手錠(てじょう)は、腕の自由を奪うための、手首に装着する器具。
概要
警察職員が被疑者を逮捕するときや、保護の対象が暴れるなどして危険な場合に、逃走や暴行などを困難にする目的で用いられる。警察官などは拳銃・警棒と共に携帯している装備のひとつ。
昔は同様のもので、厚い木の板を使った手枷(てかせ)なども用いられていた。
- 食事やトイレ・簡単な手元作業など最低限の動きは可能。
- 手首同士が連結され両腕の可動域が狭くなるため、行動手段に大きな制限がつく。
- 後ろ手に手錠をした場合、かなりの自由を奪うことが可能。
- 金属製なので容易に破壊できず、破壊には一定の工具や設備が必要。[1]
- 人間同士を手錠で繋いだ場合、抜群のチームワークが無ければ逃走すらままならない。
- 逃走しても手錠自体が逃走者の目印になる。
一般的に手錠は、「逮捕するための道具で、逮捕する際は必ずかけるもの」と認識されがちだが、これは誤った認識である。
現行犯で犯人を取り押さえたり、被疑者を取り囲むことで逃走不可能な状態にしたりするなど、必ずしも逮捕には手錠が必要だということはない。
代用品
軍事作戦(特殊部隊など)においては代替品としてケーブルタイ(結束バンド)が用いられる場合もあり、手錠よりも小型軽量・簡便ながら倍以上の量を携帯することが可能である。
欠点
欠点として、手錠を装着しただけでは走って逃げられるため、隙のない監視や拘束も必要となる。
金属製ではあるが、構造自体も特殊でない場合が多く、心得がある者なら金具や針金を使って解錠されてしまう場合もあるなど万能ではない。特殊部隊員などが身近なもので手錠を外す訓練する場合もあり、怪盗などがあっさり解錠するシーンも割と嘘ではない。
最低限の手元の自由はあり、転倒した際にこっそり拾い一瞬の隙を突いて…といったことも可能だし、不自由はあってもキーボードの入力やドアなどの解錠・施錠も可能など頭の回る相手だと厄介。
結束バンドを利用したものは金属製の手錠より耐久性は劣るため、刃物など道具さえあれば破壊しやすい。激しい摩擦などで切られる場合もあるため、複数個を取り付けるなどの対策も必要となる。
また手錠は下半身を拘束しないため、足の速い相手・足技に優れた相手には効果が半減する。
放送において
テレビで手錠にモザイクをかけるのは、逮捕された時点はまだ容疑者で、犯罪者と確定していないから。
後々、無罪で釈放されても、手錠をされている姿を見ていた視聴者には「犯罪者」というイメージがついてしまっているため、容疑者の段階では人権保護の為にモザイク処理をし、犯罪者としてのイメージを植え付けないようにしている。
これはロス疑惑において、三浦和義が訴訟を起こしたことがきっかけとなった。
その他
ハロウィンにおける警察官のコスプレ[2]など、アクセサリーの一種として用いられる場合もある。
海外の刑務所など、独房から出入りする際に腕だけ出し手錠を付け外しする場合もある。
監禁や拘束といったシチュエーションにも用いられやすい。(配管と繋ぐなど)
逃亡者同士・ライバル同士の手首を手錠で繋ぐといったシチュエーションも映える。
おもちゃやSMプレイ用の手錠においては安全のため、ボタンや突起を操作するだけで鍵がなくても普通に開けるものがほとんど。
犯罪とは異なるが、ゾンビ化が予想される人物に手錠をかけ様子を見る、周囲の人物を守るため自分自身に手錠を装着する[3]場合もある。(玩具であっても一定の知能がなければ外せない、容易に着脱が可能なため)
関連動画
関連項目
脚注
- *破天荒な方法としては手首を切り落とす、腕を食いちぎらせるといった手段もあるが、腕を失う、失血死の可能性もあるためリスクしかない。フィクション作品など奇抜な発想には良いかもしれない。
- *注意点として、国内における警察・消防・自衛隊などの公的機関のコスプレは(明白にデザインが異なる/コスプレと分かる場合を除いて)公共の場所では禁止されている場合がほとんどである。
- *漫画「がっこうぐらし!」など。
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