人は「恥」のために死ぬとは、人が敗北する原因である。
概要
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」Part6ストーンオーシャンに登場する、エンリコ・プッチ神父の台詞。
DIOの遺した「天国へ行く方法」の実行の為、スポーツ・マックスにスタンド「リンプ・ビズキット」を使わせてDIOの骨を蘇らせ、その骨が行き着いた厳正懲罰隔離房棟にその様子を見に来たプッチ神父。懲罰房棟内で囚人らが大量の植物のカスとなって残っている事態を見て、いよいよ「天国へ行く方法」が動き出したと賛美する。
DIOの骨から何が生まれたのか事の顛末を知るため、空条徐倫を始末するために送った刺客の一人「DアンG」から聞き出そうとするが、DアンGは徐倫たちと別行動をとっていたF・Fに奇襲されようとしていた。
やむを得ず黒幕「ホワイトスネイク」の正体が教戒師のプッチ神父である事をF・Fに晒し、DアンGを護衛。F・Fから自らが与えていた「フー・ファイターズ」のスタンドDISCを抜き取ろうとするが、F・Fは自分の依り代としているエートロの頭部を撃ち抜き、飛び散ったフー・ファイターズの体液でDアンGを殺害。そしてF・Fはホワイトスネイクの正体を徐倫に伝えるために湿地帯へ向かおうとする。
DアンGから聞き出すはずだったDIOの骨から生まれえたものを知るために、何としてもF・Fを逃がすわけにはいかないプッチ神父。一度は倒したと思ったものの、F・Fは看守から奪い隠し持っていた無線機でウェザー・リポートと連絡を取っており、ウェザーのスタンド「ウェザー・リポート」で雨を降らせてF・Fは復活、雨は強まり濃い霧でプッチはF・Fを見失う。しかもF・Fは逃げながらモールス信号でウェザーにホワイトスネイクの正体がプッチ神父である事を伝えられてしまう。
グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所で暗躍していたホワイトスネイクの正体がバレてしまった事に加え、自身の目的である「天国へ行く方法」をも見失う危機に陥ったプッチであるが、素数を数えて心を落ち着かせる。「天国へ行く方法」の為に決して断念する事はない。
人が敗北する原因は…「恥」のためだ
人は「恥」のために死ぬあのとき ああすれば良かったとか
なぜ自分はあんな事をしてしまったのかと
後悔する「恥」のために人は弱りはて敗北していくこれは試練なのだ……
このことを勝利のために変えれば良いのだ
人は、自分の失敗や汚点などを後ろめたい「恥」として眼を背けたくなるものだ。自身のプライド故にそれらを素直に受け止めきれず、後悔という心の弱さとなって正常な判断力を失い行動力を削いでいく。
だが、それらを自分の殻として脱ぎ捨てなければ人は決して前へとは進めない。自分の「恥」を乗り越える事、これは「試練」だ。どんなに屈辱に塗れようとも「恥」である未熟な自分に打ち勝ってこそ人の成長であり勝利につながるのだ。
プッチ神父は自分自身の為に他人を利用する「悪」として描かれているが、腐っても受刑者に過ちを悔い改めさせて徳性を養わせる説教をする「教戒師」、人を正しく導く事は得意分野。自分自身に言い聞かせるようにつぶやき、意を決する。
ついに出会えたなッ！『天国へ行く方法！』(この後の展開はここをクリック)
ホワイトスネイクの手から逃げのびたF・Fは、医療監房から助けにやってきたウェザー・リポートと合流。そしてDIOの骨から生まれた「緑色の赤ちゃん」を捕らえている徐倫とナルシソ・アナスイの元にたどり着きホワイトスネイクの正体を伝える事ができた。
だが、F・Fが連れて来ていたウェザーはホワイトスネイクの能力で化けていた『幻覚』で、まんまと騙された3人はホワイトスネイクの手刀によってあっという間にやられてしまう。追いついたプッチ神父はついに「緑色の赤ちゃん」を見つけたが、「天国へ行く方法」の実行の前に一瞬早く急所へのダメージを防御していた徐倫を完全に始末するべく一騎打ちの闘いとなる。
ストーリーが懲罰房棟編に突入する際に空条徐倫も、劣悪な環境から受けた屈辱に対し「くだらない消耗があってはならないッ！(いや……逆にもっと強くなってやるッ！)」と、目的である「空条承太郎の記憶DISC」をホワイトスネイクから取り戻すために乗り越えるタフさを見せたが、悪役サイドであるプッチ神父もまた、自分の失敗を乗り越えて目的遂行の道を決して諦めない。まさにジョースター家とDIOの因縁の闘いの最終章となる本作の主人公とラスボスに相応しい精神と言えるだろう。
なお、実際に「恥」を「恥」と思わなくなるとそれは失うものが何もない、俗に言う「無敵の人」にも成り得るという事でもある。最低限の「恥」は弁え、それでいて正しいと信じられる大きな目的があるなら「恥」を乗り越えて行動するのが良いだろう。
NO断念!!
当該エピソードが雑誌掲載時に、編集者によってつけられたアオリが「NO断念!!」である。
目的のために邁進するプッチ神父を表した名アオリで、ストーンオーシャン連載時に読者間で話題となった編集者のキレッキレのアオリの中でも高い人気と、語録としての使いやすさを持つ。
あきらめない意志を見せたいときに「NO断念!!」と宣言してみせよう。
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関連項目
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