秘密-トップ・シークレット-(以下秘密)とは、清水玲子作の近未来SF推理漫画である。1999年に読み切り作品として白泉社の漫画雑誌「MELODY」に掲載され、その後連載作品化した。
概要
美麗な絵で有名な清水玲子の作品。近未来(2060年代以降)を舞台に、MRI捜査(後述)を駆使して真実を追う「科学警察研究所 法医第九研究室」(通称「第九」)の姿を描いた推理物である。単行本1巻が発売された当初は入手困難な状態が続いた(掲載雑誌「MELODY」に謝罪文が載せられたほど)。
単行本の厚さが安定しないことでも有名。2008年には「秘密〜The Revelation〜」というタイトルでアニメが放送された。
MRI捜査
遺体から取り出された損傷がない脳に電気的刺激を加え、通常は5~10%しか働いていない脳を120%働かせ、脳が生前に見ていた光景を映像として映し出すことができるというトンデモ科学超科学技術である。だが、
- 音声は再生されないため、映像の中の会話内容を知るためには読唇術が不可欠。
- 私生活などのプライバシーが完全に暴かれる。
- 「脳が認識したまま」を映すため、「麻薬中毒者の幻覚」「精神異常者の見た幽霊」などの実在しないものまでが映し出されてしまう。
などの問題点がある。
過去5年にさかのぼって映像が見れる他、屍蝋化した60年前の遺体や人間以外の生き物の脳を見ることも可能。
なお、「MRI」というと生体断層撮影で使われる核磁気共鳴画像法の略称と同じだが、それとは異なる技術である。
登場人物
薪 剛(まき つよし)
階級は警視正。顔立ちは童顔で一瞬女性に見える程の美形。そして性格はドS。第九をやめる人が続出する要因のひとつである。
第九設立初期から在職し続けている唯一のメンバーであり、今までの事件を「記憶」しているため命を狙われることも多く、また国家機密レベルの情報の隠蔽の片棒を担がされたこともある
能力は超優秀であり、上に喧嘩を売った際「よくその物言いで警視正の立場にまで…」といわれた際に「だからまだ警視正なんです」と返すほどである。
その内面は非常にもろい。全幅の信頼をおいていた捜査官がある事件の映像を見て自殺したことがトラウマになっている。
「自らの死後も隠し通せるだろうか---そんな---そんな勝手が許されるのだろうか」
青木一行(あおきいっこう)
東大法学部出身であり、真っ直ぐな性格を持ち感情の起伏が激しい。180cm超の身長を持つ。
薪に全幅の信頼をおいており、周りには「犬」と呼ばれる。ヘリの操縦もできる。
岡部靖史(おかべやすふみ)
薪の片腕的存在である。ゴリラにも例えられる、無骨な顔立ちであるが36歳。子持ちと勘違いされるほどの老け顔である。
人情派であり、ある事件の被害者(未成年)に酒を供えたこともある。
「人の脳を見るMRI操作や…指紋照合やDNA鑑定は最後の手段なんです
犯人が誰かわかっていれば――
盗人が自ら自首さえすればMRIなんてものはいらないんです
口があるんだから話し合って、耳があるんだから聞いて尋ねて説得すれば総て解決する――話し合って誤解もわだかまりも解消されていく
本来そうあるべきなんです――同じ人間なんですから――なのに
現実には連続殺人犯が何食わぬ顔でとなりに住み、人殺しを続け暴力が総てを支配し、無抵抗の幼児や老人が無残に殺され、何も語らないまま息を引き取っていく・・・・・・・
そんなひどい世の中だから・・・・・・そんなひどい世の中だから・・・他人が信じられない荒んだ社会だから・・・『動かぬ証拠』を目の前につきつけないと誰も自分の罪を認めようとしないから
仕方なく導入されたとても悲しい捜査方法です
これは文化的でも科学的でも何でもない――こんな『MRI捜査』が必要な―――こんなものがないと犯罪が抑止出来ないような社会は社会じゃない
これもお互い言葉も通じない全く意思疎通ができない、まるでケモノ同士のような世界の中でのみ必要な手段なんです
なのにどうして『家族』の中で
どうして母親にまで自らの命を絶ってまで『証拠』を見せなきゃならないんですか・・・
どうして
なぜあの子は、自分の母親に『そうしないと信じてもらえない』と思い込んでいるんですか・・・」
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