くだらない消耗があってはならないッ!とは、目的遂行のためなら小さなストレスも乗り越える事である。
概要
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」Part6『ストーンオーシャン』に登場する、空条徐倫の台詞。
囚人スポーツ・マックスのDISCに遺されていた記憶には、スタンド能力を与えた「ホワイトスネイク(本体:エンリコ・プッチ神父)」がある者の骨(DIOの骨)を「リンプ・ビズキット」で甦らせようとしていた。試みた結果、「骨」そのものはコントロールを失いひとりでに動いて行く。
「骨」は「厳正懲罰隔離房棟」に向かったが、それが何をするかは観察する事を決断する。
その「骨」がホワイトスネイクの目的なら、それを自分が奪うことでホワイトスネイクを誘き寄せて「空条承太郎の記憶DISC」を取り戻すことを徐倫は考え、スポーツ・マックスとの戦闘で起きた刑務所内霊廟の女囚変死事件の尋問に反抗的な態度を取り、わざと懲罰房棟に送られるようにした。
厳正懲罰隔離房棟は通常の隔離房とは違って、他の囚人となじむのが難しい狂暴すぎる者や更生する意思が全く見られない者を矯正するために送られる厳しい独房で、一日一回の食事とシャワー以外まったく自由を与えられず看守の態度も非常に悪い。
独房に投げ飛ばされるように放り込まれた徐倫は、顔にしている床がトイレの穴で顔をしかめ、独房内に用意されていた食事のパンやスープには既にゴキブリやムカデが集っており叫び声をあげてひっくり返してしまう。そして他の囚人の声を聞いて扉の鉄格子から外を覗くと、他の囚人が投げて来たウンコが飛び散って徐倫の顔に触れ、それを揶揄う囚人の声。とても19歳の女性には耐えられない様な仕打ちを受ける。
この場所であってはならないのは………
『精神力』の消耗だ………くだらないストレス!
それに伴う『体力』へのダメージ……!!…あたしはこの『厳正懲罰隔離房』で!!
必ずやりとげてやる……
そのためには……くだらない消耗があってはならないッ!
そう言って、体力補給のために今までゴキブリが集っていたパンからゴキブリを振り払い勢いよく食らってさらに誓う。
いや……逆にもっと強くなってやるッ!
初登場時の頃の空条徐倫は甘ったれた不良娘で、恋人に裏切られた事や母親と会話できない事でメソメソ泣いていたが、屈強な男でも耐えられない様な仕打ちでも乗り越えて強くたくましい精神にまで成長した事を表す名シーンとなっている。
「大事の前の小事なし」をより強く体現しているとも言えるので、やるべき目的を見据えたら「くだらない消耗があってはならないッ!」の精神で己を鼓舞してみよう。でもゴキブリの集った食べ物を口にするのは衛生的に良くないから真似する際は自己責任で。
類似の場面として、エンリコ・プッチ神父がホワイトスネイクの正体である事をF・Fやウェザー・リポートらにバレてしまった際にも「人が敗北する原因は…「恥」のためだ。人は「恥」のために死ぬ」と自身を戒め、勝利のための「これは「試練」だ」と強く鼓舞する。本作は主人公サイドも悪役サイドも「NO断念!![1]」の精神が描かれてると言えるだろう。
TVアニメ版では
2022年1月開始(Netflixでは前年12月先行配信)のTVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」は、1話~12話までの第1クール放送終了後、半年の期間を開けて第2クールが放送されるが、TVアニメ版では上述のシーンを原作の時系列順である「愛と復讐のキッス」より先んじて編成。
演出意図としては中盤のエピソードの柱となる厳正懲罰隔離房を強調する為であると思われるが、それにより先行配信などを軽食を用意して食べながら見ようとした視聴者にイキナリゴキブリとかウンコとかの食事中の閲覧注意なシーンを突きつけられる。不快感を煽るような映像だが無理矢理食べ物を口にすれば「くだらない消耗があってはならないッ!」の気持ちを体験できるかもしれない。
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関連項目
脚注
- *雑誌掲載時に「人は「恥」のために死ぬ」のシーンで使用されたアオリ文。
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