サジェスト汚染とは、ウェブ検索のキーワード候補にウィルスや著作権侵害などのネガティブなキーワード、評判が悪いという印象がもたれるキーワードが関連候補に出るようにするための方法である。
概要
サジェストとは、あるキーワードを検索エンジンにて検索するとそれに関連した検索候補が自動的に出てくる機能の事。例えばGoogleで「ニコニコ動画」のキーワードをを入れると、下に「ニコニコ MP3」「ニコニコ動画 保存」などと出てくる。これが
この検索候補を「ウィルス」「ワンクリック詐欺」「割れ」「つまらない」など、ネガティブなワードで埋めるのがサジェスト汚染である。これの被害をうけた企業や個人は謂れ無き誹謗中傷がつきまとう事になる。また、利用者の悪意はなくても、噂などで調べた個人の絶対数が多くなるとこうなる傾向が高い(某有名人に対して◯◯とか、性別詐称が横行しているため男性漫画家に対して女性とか、過去の事故に対して陰謀とか、第一次産業産地に対して◯◯とか、企業に対してブラックとか、ゲームやアニメに対してつまらないとかそういう類である)。また、○○という市に対して治安が悪いエリアとか検索してると、検索者は「○○市 治安が悪い エリア」とかキーワードを区切るため、「○○市 治安が悪い」という検索候補となり、○○市は治安が悪いネガティブイメージが与えられてしまう。
また、全く関係のない事象同士が紐づくことも多い。たとえば落語家の桂米朝を調べていたら、米朝の関連検索候補に「戦争 核 冷戦」とかいう「!?」という検索用語が結びついてサジェストされたりすることがある。
海外でも日本でも削除を求める裁判が行われているがどちらもGoogleは削除判決を拒否している。またこれらにより海外では、「忘れられる権利」なる新たな観念が出てきている。
その恐ろしさ
2012年3月、ポケットモンスターXYと検索すると関連キーワードとしてポケモンとはなんら関連性の無い「唐澤貴洋」が出てきた。
これはなんJ民の手で行われたのだが、一部のなんJ民がやりまくっただけでこの有様である。
この行為の何が恐ろしくて何が一番の問題かというと、やろうと思えば一人でも少し知識があれば個人や企業への中傷を簡単かつ効果的に行える点である。おそらく、プログラムで自動的にやることも可能だろう。
つまり対策は、Google等の検索エンジンを訴える、もしくは検索エンジンの仕様変更を要求するくらいしかできないのである。
その頼みの綱の検索エンジンは海外で裁判に敗訴しても実行することを拒否したり、控訴したりするため最終的に裁判に5~6年以上かかってしまう事もあり対策が行われる可能性は低い。
つまり迅速な対策は不可能で、効果は絶大な武器と化してしまったのである。不穏な検索候補を辿るとソース元が2chのスレ(特に2ch創設者である、ひろゆき自らが隔離病棟と呼んでいたVIP板のVIPPERという連中)やまとめブログやアフィブログの記事であったりする。真実では無く、ネガティブな噂や信憑性に欠ける都市伝説も遠因となり得るかもしれない。
ちなみに昔からHTMLタグ等で検索エンジンの検索に引っかかり易くするなどの便利な工夫は個人企業問わずWebサイトやソフトで行われており、それらを逆にサジェスト汚染に転じられてしまったとも言える。
サジェスト汚染対策
サジェスト汚染は以前よりおとなしくなっている。
現在も有名人の実名でググると不穏なワードが頻出することもあるが、サジェストに不穏ワードが入る閾値は非常に高くなっており、従来通りのサジェスト汚染では汚染しきれないことが多い。
検索する人が以前より減った・Google側がなんらかの対策を取ったものと思われるが、サジェスト汚染に対する根本的な対策は現在の所ほとんど存在しない。検索しないようにとコミュニティで呼びかけた所で何も知らない新規層が興味本位で検索したり、コミュニティ内で検索を促したり、常時候補に有り続けるなど悪循環から抜け出すのは困難とも言える。
主な被害者
主な原因
参考文献
Googleが「日本の法律には従わない」と宣言 注目の「サジェスト機能」裁判の行方は EXドロイド 2012年03月28日
ネット新語 サジェスト汚染 個人ブログ 2012年12月31日
コピペブログにダメージを与えるサジェスト汚染とは 個人ブログ 2013年3月6日
関連項目
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