オルトリッチとは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。CV.白石稔(オーディオブック版)。
概要
ダゴン星域会戦において、総司令官リン・パオ中将、総参謀長ユースフ・トパロウル中将のもとで迎撃総司令部の幕僚を務める。両提督の近くにあって伝令などの副官役を担い、会戦の最終局面ではリンの命令する「爆発的攻勢」を全軍に伝達するよう命じられるなど、基本的には責任者ではなく傍観者でありながら、同盟と帝国の最初の戦いというこの歴史の大転回点の中心に身を置いた。
「このとき、敵はみずからを必敗の位置におく。なんぞ勝利を得ざらんや」
という気取った一文は、この「爆発的攻勢」における帝国軍の戦いを評した、のちのオルトリッチの回想である。
会戦後も昇進を重ね、目を引く戦術能力こそ持たないもののすぐれて公正な実務家として統合作戦本部長までを務め上げ、同盟軍史に残る名本部長のひとりとして宇宙暦670年に退官した。
退役後、「オルトリッチ提督回顧録」と題する書籍を残し、リン、トパロウル両元帥の天才性とその人生についてを振り返っている。また、同盟軍士官学校の寄宿舎にも彼の名が付けられ、後にブルース・アッシュビー、シドニー・シトレ、ヤン・ウェンリーといった史上の名将たちの青春時代の住処となった。なおラルフ・カールセンは除く
性格
ダゴン星域会戦時代のオルトリッチは、基本的には明朗で楽天的な性格だったようである。
会戦序盤、帝国軍が想定外の行動に出たことに動転したトパロウルに対し、無邪気な声で
「昔からよく言うでしょう。中途半端な失敗よりは、完全な破滅のほうがましだって」
などと言い放ち、「偉大な敵より無能な味方のほうが憎い」という返答とともに執務室を追い出されている。この少し後、トパロウルは気を取り直して私室を出たが、そのとき再会したオルトリッチは総司令官の状況を聞かれて「メルバトーストを六枚、ラム酒入りのマーマレードをたっぷり塗って」などとリン・パオの旺盛な食欲について答え、低血圧で少食でおまけに欝気味なこの不平屋を盛大にイラつかせている。
それでもオルトリッチでも暗くなる事はあったようで、会戦中盤では帝国軍の行動が読めないことからあまりに陰鬱な雰囲気に落ち込んだ総司令部に呆れたアンドラーシュがキレたのにも関わらず、トパロウルが平生の毒舌も無く沈黙したままだったのを見て、「これはいよいよだめだ」と覚悟している。
会戦後、経験を積んだ後のオルトリッチは、同盟軍の歴史でも欠くことのできない人物と評価される人物となった。「温和で公正な性格と、他人の長所を見ぬくすぐれた能力によって、多くの人材を育て」たという。
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関連項目
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