VOCALOID3とは、ヤマハの歌声合成技術「VOCALOID」の一種。2011年6月8日にヤマハより発表された。
2014年11月に新しいバージョンである「VOCALOID4」が発表されている。
概要
さらにリアルな歌声合成音
合成アルゴリズムの改良と、合成音の品質向上によってさらにリアルな歌声を合成できるようになった。
また、 従来は音程が変化する際、サンプルが切り替わる所で音色が変化することがあったが、改良によりスムーズに変化させられるようになった。
使いやすいユーザインタフェース(VOCALOID3 Editor)
- DAWのようなトラックビューを導入
- 音声ファイルの再生機能が付き、伴奏と歌を同時に再生して制作、といったことが可能
- VST Host機能を搭載、歌声にエフェクトを加えることができる。
- 「VOCALOID Job Plugin」機能により、編集機能の拡張が可能
- VOCALOID2のライブラリは、専用のツールを使いインポートが可能。
- 対応OSはWindows XP、Windows Vista、Windows 7
- ミキサー大幅進化
- アンドゥ・リドゥ無限
※ライブラリインポートについてはヤマハのサポートは2016年3月末で終了しているが、[1]一部のメーカーでは個別にシリアルの発行を行っている。
歌声ライブラリと楽曲制作ソフトウェアを分離して販売
従来はEditorとライブラリがセットで販売されていたが、VOCALOID3からは別々に販売される。ただ、ライブラリには機能を限定した「Tiny VOCALOID3 Editor」が付属する。通常版との違いは以下の通り。
- 作成できるデータ(曲)の長さは、最大で17小節まで。
- 一つのボーカルトラック内に作成できるパートは一つだけで、WAVトラックはステレオのトラックのみ。
- トラックの追加あるいは削除はできない。
- パートのサイズ変更は不可。
- VSTプラグインは使用不可。
- 編集メニューの“元に戻す”機能は、一回のみ。
その他のボーカルエディタ
- Piapro Studio
クリプトン・フューチャー・メディアのVST・AU対応のボーカルエディタ。「KAITO V3」以降のクリプトンから発売されるVOCALOID3製品に付属。 → Piapro Studio
多言語対応
従来の日本語と英語に加え、新たに中国語、韓国語、スペイン語に対応。
合成API、プラグイン仕様の公開
ヤマハと契約した個人、法人に対し合成APIが公開される。これにより独自の歌声合成ソフト、プラグインの開発が行える。開発したソフト、プラグインはヤマハのチェックを経た上で全て「VOCALOID Store」で配布・販売される(プラグインの入手はVOCALOID STOREへのユーザー登録が必要)。
また、合成エンジン自体のライセンスも行う。
なお、産総研の「ぼかりす」がヤマハよりプラグインとして2012年10月19日に発売された。
Mac対応
2013年8月にMac/WIN両対応版の「VOCALOID Editor for Cubase NEO」が発売された。既存のWin用「VOCALOID Editor for Cubase」購入者がMac版を利用する場合は新規に買い直すことになる。VOCALOID3 Editor、Tiny VOCALOID3 EditorについてはMac対応は今のところない模様。
歌声ライブラリについては、Macに対応した製品を新規に発売する、既存ライブラリ購入者にはMac用インストーラーを提供する、等の対応が取られる。
http://jp.yamaha.com/news_release/2013/13072401.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1307/24/news143.html
Mac対応状況
現時点、発売しているV3ライブラリはMac対応済み(Mac版インストーラーが提供されている)と未対応のものが存在しているため、ここにまとめる。なお、Macへの対応するのはV3ライブラリのみであるのでV2については記述しない。
- クリプトン:初音ミク V3、KAITO V3、MEIKO V3・・・(発売済みのV3は対応完了)
- インターネット:がくっぽいど、メグッポイド、Lily、CUL、kokone(心響)・・・(発売済みのV3は対応完了)
- AHS:結月ゆかり・・・(発売済みのV3は対応完了)
- ヤマハ:VY1V3、VY2V3、Mew、蒼姫ラピス、ZOLA Project、メルリ・・・(兎眠りおん以外対応完了)
- その他企業:IA、マクネナナ
※KAITO V3についてはMEIKO V3のリリースごろにMac版の提供予定とのこと。→2014年2月15日に対応
※兎眠りおんについてはMac対応のラインナップの中にそもそも入っていない。
※IAについてはMac対応は社内で検討中とツイッターで回答→12月5日にMac版対応
※今後発売予定のライブラリ(MEIKO V3、メルリ、東北ずん子、マクネナナ等) は最初からMac版ライブラリが同梱された状態で発売されるものと思われる。
その他
- VOCALOIDを外部DAWからプラグインとして使用する機能とReWire接続機能は廃止
- ソフトウェアは32bitのみの提供になる。(64bitOS上では32bit互換モード(WOW64)で動作する)[2]
※ReWireについては、VOCALOID3EditorをReWire化するツールが出現している。[3]
VOCALOID3歌声ライブラリ一覧
販売品
非売品・その他
関連動画・生放送
関連項目・外部リンク
- ボーカロイド公式サイト http://www.vocaloid.com/
- VOCALOID3楽曲コンテスト http://info.nicovideo.jp/v3contest/
- 歌声合成ソフト 「VOCALOID™」の新バージョン 『VOCALOID™3』を開発 2011.6.8
- YAMAHA
- VOCALOID
脚注
- *https://net.vocaloid.com/articles/support_info_v2_import
- *【藤本健のDigital Audio Laboratory】第465回:進化した「VOCALOID3」の改善点をチェック -AV Watch
- *http://blogs.yahoo.co.jp/alipapa_p
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