エンリコ・プッチとは、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第6部「ストーンオーシャン」の登場人物。
- 「落ち着くんだ…『素数』を数えて落ちつくんだ…」
- 「君は「引力」を信じるか?人と人の間には「引力」があるということを……」
- 「『どこへ行かれるのですか?』(ドミネ・クオ・ヴァディス)」
- 「 おまえは『磔刑』だーーーーッ!!」
- 「最後にひとつ言っておく。『時は加速』する」
- 「明日「死ぬ」とわかっていても、「覚悟」があるから幸福なんだ!」
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あなた・・・『覚悟して来てる人』・・・・・・ ですよね。 この記事を読むって事は、逆に「ネタバレ」を見せられるかもしれないという 危険を、常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね・・・ |
概要
CV:速水奨(ASB) / 中田譲治(ウルトラジャンプTVCM・EoH) /
関智一(テレビアニメ)/ 半場友恵(テレビアニメ:幼少期)
作中での呼ばれ方は主に「プッチ」「プッチ神父」。服装は神父らしい格好だが髪型や眉毛、もみあげ(髭)がとても個性的である。
1972年6月5日生まれの39歳。貝類のアレルギーがある。ドメニコ・プッチという双子の弟がいる。詳細は後述。G.D.st刑務所の教戒師で、所内の職員達にも信頼を集めている人物。警備が厳重な刑務所内を顔パスで移動も可能。聖職者らしく普段は物腰柔らかな態度である。親友のDIOを崇敬している。だがDIOの息子たちに対しては駒としか思っておらず、自分を出し抜こうとするヴェルサスを始末した。
DIOが殺された事、『天国』を実現させること、過去に起きたとある事故のトラウマが行動力の源である。目的を成し遂げるためなら他人を踏み台にする事を全くいとわず、自分の行いは正しいと信じて疑わないため、ウェザーには「おまえは自分が『悪』だと気づいていない、もっともドス黒い『悪』だ」と評された。
悪役・敵役らしからぬ並外れた強運(悪運?)を持ち、徐倫たちに幾度となく計画を狂わされ追い詰められても、その都度ピンチを切り抜けてみせている。また、想定外の出来事に直面したりパニックに陥ったりすると『素数』を数えて心を落ち着かせる、という奇癖がある。
生い立ち・過去
その運命は、双子の弟・ドメニコ(のちのウェザー)と共に生まれた時から既に始まっている。プッチが誕生した日に、同じ病院で生まれたが死んでしまった赤ん坊をもつ女性(母親)によってドメニコが死んだ赤ん坊とすり替えられ、双子の弟の存在を知らずに育つ。
プッチの家系は名門とつながっており家庭は裕福で、両親と2つ年下の妹・ペルラからの愛を受け、そして与え、誰からも好かれる少年時代を送っていた。少年期に、生まれてすぐに亡くなった双子の弟がいると両親から聞く。そして神学校に行く決心をする。
「運命はなぜ自分ではなく弟を選んだのか?」「なぜ人は幸福と不幸があるのか?」「真の幸福とは何なのか?」と、プッチは考えていた。
1987年。神父になるための修行をしていた15歳の時に、教会でDIOと出会う。日曜日以外は立ち入り禁止である納骨堂の物陰にいたDIOの足につまずいたプッチは、太陽アレルギーなので日没まで休んでいたと言うDIOの理由に納得し、教会から追い出さない事を告げる。DIOはプッチの生まれつき変形していた足の指を治し、『矢』をプレゼントした。
1988年。16歳の時に教会の手伝いしていると、悩みを告白・懺悔しに来た女性の話を聞くことになる。その女性は、かつてプッチの双子の弟である赤ん坊を連れ去った母親であった。ウェス・ブルーマリン(=ウェザー)が双子の弟である事を知ってしまうのだが、当時ウェザーは自身の妹・ペルラと交際している恋人であった。実の兄妹同士だと知らぬまま付き合っている状態を打開するべく考えあぐねたプッチは、誰もが経験するただの失恋になるよう何でも屋の男に『何も質問をしない事』『この2人を別れさせる事』を依頼する。
だが、何でも屋の男は何とKKK(白人至上主義団体)のメンバーであり、ウェザーの素性を調べると肌は白いものの母親が黒人と結婚してるため、黒人の息子であると勘違いしてしまう(※プッチは肌は黒めだがイタリア系の白人である)。仲間達を引き連れ、ウェザーをリンチにかけた挙句に木に吊るしてしまった。それを見ていたペルラはウェザーが死んだと勘違いし、ウェザーの後を追うように崖から身を投げ自殺してしまう。
プッチは自らの行いが引き金となって妹を失った事により絶望に駆られ、湖から引き揚げられたペルラの遺体を抱きしめながら自身の行いについてを嘆き、そしてDIOが以前会った時に言っていた人間の間にある「引力」の事を思い出した折、DIOから貰った『矢』がその体を貫きスタンド『ホワイトスネイク』を覚醒させる。この時、双子の兄弟であるウェザーにもスタンド『ウェザー・リポート』が発現している。
その数日後、街を謎の虹と大量のカタツムリが襲うという悲惨な事件が発生。ウェザーが無意識に望んだスタンド能力の仕業であるとプッチは直感する。プッチは「これからは何でもする」と、ウェザーを処理する決意をする。そして自分が知らない力を知っているDIOの話を聞くため会いに行こうと思う。
ウェザーと対面し、自身が兄だという真実を明かす。ウェザーの行動と思考が停止した数瞬の隙を付いて、スタンド『ホワイトスネイク』で記憶DISCを抜き取る事により事態を収拾。ウェザーは過去の記憶を無くした状態のまま、徐倫たちに出会うまでの長き時を刑務所で過ごす事になる。
プッチはその後、DIOとよく会う友人となる。ある日、DIOは「いつか裏切るのか?なぜわたしを襲わない?」と言いスタンド能力『ザ・ワールド』のDISCを抜き取るのか試すが、プッチは心底DIOを信頼していたので抜き取らない。DIOはプッチを試したお侘びに、パワーが得られるというDIOの『骨』を授ける。(この期間中にDIO以外の人物に対し相談する描写はなし。尺の都合の可能性もあるが、この時から聖職者としても社会人としても難のある人物だったようだ)
のちにDIOは、「精神が進化し行きつく所」の『天国』へ行く方法があるかもしれないと言う。それを確かめるためにプッチの助けが必要であり、その方法は一冊のノートに記してあると語る。だがプッチがノートを読む前に、1989年エジプトでDIOは空条承太郎によって倒され灰になった。
プッチは承太郎がDIOの『天国』へ行く方法を記していたノートを読み、燃やしたという事実を知る。
本編での刑務所を出る前の主な行動
DIOが死んでから22年後の2011年。プッチ神父は承太郎に親友のDIOを殺された敵討ちと、記憶DISCを取り出しDIOのノートを読んで『天国』を実現させようとする。
承太郎の記憶を奪うために謀略を巡らせ、彼の娘・空条徐倫を刑務所へ収監する事で承太郎を誘い出す。DIOを心酔しており、承太郎への復讐を願っている部下、ジョンガリ・Aの協力もあって承太郎の記憶をDISC化して奪う事に成功。ジョンガリ・Aはその後、口封じに抹殺。さらには、承太郎のDISCを取り戻しにやってきた徐倫たちに対し、自らの持つスタンドDISCを与えた事でスタンド使いと化した刺客たちを差し向けた。
承太郎の記憶から『天国へ行く方法』を読み取り、『DIOの骨』から緑色の赤ちゃんを目覚めさせる。
ザ・ニュー神父!!!
プッチ神父は緑色の赤ちゃんと一体化し、姿が変化。額部分が☆型になり、頭髪の剃り込みに3本の線があり流れ星のように見える。髪の襟足が伸び、4つに束ねている。
ジャンプ掲載時の編集者による、ハジけたセンスのアオリ文の『ザ・ニュー神父!!!』が通称。第6部のアオリ文は、『ヤバイ「DISC」がIN!!』、『NO断念!!』、『お先にブルルン!!』、『少年誌随一!この「女達」、超つええ!!』、『いきもの、皆デンデン!!』、『エンポリオがジャマ!!』、『引力、即ち愛(ラブ)!!』、など数々の名言(迷言)を生み出している。
プッチ神父の身体に、DIOが首から下を乗っ取ったジョナサンの身体と同様に★の痣が出現。これによってジョースターの血族(承太郎、徐倫)の存在を感じ取る事ができるようになる。
『天国』に行くための条件が揃う場所のケープ・カナベラルに向かう。DIOの息子、ウンガロ、リキエル、ヴェルサスが導かれるように集まり、徐倫たちに刺客として差し向ける(単行本の説明によると、ジョルノもフロリダのどこかに来ていたかもしれないらしい)。
2012年3月21日。ケープ・カナベラルに行くと、スタンド『ホワイトスネイク』が重力を操るスタンド『C-MOON』へと進化。徐倫の機転と承太郎の復活により追い詰められるが、プッチ神父は重力の位置で『C-MOON』が更なる進化を遂げる場所を見つけ、『天国』へ行くためのスタンド『メイド・イン・ヘブン』を完成させ身につける。
脅威の「時を際限なく加速させる能力」を発動。加速した世界でプッチ神父だけがそのスピードで行動できる。
宇宙を一巡させ『天国』に到達にするために時を加速させている最中、ジョースター側を殺害。徐倫によりイルカに乗って逃がされ生き残ったエンポリオも、到達した一巡後の『天国』で殺害しようとする。
ケープ・カナベラルで『時の加速を発動させた時点』まで時を加速させ辿り着いてしまうと「いずれ自分を倒しに来るエンポリオが、イルカで逃げたのを見失う」という事が確定してしまっているので、『時の加速を発動さた時点』の前である刑務所内にエンポリオがいた時点で加速を止める。
『天国』とは、人類が生まれてから滅ぶまでのあらゆる出来事を体験・記憶しており、運命が決まっていて、何が起こるか予知できるようになる世界である。プッチ神父は、人類が先に起こることへの「覚悟」が出来る幸福な世界だと語る。発動者だけは自分の運命と、他人の運命を変えられる力を持っている。
エンポリオは「発動者だけが運命を変えられる」ことを逆手に取る。
プッチ神父は策にハマり、ウェザーからエンポリオへと託されていた『ウェザー・リポート』のDISCを自らの手で運命を変えエンポリオの頭部にセットしてしまう。エンポリオはウェザーの能力を身につけ、空気の酸素濃度を100%にしてプッチ神父の人体細胞を破壊し、ラッシュを打ち込んで勝利する。プッチ神父が『時の加速を発動させた時点』の前に死亡したため『天国』は起こらなかったことに変わり、崩壊した。
エンポリオはジョースター一族とDIOの因縁が無くなった一巡後の世界で、徐倫が転生した姿であるジョースター一族の★の痣があるアイリン、そして共に平和に暮らしている仲間たちと出会う。
プッチ神父の名前の由来は、イタリアのファッションデザイナー及びそのブランドの「Enrico Coveri(エンリコ・コベリ)」と、こちらもイタリアのファッションデザイナー及びそのラグジュアリーブランドの「Emilio Pucci(エミリオ・プッチ)」より。
スタンド能力
ホワイトスネイク
- CV:桐本琢也(ASB) / 増谷康紀(EoH)
- 【破壊力:? / スピード:D / 射程距離:? / 持続力:A / 精密動作性:? / 成長性:?】
- 人の記憶やスタンド能力をDISC化して取り出せたり、幻覚を見せる事ができるスタンド。
人型のスタンドではあるが、半径20m移動できる遠隔操作型。 プッチ神父が口頭で命令を下すとスタンドが返答や任務完了の報告をしてるので、自我もあるようである。
スタンドのプロフィールはホワイトスネイクの素性が殆ど判明していない単行本3巻時点での紹介内容につき、詳細が不明な部分が多い。
記憶のDISCは誰でも頭に挿して中身を見る事が可能。 スタンドDISCは適応さえすれば、他人のスタンド能力でも使える。 取り出したDISCは元の人間が死んでも消えないが、DISCが刺さった状態の人間が死ねばそのDISCも消える。
何も入ってないDISCに命令を入れ相手の頭に挿入するか、 相手の頭に手を入れ直接DISCに命令をすることで自在に操る事も可能。 音楽CDを入れられた人は、人型のCDコンポになる(グッチョ)。
DISCを取り出す過程(手順)は2通り見られ、 ターゲットから手刀でDISCを抜き取る方法と、 相手に幻覚を見せてその隙に「心」を溶かし、DISCを抜き取る方法がある。 後者の方法は時間がかかるが、自身の正体がバレることなく抜き取れる。
DISCで視力だけを取り出すこともでき、とても応用できる高性能スタンドである。
フリーゲーム「ディアボロの大冒険」の発想・ゲームシステムの大元となっているスタンドでもある。 - このスタンド名の由来は、イングランド出身のハードロック・バンド「Whitesnake」より。このバンド名は「白蛇」という意味ではなく別の意味もある。
C-MOON
- CV:桐本琢也(ASB) / 増谷康紀(EoH)
- 【破壊力:ゼロ / スピード:B / 射程距離:? / 持続力:? / 精密動作性:? / 成長性:?】
- プッチ神父が緑色の赤ん坊と一体化し、ケープ・カナベラルに着いてから『ホワイトスネイク』が新生した姿。
重力に干渉する力をもつ。『ホワイトスネイク』と同じく遠隔操作型の人型スタンドだが、重力を利用して 強力な肉弾攻撃が可能。 重力を逆転でき、プッチ神父の周囲3kmはプッチ神父が上になるように重力の向きを変化できる。 プッチ神父から離れるほど重力の向きは通常に戻る。
また、攻撃した対象の表と裏(内と外)を反転させる事もできる。 「破壊力:ゼロ」というスタンドではあるが、攻撃対象の受ける引力を逆転させて内と外を物理的に「裏返す」ため、実質的には近距離パワー型スタンドと同等かそれ以上の破壊力を誇る。
しかし、後者の能力は表裏の概念が無い物(メビウスの輪、クラインの壷など)には通用しない。
余談だが上記の「ディアボロの大冒険」では、 ディアボロのHPゲージを逆転させるという珍しい能力を使う敵として登場した。 簡潔に説明すると、下記の図の通りHPゲージの体力部分とダメージ部分の面積を逆転させるというもので、 残HPが60%の場合は40%へと減り、25%残っている場合は75%まで回復する。 そして、HPが満タンの時にこれを受けるとHPが1になってしまうという脅威の能力であり、 多くのプレイヤーを混乱・恐怖させた。原作を知る人なら、この能力を防ぐ手段はピンと来た事だろう。
(例:■■■■■■■■■■ → ■■■■■■■■■■、 ■■■■■■■■■■ → ■■■■■■■■■■) - このスタンド名の由来は、Paul McCartney & Wings(ポール・マッカートニー&ウイングス)の楽曲「C Moon」より。ちなみに「C moon」とは穏やかな性格を持つ人を指す言葉としてポール・マッカートニーによって作られた造語である。
メイド・イン・ヘブン
- 【破壊力:B / スピード:無限大 / 射程距離:C / 持続力:A / 精密動作性:C / 成長性:A】
- 『C-MOON』が更なる進化を遂げた、プッチ神父のスタンドの最終進化形態。 下半身は「前半身だけの馬」、上半身は首に羽飾りを着けた人間の姿で、 顔の中央と全身各所に計器が付いている。
ジャンプ連載時は『ステアウェイ・トゥ・ヘブン(天国への階段)』という名前だった。
時を際限なく加速する能力で、『天国』を実現させるスタンドである。
加速した時間の中をプッチ神父だけが加速した速度で行動できるので、 傍目にはプッチ神父だけが目に映らないほどの超高速で行動しているように見える。 スタンド自体のパワーは他のスタンドと比べてもさほど強力ではないが、 時の加速による超スピードを乗せることで凄まじい攻撃力を発揮する。
時を加速する能力を得たためか、『メイド・イン・ヘブン』のスタンドの姿を発現する直前も 承太郎の「超高速に動くことで時を止める」能力がある『スター・プラチナ』による 時間停止を認識でき、承太郎の攻撃を辛うじてだがかわせている。
そして何より、時間を加速し続けて『宇宙を一巡』させる事こそがこのスタンドの真の能力である。
宇宙が一巡した後の世界の『天国』では、人類は運命が決まっていて先に起こる事が 虫の知らせのように予知できるようになるので、『覚悟』が出来る。 前の世界で死んだ者は、そのまま一巡後には連れていけない。
能力の発動者は自分の運命を変え、他人の運命も変えることができる。 発動者だけが運命を自由に決められるので、世界の『神』になれる能力とも言える。(ただしプッチがこの能力を求めた真の目的は上述の通り、「神」になる事でも全人類の頂点に立つことでもなく、『全ての人類が「覚悟」に目覚める世界を創造する事』であるが。)
エンポリオは「発動者だけが運命を変えられる」ことを利用し、プッチ神父に打ち勝った。
より詳細な内容は「メイド・イン・ヘブン」も参照。 - 「ステアウェイ・トゥ・ヘブン」の由来は、イギリスのロックグループ「Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)」の代表曲「Stairway to Heaven」より。
- 「メイド・イン・ヘブン」の由来は、イギリスのロックバンド「Queen(クイーン)」のアルバム名もしくはそのバンドボーカルの「Freddie Mercury(フレディ・マーキュリー)」のソロ楽曲名「Made in Heaven」より。
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