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東急7000系（初代）とは、1962年に登場した東急電鉄の通勤型電車である。
本稿では当形式から改造された東急7700系についても解説する。
概要（7000系）
戦後、東急電鉄は傘下の車両メーカーである東急車輛製造と共に車両の軽量化・メンテナンスフリー化を目指して意欲的な開発を行っていた。
初代5000系においてモノコック構造を採用した型破りな軽量車を登場させた後、5200系・初代6000系とステンレスカーを投入し、日本の鉄道業界をリードしていた。
しかし、これらのステンレスカーは外板のみステンレスで、骨組みは普通鋼製のいわゆる「セミステンレスカー」であり、なおもメンテナンス性の面で問題を残していた。
そこで、7000系ではアメリカ・バッド社と技術提携を結び、同社の技術を活かした日本初のオールステンレスカーとして設計された。
また、当形式は、東横線の主力と日比谷線直通車両を一手に引き受け、大量増備が想定されることから、イニシャルコストだけでなくランニングコストの削減も念頭に置き、徹底的にシンプルな構造で設計された。
車体長は当時の東急電鉄標準の18m車体の3ドア車であるが、車両寸法やドア配置などは日比谷線直通規格に合わせてある。日比谷線直通規格として車体幅が2800mmとされたことから、当時は池上線などに入線できなかった（このため後に車体幅2744mmの7200系が製造された。現在は7000系も入線可能）。
電機関係としては全電動車方式を採用。主回路制御は抵抗式で、製造は日立製作所と東洋電機の2社が担当。日立製は直並列制御、東洋製は永久直列制御としている。
主電動機はいずれも複巻式で、日立車がHS-830Arb（出力70kWh）、東洋製がTDK-826A（出力60kWh）である。出力が異なるのは日立車は東横線内での急行運用も想定していたからで、これらの違いから日立車と東洋車の混結はされない。なお、駆動方式は両者とも中空軸平行カルダン方式としている。
制動装置は回生制動併用電磁直通空気制動（HSC-R）を採用。
台車は軽量で外側に出ているディスクブレーキが特徴的なパイオニアⅢ台車（TS-701形）が採用されたが、難点も多く、後の7700系改造時には交換されている。
加速度・減速度ともに4.0km/h/sと高いが、定格速度領域が狭く、起動加速度が維持できる領域は非常に狭い。
1966年まで134両が製造され、東横線・田園都市線（大井町線）などで運用された。
1980年代には東横線の日比谷線直通用（8両編成）と大井町線（6両編成）で運用されていたものの、後継形式の導入によってこどもの国線で運用された2両を除き順次7700系への改造か他社譲渡となった。なお、この時点で解体された車両は一切存在しない。
地方譲渡
7000系は地方鉄道にも多数譲渡されている。以下に一覧を示す。
- 弘南鉄道（7000系）
- 大鰐線に日立製電機品車・弘南線に東洋製電機品車が譲渡されている。弘南線には先頭化改造車があるものの、事故で2両が廃車になっている。
- 水間鉄道（7000系→1000系）
- 全て東洋製電機品車。当初は7000系を名乗っていたものの、更新改造で1000系に改番。先頭車化改造車有り。
- 北陸鉄道（7000系）
- 電機品はJR・西武の廃車発生品に交換されている（種車は日立製電機品車）。先頭車化改造車あり。
- 福島交通（7000系）
- 電動車は全て東洋製電機品車。制御車・制御電動車は全て先頭車化改造車で統一されている。
- 秩父鉄道（2000系）
- 全て東洋製電機品車。秩父鉄道で当形式だけ18m車（他は20m）で冷房化も困難な事から早々に廃車となり現存しない。
概要（7700系）
7000系を冷房化改造し、旧3000系列などの置き換えを行うために7000系から改造された車両。
7000系は軽量台車を履いており重量的に厳しかったことや、全電動車方式の18m車で床下に冷房用電源を置く余裕が無かったことから冷房化ができずにいた。
そこで、MT比を1:1とし、冷房用電源スペースをねん出するためにVVVFインバータ制御化・重量増に対応するために台車を8000系列と同等のTS台車に交換するなどの改造を受け、1987年に登場した。
14編成が改造され、当初は6両編成で大井町線で、その後は3連で池上線・4連で目蒲線にて使用された。
1994年の池上線ワンマン化の際、一部の4連を3連に短縮することになり、過剰になる中間付随車3両を改造して新たに1本（7915F）が新たに投入された。
2000年の目蒲線運転系統分離に伴い、一部の編成が十和田観光鉄道に譲渡された（VVVFインバータ制御車の地方譲渡としては日本初の事例である）。
現在は新7000系の投入により一部が廃車になっているものの、新7000系の投入がスローペースなこともあって、未だに10本が残っている。
2012年のゴールデンウィーク前頃から、池上線開業90周年を記念して、7000系第1編成から改造された編成である7910Fが、前面の赤帯を撤去して「7700系クラシックスタイル」として営業運転に投入されている（期間は未定）。
同年10月6日には、池上線90周年記念イベントの一環として、行先表示機を幕式に変更、前面窓ガラスのHゴムを灰色に着色、前面車番を「7001」「7002」に変更、側面サボの設置など随分気合の入った「一日限定スタイル」で特別走行した。
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