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HANA-BIとは、北野武監督演の映画である。
キャッチコピーは「その時に 抱きとめてくれるひとがいますか」。

概要

北野武監督第7作映画である。1998年開。

北野は第4作『ソナチネ』以降、海外での認知度・人気は非常に高かったが、この作品でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞したことで、世界キタノ」と称されることになる。

北野映画の多くはエンターテイメント性が薄く、しくもいた暴力描写、死を感じさせる空気などが日本の観客に受けず行的に大失敗し続けており、それは『ソナチネ』の圧倒的な欧州での人気の後も変わらなかった。
しかし、金獅子賞という、見える形での大評価を今作で獲得したことで、日本国内でも「再評価」が行われることになった。
これを「手のひら返し」と呼ぶ向きもあるが、それ以前(特に第3作『あの夏、いちばん静かな』の時点)でも内の巨匠映画評論家の中には好意的な評価を表す人間も少なからずおり、日本映画界が必ずしも彼に冷たかったというわけではない。

本作は、冷ききった暴力描写・“キタノ・ブルー”で映し出される豊かな風景という『ソナチネ』に通じる作を持ちながらも、そこに夫婦をはじめとする情緒的な展開が加えられており、北野映画の中でも“入りやすい”作品とされる。
が、一方で、『ソナチネ』や『アウトレイジ』など、北野映画の中でも、人間的な情緒の一切を排してとにかく非情でアナキー暴力性のみを映し出す作に魅せられたファンは、今作に対して拒絶反応を示すこともある。 

あらすじ

刑事・西の妻である美幸は数ヶ前に幼い子供を亡くし、失意のまま体調を崩してしまった。西は悪犯のり込みの最中に、同僚・部の好意に甘え、病院にいる美幸を見舞う。
だが、西はそこで医師から、美幸が不治の病にかかっていることを知らされ、さらに部が犯人に撃たれたことを知らされる。部は命こそ取りとめたが下半身不随になってしまう。罪悪感と動揺が、西を襲う。
やがて犯人は別の場所で発見され、西は犯人を追いつめる。しかし逮捕の焦りから、失態を演じ、後輩田中が殺されてしまう。西は犯人を射殺し、何度も弾を撃ち込んだ。

西は警察を辞めた。田中部に対する罪悪感のためであった。
しかし職を失った一方で、自分のために車いす生活となった部の画材具のための資金、殉職した田中の妻や余命いくばくもい妻・美幸のための生活資金を工面しようとし続けていた。
西はヤクザから借金を重ね、そして返済に困るようになる。思い余った西は銀行強盗をやり、その金で借金を済、さらに田中の妻や部に送金する。
西は、余ったわずかな金で妻との逃避行を始める。

しかし、ヤクザ利子をせびりに執拗に追いかけてくる。逃避行を邪魔されたくない西は追いかけてくる者を皆殺しにする。
だが、その身を案じて追いかけてきた後輩中村に、彼らの死体を見つけられてしまう。 

強盗殺人を犯した西、不治の病を抱えた美幸。
2人とも、は閉ざされてしまっていた。
逃避行の果てにたどり着いたで、2人の旅は終わりを迎えた。 

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HANA-BI

3 nanao
2013/03/09(土) 15:55:21 ID: b2ZAmXrb3l
監督映画界では確かに評価されてたけど、世間一般やマスコミには見向きもされてなかったから海外で評価されて賞とった後のあの反応は手のひら返しと見られてもおかしくない。ソナチネのころから海外では評価されてたのにね。
👍
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4 ななしのよっしん
2014/04/27(日) 21:49:41 ID: nE/1V34qE1
海外で有名な賞をとれば再評価
一般の日本人が以下に芸術に疎く権威に弱いか分かる
映画以外でもそうだけど
👍
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5 ななしのよっしん
2014/07/12(土) 11:51:19 ID: c5ZFbS0dGD
北野武ならではのいた暴力描写は健在なんだけど、
本作の文脈では描かれる暴力が「妻のため」みたいに正当化されてる感じで
そこがこれまで暴力の虚しさや理不尽さを描いてきた北野映画ノリを期待すると裏切られるかも
主人公犯罪行為を重ねていくわけだけど、最終的にいい話っぽく終わるのも賛否が分かれるね
👍
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6 ななしのよっしん
2015/01/10(土) 19:33:12 ID: DuBzEOfQ3h
自決の絵に絵の具をぶちまけた部さんのその後が心配
見ようによっちゃ全てを投げ捨てたようにも見える
👍
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7 ななしのよっしん
2015/04/18(土) 00:10:16 ID: NdrOIcYb6x
ソナチネ」って“人間的な情緒を一切排除”してなくね?

辺で拳銃やら花火やらで遊ぶシーンとかあるやん?
仲間とのみたいな
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8 ななしのよっしん
2015/12/31(木) 17:52:31 ID: 4mvTRVTIA0
HANA()」が静的に絵を描き続ける部、つまり監督としての北野武自身を、そして「BI(火)」がしく命を散らす西、芸人としてのビートだけし自身を示しているという、タイトルからして凝った作品だった
一度は見ておきたい名作だと思う
👍
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9 ななしのよっしん
2017/04/07(金) 17:41:01 ID: 3yapugNKkU
初めて見たときBGMもなくて主人公も全く喋らないし
不気味映画だと思ったなぁ

ブラザーみたいな暴力シーンがほしかった
👍
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10 ななしのよっしん
2018/02/09(金) 19:58:52 ID: SeBkMJKxpw
>>4
そして海外で評価された監督ほど海外受け狙いに走る傾向がある。
黒澤明の「乱」も北野武の「座頭」も海外ファンに媚びた内容だった。
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11 ななしのよっしん
2023/09/08(金) 16:47:31 ID: p4Kke4tzQe
>>6
あのシーンは元々シルクスクリーン模写に対して絵の具をかける予定だったのだけど、狙い通りにならなくて
ヤケを起こしたたけし監督が現物を使って撮った所、一発OKだったというくがあるw
👍
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12 ななしのよっしん
2024/10/08(火) 16:02:52 ID: 9fNIrKY4rq
の中で奥さんが楽しそうに走って転ぶシーンが凄く良かった
どれだけ実に生きても死や理不尽な災難は避けられない、人を裏切ったりを使った人間幸せになれないっていうたけしルールプロットの太い軸になってるシンプル映画だね
👍
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