商標出願で生存確認し、商標出願で大喜利をする「商願芸人」がいる会社である。
概要
代表取締役社長の経歴
上田氏は、大阪大学工学部金属材料学科を卒業し、自動車メーカーで6年間勤務し、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程を修了し、1994年より弁理士としての活動を開始するのだが。
2013年4月10日に日本弁理士会から会費滞納が理由で退会処分され、弁理士業務ができなくなった。
ベストライセンスの業務内容
他社が既に使用している商品名の商標出願。
「APPLE MUSIC」などの「APPLE ~」ほか。
全アルファベットのパターンで商標出願。
「(A~Z)-MOBILE 」、「(A~Z)・CASH」「(A~Z) GOOGLE」など。
明らかに既にある作品タイトルの商標出願。
「一週間フレンズ」 「ラブライブ」など。
その番組観てたのかな?って思わせてくれるようなセリフの商標出願
「じぇじぇじぇ」(連続テレビ小説「あまちゃん」)「倍返し」(テレビドラマ「半沢直樹」)など。
氏の心に刺さったのだと思われる流行語の商標出願
「STAP細胞はあります」など。
2015年の総商標出願件数は1万4000件超で、2016年は2万5000件超と年々増加し、日本全体の出願件数の1割以上という膨大な量を先取り(?)していくことで、自身の生存確認とするスタイルを確立している。先取り(?)と疑問符が付くのは、ベストライセンス社、商標出願時に手数料を支払っていないのである。商標出願時には最低でも1件につき1万2000円の手数料を納付する必要があるので、年に2万5000件もの出願をまともにすれば、手数料だけで3億円もの支払いが必要になる(かつ査定に通って権利化する際には登録料として最低でも1件につき3万2900円(10年全納)または2万2800円(5年分納)を納める)のだが、ベストライセンス社はこの手数料を支払わない。支払わないからこそ大量の出願が可能なのだが、支払わないからそもそも審査すらされないのである。つまりベストライセンス社が出願した内容のほぼ全ては商標権を得ることなく消えていくのである。
何がやりたいんだコラ、と言いたくなるのだが、要はベストライセンス社にとっては、大量に出願した商標の中のひとつでも、誰かを慌てさせればいいのである。もちろん、本来正当な商標権者となるべき人が、放っておいてもベストライセンス社の出願が却下されると知っていれば良いのだが、そういうことを知らずにベストライセンス社にコンタクトしてきてくれればしめたものである。また、正式に却下されても、それが特許庁のデータベースに記載されるまでにはかなりのタイムラグが生じるため、それを気持ち悪いと感じる人がベストライセンス社にコンタクトせざるを得ないこともありうる。そういう事態になって初めて、手数料を納付して審査手続きを開始させればいいのである。
もっとも、ベストライセンス社にコンタクトしたあと、実際にどのような交渉がされるのかはよくわかっていない。
法改正させるまでのお騒がせっぷり
2022年になっても
「PPAP」の文字商標を出願している。
2016年10月5日、ピコ太郎の楽曲「ペンパイナッポーアッポーペン」と「PPAP」などの略称を出願するが、これがテレビなどで大きく報じられた。その際に上田氏はテレビからの取材されたことに対し。
その後「ペンパイナッポーアッポーペン」と「PPAP」は、ピコ太郎が所属するエイベックスの商標として登録され、ベストライセンスによる出願は却下された。
これは、「商標法 第4条」の他人の周知・著名商標等と紛らわしい場合や、公共の機関の標章と紛らわしいなどの公益性に反する場合などは商標登録できない点や「商標法 第29条」の商標登録出願の日より前に生じた他人の著作権、著作隣接権に抵触する商標は使用できない点に該当し、商標出願は適切に却下とされたようだ。
それでも、めげずに膨大な量の商標出願していく氏の執念は、変わらない様子だ。そのためか、2018年にベストライセンス社対策としか思えないような商標法の改正が行われた。
まず、ベストライセンス社は出願時に手数料を支払わないことは先述のとおりである。手数料が未納の場合、そこで直ちに出願が却下となることはない。これは、本当にうっかりミスで手数料の納付を忘れた場合の救済措置であり、特許庁は一旦出願人に「手数料が未納ですよ」と知らせて反応を見るのである。その猶予期間は概ね半年であるが、これは「郵便でしか連絡の取れない海外からの出願人」を想定している。つまり、おおよそ半年間は手数料未納の出願が維持されたままデータベースに掲載されるのである。「いや、ベストライセンス社の出願は例外対応しろよ!」と思うのは自然であるが、私人ならともかく政府機関が法の裏付けなしに特定の個人や法人を特別扱いすることは、立憲主義・法治主義の観点からやってはいけないので仕方ないね。というわけで、このことをベストライセンス社は利用しているのである。
そうは言っても手数料未納のままなら半年後には却下されるのだから、正当な商標権者たるべき人が慌てずに商標出願すれば却下待ちの時間はかかるが無事に権利化できる、と思うかもしれない。そこでもう一つベストライセンス社が活用していたのが「商標の分割出願」という制度である。この制度は「商標を出願した後で、そのうちの一部がどうも登録できるか怪しい」となったときに、怪しい部分を切り離してそちらは別途進行させ、大丈夫な部分だけを先に登録させるために使う、これ自体はまっとうなものである。商標権の大原則として「先に出願した者が勝つ」ということがあるので、分割したからと言っても、出願日は分割した日ではなく、最初の出願日が維持されることになっている。
ここにベストライセンス社は目をつけた。手数料の支払猶予期間が切れそうな出願でまだ美味しい価値を保っている出願について、もとの出願から「全部を分割(!)」するのである。これによって手数料の支払期限はさらに半年間伸び、しかも出願日は維持されたままなので、正当な商標権者たるべき人は、ベストライセンス社がこれを繰り返している限り、いつまでたっても商標を登録できない。
そこで商標法が改正され「手数料が未納の」出願を分割したときは出願日は維持されず、分割した日が新たな出願日となった(手数料を払っていればもちろん維持される)。これによって、ベストライセンス社が無限に手数料未納状態を維持する意味がなくなった(どこかのタイミングで正当な商標権者たるべき人が出願すればその時点で連鎖が切れる)ので、晴れてこのようにベストライセンス社の具体的な手口を詳細に説明しても世の害にならなくなったのである。
また、仮にベストライセンス社がこれで手数料を支払うようになったとしても、PPAPのときと同様、登録審査を通らないことはほぼ確実なので、ベストライセンス社のことは無視して安心して商標登録を出願すればよいのである。
会費滞納で弁理士人生終わり、手数料未納で商標出願していく経歴から、どうも「滞納」と「未納」が、氏のお得意技のようだ。
商標出願した代表的なものを紹介
てきとーに紹介
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関連動画
関連リンク
関連項目
- 商標
- 商標トロール
- ゆっくり茶番劇商標登録問題 - 「令和のベストライセンス」と称されている。
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