音鉄[おとてつ]とは、「鉄道ファン」において、特に鉄道に関係する各種の音を収録して楽しむ層の総称である。
概要
さまざまな「鉄道ファン」が存在することは、当該記事で述べている通りである。
彼ら「音鉄」の場合、発車メロディや接近メロディ、車内チャイムなど「鉄道の音」を耳にし、収録までできればなおのほか喜びとなる。聞くだけでなく、鉄道が発する音を収録する「録り鉄」も古くから盛んであり、ニコニコ動画においても音鉄は主力ジャンルのひとつとして、様々な「音」が投稿されている。
「発車メロディ」という概念については、JR東日本がいわば爆発的に普及させたもの(それ以前にも、関西の一部民鉄で導入、または優等列車の専用ホームや、発車列車の区別【過去の京阪電鉄ターミナル駅など】、終電車の時刻が迫り来ることなど、別の形で使用される駅もあった)であるが、汎用的なメロディもあれば、特定の地域の駅やその駅「限定」のメロディ、中には特定の駅の特定の番線でしか鳴らない(過去に広く分布していたが、結局そこにだけ残った)、特定の映像作品楽曲と立地駅とのコラボ、あるいは特定の商品などとコラボして(広告扱いで)期間限定で鳴動した、というものも存在するため、恰好の「収録ネタ」となる。
また詳解はしないが、モーター音(磁歪音)、エンジン音、コンプレッサ駆動音および警笛などはそれぞれ車両、製造年代、線区、電圧、事業者などで個性があり、一度ドツボにはまると気にしだし、抜け出すことが困難な、いわば「泥沼」的な鉄道趣味の一ジャンルでもある。特に(現在の)名古屋鉄道では特急型車両にのみ取り付けが許される特別な警笛の一種である「ミュージックホーン」(別名:「どけよホーン」)は、一部でカルト的な人気を誇る(当該記事も参照)。
鉄道MADの中でも「大変な途中下車シリーズ」に代表される音系MADにおいては重要なMAD素材であり、その作品の多くが作者自身による音鉄、録り鉄の成果として生み出されている。
また、技術・アナウンス・音源の内容および「言い回し」、そしてメロディ類(加えて収録機器)は時代とともに変遷・進歩・洗練・高音質化するので、他者に迷惑さえかけなければ、これらを収録・記録しておくことは後々において高い価値を得られる…かもしれない(例:名鉄ミュージックホーンの「トランジスタホーン」車、JR新宿駅ほかの「初代」発車メロディ各種、阪急電鉄/南海電鉄の「~ございます/願います」調のアナウンス など)。
対象
- 発車メロディ・接近メロディ・車内メロディ(車内チャイム)・ドアチャイム(「交通バリアフリー法」制定で新製車両への設置が義務付けられ、設置努力義務ともなった)など各種メロディ類
- 駅構内放送・車内放送および、言い回しなどの差異(例:自動アナウンス、担当ナレーター・声優、近鉄で用いられる「当駅仕立の~」【他事業者であれば「当駅始発」が一般的】など)の研究
- 列車本体由来の駆動音(モーター音・エンジン音・コンプレッサ音・警笛など)
- レールのジョイント音(ローカル線ならいざ知らず、新幹線でさえレール溶接技術が格段に進化したため、高速運転区間は1980年代と現在を比較すると、レール由来の走行音が全く異なる)
- この他にも、いささか尾籠な話ではあるが、さしずめ「音鉄の最北端」とでも言うべき「列車便所の動作音」に至るまで、鉄道に関係する音は全て収録・鑑賞の対象となりうる(中川家礼二が列車別のその差異を「持ちネタ」にしている)。
録音時の注意点
音鉄も撮り鉄と同様、第三者からすると収録スタイルは「盗聴」とも見られたり、カメラで床置き録音をする際「盗撮」とも見られるので、どうか自分で自分、および同じ属性を持つ者の首を絞めることの無いようにした方が良いだろう。
関連動画
関連項目
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