象があった。つまり元々は主に女性向けのジャンルにおける流行であったようだ。
この場合、閉じ込められるのは二人(あるいはそれ以上)であり、二人でセックスをしないと脱出できない条件になっていることが多い。
その影響なのか、以後の類似ネタも二人(あるいはそれ以上)で閉じ込められるものが多く、一人だけで閉じ込められるものは比較的少ないようだ。
「診断メーカー」の影響
その約1年後の2014年11月、おもしろ診断作成サイト「診断メーカー」にて、「キャラ名を入力すると「○○しないと出られない部屋」やちょっと変わった部屋にとじこめられるシチュエーションを出力する診断」、その名もずばり「○○しないと出られない部屋(ID:491752、作者「ざくろ@396ck_note」)」という診断が作成された。
これは出力結果が多様で面白味があったからか、その後この「診断」を利用してその出力結果をTwitterに投稿する人が多数出始めた。
そしてさらに類似した派生「診断」も複数作成され(例:「○○をしないと出られない部屋(ID:525269、作者「らじうむもんすたー! @Ramneko_25」)」)、それらを含めた「診断」が2020年9月現在でも使用されているのが確認できる。
このあたりが「○○しないと出られない部屋」という概念が多数のオタクになんとなく共有される大きな後押しになったのではないかと思われる。
元ネタについて
ちなみに「セックスしないと出られない部屋」ネタが流行し始めたのは上記のように2013年10月のようだが、「セックスしないと出られない部屋」という言葉自体は少なくとも2012年12月には既にTwitter上で使われている(もっと古いツイートがあったが消えてしまっている、または検索でヒットしないだけかもしれないが)。
だが「セックスしないと出られない部屋」というテーマで比較的知名度がある作品として、さらに遡る2011年6月24日発売の18禁ゲーム『euphoria』というものがあり(参考:euphoria - エロゲのストーリーを教えてもらうスレまとめwiki Ver.2.0)、これが最初なのではないかという意見もインターネット上では散見される。
※なお、内容としては一定期間内に課題をクリアしないと「死ぬ」、ホラー映画やデスゲームを想起させる実験主体。
ただしこの『euphoria』の発売以前である2010年3月には既にTwitterにて「『信長の野望』を森田浄雲で天下統一しないと出られない部屋」というワードをツイートしている人が居たため、『euphoria』が「○○しないと出られない部屋」の元祖ではないことは確実であるようだ。
ただし、このツイートをした方も「既存のミームとしてつぶやいたはず」と後に言及しているため、この投稿も実際の初出ではなく、もっと前から存在していた可能性も考えられる(参考ツイート1/2)。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/futsumi_tan/status/10069237929
結局、元祖となったのが何なのかは不明。ただしそもそも「条件を満たさないと出られない部屋」というアイディアには複数の前例がありそうなので、単一の元ネタを定めることができるのかどうかも怪しい。
判定について
「○○しないと出られない」ということは、言い換えれば「出入口が封鎖されているが、○○をすれば出入口が通れるようになる」ということでもあるだろう。ということは、「○○をしたから出入口の封鎖を解除する」ことを役目とする監視係/判定役が必要になってしまう。
「条件が満たされたときに見逃さないように部屋を常に監視する係の人辛そう」という声が挙がることも。居眠りでもして見逃してしまったら、社会人としての信頼は失墜してしまう。
ただし、「出るために○○するときは事前にこのボタンを押して監視係を呼び、監視係が『スタート』と言ってから開始する。そうでなければノーカウントとする」などといったルールを設定し、部屋の中の人に周知しておくことでこの問題は避けられると思われる。
セックス判定
ちなみに、最も有名な条件である「セックスしないと出られない部屋」の場合、「セックスとは?」という問題を指摘する者もいる。
「そんなの男性の性器を女性の性器に挿入することでしょう?」と思った人は、もっと多方面に配慮してほしい。「ホモセックスやレズセックスはセックスじゃない」ってことにしたら色々と角が立つじゃない?
他にもいろいろと性器を性器に挿入しないで行う性的行為はあるわけで、「ここからはセックス」というラインは割と微妙な問題なのだ。リアルの法律的にも「性交類似行為」という概念があったりする。
世の中には「推しと推しが二人きりで密室にいるなんてこれもう実質セックスじゃん……///」という価値観の方もいるので、こういった人物が判定役をしていたら「ドアが閉まると同時に瞬時に開く部屋」という意味不明なものが完成しかねない。
関連静画
関連項目
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