『恋のキューピッド 焼野原塵』とは、週刊少年ジャンプで2013年43号から2014年12号まで連載されていたギャグラブコメ漫画である。
作者は長谷川智広。
概要
あらすじ
どこにでもいるごく一般的な中学一年生の吉丸の唯一の楽しみは、学年一の美少女、花井ユリ子ちゃんを遠くから見ること。
だがヘタレな彼の恋が成就するはずもなく、いっそのこと恋なんてこの世からなくなってしまえばいいのに、とすら思うようになる。
そんな彼のもとにある日、超怪しげなダイレクトメールが届く。
この手紙に従うことでどんな恋の悩みもたちまち解決するという謳い文句に逆上し、思わず吉丸は手紙に書かれた怪しい儀式を実行してしまうが……
そこに現れたのは自らを「恋のキューピット」だと名乗る最悪の「魔王」、焼野原塵であった!
登場人物
- 吉丸
- 本作の主人公。臆病だが根はいいやつ。曰く「一生恋人ができないまま死ぬと定められた運命」を背負う中学生。
これは裏を返せば、恋人つなぎなど恋愛に絡む行動をとっただけで死に至るさだめでもある。
この運命を変えるには、「LOVE力」と呼ばれる他人の恋を手助けした時に得られるパワーをためて吉丸の腐りきった「赤い糸」を修復する必要があり、塵と共に校内の恋愛相談に取り組むことになる。
恋の手助けだと言い張る塵の暴虐の数々に振り回される毎日だが、徐々にユリ子との距離は縮まっている……かもしれない。
牛丼には負けるが。吉丸が苗字なのか名前なのかは不明。下根を中心とした三人の友人がいる。 - 焼野原 塵
- もうひとりの主人公。吉丸の恋をかなえるという目的のためだけに誓いの門を通り人間界に来た、元魔王。
魔界、人間界通して最強さんの存在。どのような動機で恋のキューピッドをするのかは詳しく語られていないが、恋や愛に深い価値を見出しているようだ。
しかし根っからの覇道脳らしく、毎度彼の行う恋のお手伝いは一歩間違えば世界征服にもなりかねないバイオレンスでデンジャラスなものであり、吉丸が体をはって食い止めている。
体長3メートルを超す大男でウルトラマンガイア顔負けの攻撃力を誇るが、それを使わずともあふれ出る畏怖のオーラとカリスマ性で、人は涙を流しながら自然と彼に頭を垂れる。 - 花井ユリ子
- 吉丸のクラスメイトであり想い人。学年一の美少女で温厚な性格……なのだが、実は吉丸が心配するほどのド天然。魔王である塵と初めて出会ったときやファミレス強盗に遭遇した時でも顔色一つ変えることはなかった。
加えて恐ろしいほど「食べること」しか考えていないらしく、強盗に襲われてもパフェを食べ続け、吉丸とのデート時には吉丸の全財産を使い果すまでレストランで食べた。つまるところ吉丸の恋がハードモードなのは吉丸が考えているような、吉丸に魅力がなくユリ子はもっとイケメンを好むだろうといった次元の話ではなく、そもそも純粋に恋愛よりも食のほうが圧倒的に興味があるというラブコメ以前の話だったのである。 - 誓いの門
- 人間界と魔界をつなぐ唯一の門。キャラ名でもある。門の上にはBBA女性の顔の石像がついていてしゃべることができる。この門を通るにはその者が最も強く望み、かつ達成が困難な誓いを立てねばならず、その誓いを果たすまで帰ることはできない。
塵は一生恋人ができないと定められた吉丸の運命を変えるという誓いを立てて人間界にやってきたため、吉丸の恋が成就しないかぎり塵という脅威が人間界を去ることはない。誓いの門も初めは塵を人間界に呼び出してしまった吉丸の愚かさを非難したが、塵を一刻も早く魔界へ返すためロリっ娘人間体となって吉丸のサポートをするようになる。吉丸の「赤い糸」を可視化することができるのだが、その色名がいちいちマニアック。 - ゴルゴン
- 自称「塵の最大のライバル」の魔界からきた究極魔人。実際誓いの門によると魔界ではナンバー2とも呼べる実力の持ち主らしいのだが、ナンバー1である塵との実力差は明らかであり、勝負を挑んでは一瞬でひねりつぶされている。塵が人間界に行ったと知り、誓いの門に「塵を倒す」という誓いを立てて人間界に来たが、誰がどう見てもゴルゴンは塵に勝てないためもしかしたら一生魔界には帰れないかもしれない。
「塵が恋のキューピットをやっているうちは本気の塵とは戦えない」との考えから吉丸のサポートをするようになる。
(ただし役立たずなことが多い)魔人のくせに塵と違って人間から一切恐れられる気配がない。
本作のイケメン(?)枠であるが、扱いは三枚目。 - ロンシア
- 魔界最高の戦士にして、塵の部下の女魔人。塵の去った魔界で一人で塵の魔王の座を守り続けていたが、塵が吉丸にたぶらかされて恋のキューピットになったと誤認し、「塵を無事連れて帰る」という誓いを立てて誓いの門を通り人間界にやってきた。そのため吉丸を敵視するが基本的に言ってることはみな正論。
塵を連れて帰るためしぶしぶ吉丸のサポートをすることになるが、恋の手助けに最もまじめに取り組んでいる仕事のできる人。人の心が読めるというラブコメの禁じ手のような能力を持つが、花井ユリ子だけは頭の中が食のことで満たされているため読心することができない。 - 下根
- 吉丸の友人の一人。巨大な鼻がチャーム(?)ポイント。そのモテなさは吉丸以上で、連載初期ではまだ普通だったものの次第に歪んできて、あまりにも過激な下ネタを披露するようになる。曰く学園の「底王」。性欲の化身。友人たちも皆、早く成人して服役したほうがいいと思っているくらいである。
学園中の女子から忌み嫌われ、また本人も女子を憎みいやがらせをくり返す下根を、本人も含めて誰もが恋と最も縁遠い人間だと思っていた。しかし・・・。 - 依頼者たち
- 吉丸の「LOVE力」をあげるため、塵が学校集会を乗っ取り全校生徒の前で恋愛相談の募集を告知し、校長室を占拠して恋愛相談室に仕立てあげてしまったことにより、徐々にではあるが吉丸たちのもとに校内から恋愛相談が持ち込まれるようになる。塵のめちゃくちゃな行動に巻き込まれることになるが、雨降って地固まることも。
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関連項目
- 青春兵器ナンバーワン(次回作)
- 週刊少年ジャンプ
- ギャグ漫画
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