CampfireAudio(キャンプファイアオーディオ)とは、アメリカ・オレゴン州ポートランドにあるイヤホン、ヘッドホンメーカーのこと。ALO(エーエルオー)Audio傘下のブランドである。略称はCA
概要
ヘッドホンのアンプやケーブルなどを製造していたALO Audioの中の人達が、自分たちが作る物の価値に見合ったイヤホンやヘッドホンを作りたくなって2015年に立ち上げたブランド。小規模メーカーの一つで、基本的には町工場規模の自社工場で、職人が一つ一つを手作業で作っている。
2015年のLYRAやORION、JUPITERなどを発表した時点では、駆け出しの無名なメーカーでしかなかったが、ANDROMEDAが大ヒット。一躍有名メーカーへとのし上がった。
モットーは「最少の効率で最大の効果」高級イヤホンメーカーともなると、ドライバーをたくさん詰みたがる傾向にあるが、SHURE同様に慎重になっている。
各モデルの名前に法則があり、イヤホンは焚き火を囲んだ時の夜空に浮かぶ星々や星座、ヘッドホンは周辺の地形から取られている。
用語
- TAEC(Tuned Acoustic Expansion Chamber)
バランスドアーマチュア(BA)型ドライバの技術。
BA型の場合、ドライバの出口にチューブをつけて、そのチューブをステム(ノズル)に持っていくというのが基本的な設計であるが、音質が劣化するという欠点がある。これはチューブレスで音を伝達する仕組みの一つで、チューブの代わりにチャンバーをくっつけることによって音質の改善を狙ったものである。 - PTC(polarity Tuned Chamber)
ダイナミックドライバ(DD)をそのまま筐体に配置するのではなく、更にもう一つケースを加えてその中にドライバを配置するというもの。これによって音響が良くなるのなどか。 - リキッドメタル
素材の一つで、ある種の合金を混ぜ合わせることによってできた、ガラスのように結晶体を持たない合金のこと。ガラス合金ともいう。軽量且つ頑丈なので、イヤホン素材に向いている。 - ADLC(Amorphous Diamond-Like Carbon)
DDの振動板に炭素を吹き付け、蒸発させることによってダイヤモンド状に変化させてコーティングする技術。
ベリリウム蒸着よりも硬くなることによって、音の伝達速度や熱伝導率が向上するので、それだけ性能がよくなる。
筐体の特徴
イヤホンの形状はこのように分類することができる。
- リキッドメタル(LYRA、VEGA、DORADO)
DD系のイヤホンに使われているタイプ。
曲線が目立って耳に収まりやすいのが特徴。
現在はそれらのモデルは廃盤になってしまっている。 - アルミ(ORION、JUPITER、ANDROMEDA、NOVA、POLARIS、IO)
BA系のイヤホンに使われているタイプ。
直線主体で角張っているので、長時間つけていると耳が痛くなるのが難点。
更に角のところから塗装が剥げるのが欠点で、コーティングを施す、配送時には左右分割した巾着にイヤホンが収められているなど工夫が凝らされている。
中国人の琴線に触れたのか、KZのZS5のように中華系イヤホンにデザインがパクられている。 - ステンレス(ATLAS、COMET)
第3のデザインで、SFチックな外見をしているのが特徴。
上二つが、装着がSHURE掛け前提なのに、このモデルは通常の装着方法想定。
- 分類不能(Equinox、SOLARIS)
モデル
最初のモデル販売が2015年と歴史が浅いメーカーではあるが、小ロット生産で、ロット分生産し終えた時点で、見込みがなければ廃盤にしてしまうので、製造終了モデルの数が多い。
エントリーモデルでも、イヤホンケース、数種類のイヤーチップ(フェーム、シリコン、第三社製)、クリーニングツール、巾着とオマケが豊富についてくる。
母体がアンプ・ケーブルメーカーなので、2万円代のケーブルがついてくる。最初の頃は強気な値段設定であったが、最近はエントリーモデルでは値段が下げられてる。
最大の特徴は、満遍なく欠点のないモデルを作るのではなく、ある方向に特科した音作りを心がけているという点で、合わない人には合わないが、合う人にはツボに刺さりまくるので購入前に試聴をしたほうが無難である。
- LYRA
発売:2015年7月
価格:99900円
ドライバ:DD(8.5mm)
色:シルバー
記念すべき初モデル。
そもそもの起こりが、ゼンハイザーのIE800を超えることを目標としていたので、ダイナミック一発になるのは当然の成り行きであった。
IE800に匹敵するという評価であったが、筐体に使ったジルコニアが大変、程留まりが悪く、10個作ったうち使い物になるのが1個という悪さであったため、早々に2代目に引き継がれることになった。
- ORION
発売:2015年11月
価格:42000円
ドライバ:BA1基
色:黒(限定で青)
多ドライバー正義な風潮において出された一発モデル。
その割は価格は割高。
大ヒットこそしないものの生産が続いていたモデルではあったが、IOの発売と同時に廃盤になった。
- JUPITER
発売:2015年11月
価格:123600円
ドライバ:BA4基(低域2基、高域2基)
色:カッパー
CAの初、多ドライバーモデル。
個性はあったが、ANDROMEDAに喰われてしまった感が強い。色も地味だし。
- ANDROMEDA
発売:2016年6月/2019年6月
価格:138000円
ドライバ:BA5基(低域2基、中域1基、高域2基)
色:グリーン(限定で白、ステレンス)
CAの名を一躍天下に轟かせた傑作。
なんといっても「音の小宇宙や~」と叫びたくなるほどの高音で、それこそアンドロメダ銀河が展開しているようなキラキラっぷりは誰も彼もを中毒へと陥れた。一時は市場在庫枯渇、メーカーストック無しという人気ぶりではあったが現在では数が行き渡ったので落ち着いている。しかし、定価もそれほど落ちず、中古価格も9万円代といった具合に値崩れてしていないところが人気ぷりを物語っている。
2019年ケーブルやコネクタなど細かいところを手直ししたリニューアル版が発売された。
- NOVA
発売:2016年11月
価格:60000円
ドライバ:BA2基(フルレンジ)
色:シルバー
ドライバを複数詰んでいる場合、普通は低域・高域と分割させるのだが、2基とも全域を鳴らしているという珍しいモデル。
CAの中ではもっとも影の薄いモデルで、あっさりと廃盤になってしまった。
- LYRAⅡ
発売:2016年11月
価格:85000円
ドライバ:DD(8.5mmベリリウム)
色:シルバー
ジルコニウムが難物だったので、筐体にリキッドメタルを採用した2代目。
アレンジも初代とは若干、違うのだとか。
DDモデルの低価格版としてラインナップに残っていたのだが、ATLASの登場で廃盤になった。
- DORADO
発売:2016年11月
価格:123000円
ドライバ:ハイブリッド(DD1基、BA2基)
色:ピンクゴールド
ハイブリッドといえば、普通は低域がDD、中域高域がBAの分担になるのだが、メインがDDで、BAは補助という珍しいモデル。強気すぎる値段が災いしたのか、あっさりと廃盤になってしまった。
DORADOというのは、かじき座のこと。日本では一部程度しか見えない。
- VEGA
発売:2016年11月
価格:159000円
トライバ:DD(8.5mmADLC)
色:シルバー
DDのフラッグシップとして発売されたモデル。
前述のようにドライバにADLC処理が施されている。そこがLYRAⅡとの差異。
CAのラインナップに長く加わっていたが、イヤホン戦線においてDDモデルの競争が激しいこと、ANDROMEDAと比べて値崩れする、後継機をVEGAとして開発することが難しかったという事情から廃盤。しDDモデルはATLASに一本化されることとなった。
- POLARIS
発売:2017年12月
定価:70000円
ドライバ:ハイブリッド(8.5mmDD1基、BA1基)
色:ブルー&グレー
流行のハイブリッドに手を出してみたモデル。
フェイスプレートがグレーで、後はブルーというカラーから、ネットでは「中華からパクり返した」とも言われた。
特徴としては低音が非常に良く出るが、ちぐはぐな感じがぬぐえなかった。
あっさりと廃盤になってしまったが。
- COMET
発売:2018年5月
定価:25000円
ドライバ:BA1基
色:ステンレス
ATLAS同様、従来の筐体からかけ離れたスタイルで現われたエントリー機。
20000円相当のケーブルがついているので、ケーブル買ったらイヤホンがついてきたとような感じになっているお買い得機。
イヤホンケーブルにリモートスイッチがついているなど、スマホでの使用を想定している反面、インピーダンスが40代と高く、音量設定を大きくとらなければならないなど、スマホでは鳴らしにくいイヤホンなのでいささかちぐはぐな感じがある。
- ATLAS
発売:2018年6月
定価:165000円
ドライバ:DD(10mmADLC)
色:ステンレス
VEGA&LYRAの後継機。
ADLCの成功を受けて、ドライバサイズが10mm代に拡大。それに伴って、筐体も巨大化している。
重低音が特徴。
メーカーとしてはDD機の主力して見ているのであるが、早くもANDROMEDAよりも値引き率が大きくなっている。
- Equinox
ドライバ:DD(10mmADLC)
色:ブルー
CA初のカスタムイヤホン。ただし、カスタマイズできるのは耳穴の形状だけ。ドライバの性能もATLASの亜種などで、いささか微妙な感じがしないでもない。加えて、春と秋に試聴無しの人数限定の受注生産である。
Equinoxというのは「分点」という意味。春分とか秋分とかのアレである。
- SOLARIS
発売:2018年12月
価格:168000円
ドライバ:ハイブリッド(10mmADLC・DD1基(低域)、中域1BA、高域BA2基)
色:金&黒
CAの集大成というべきフラッグシップモデル。
フェイスプレートが金で、それ以外は黒系という軸が片側によったシイタケみたいな形状をしている。
- POLARISⅡ
発売:2019年6月
価格:65000円
ドライバ:ハイブリッド(DD1基、BA1基)
色:ブルー
廃盤かと思われていたモデルのまさかの復活。
フェイスプレートも青に変更されている他、DDのサイズも9.2mmに拡大している。
迫力のある重低音はそのままに弱点を潰しているなど良品に仕上がっている。ANDROMEDAの高音のように絶対正義とはいわないが、重低音モデルを求めるなら確実に候補に挙がってくるモデルである。
ただし、同時期にリニューアル版ANDROMEDAとIOが発売されていて、値段や性能的にいささか地味というか、損をしている感がある。
- IO
発売:2019年6月
価格:36000円
ドライバ:BA(低域1基、高域1基)
色:レッド
最新のエントリーモデル、読みは「アイオー」
中高域に強く、質的にはそれなりに仕上がっている事や、ブランド物商品としてお買い得な価格になっていることから、人気が高く、一部ショップやサイトなどでは品切れになっているなど人気を集めている。
関連商品
関連リンク
関連項目
- 0
- 0pt


