概要
JRAや公営競技を開催する地方自治体などは法律で「公共の目的のために収益金の一部を控除して拠出すること」を条件に馬券などを売る、要するに胴元としてギャンブルを行うことが認められているが、ノミ屋にはそのような大義名分もなく自己利益のために馬券を売り、時には「払い戻しをする」と言って払い戻さず投票券を着服するということもあった。この着服を「ノミ(呑み)行為」といい、ノミ屋の名前はここから来ている。これらの行為は先に挙げた通り賭博罪に問われる他、買った馬券を払い戻すと言って払い戻さなければ詐欺罪、またノミ屋開設の地点で主催者以外が投票券を売ってはならないとする競馬法などの根拠法違反に問われることになる。
かつては場外の締切が早い、中央競馬では買えるレースも限定されている、電話投票がないなどの理由からそれが営業して儲かる余地が多々あり、これにより主催者の利益が減るだけでなく、暴力団の収益源になったことから問題視されていた。1970年代になり電話投票が普及したり、馬券を買った額を自動集計するトータリゼータという大型コンピュータの進歩で買えるレースが拡大し締切時刻も繰り下げられた一方で、1985年に暴力団も暴力団でシマ争いを高知競輪場の中で起こしたことから締め付けが厳しくなり、出禁にされる暴力団員が相次いだ。
21世紀頃に入る頃には旧来の私設投票所タイプのノミ屋は絶滅したといわれているが、今度は海外に拠点を置くブックメーカーからインターネットで馬券を買うことができるようになった。イギリスやアメリカでも州によってはこれは合法として許可されているが、日本国内では主催者以外が投票券を販売する行為は全て「ノミ屋行為」となり、競馬法違反や賭博罪で処罰される可能性がある。投票券は主催者公式、または主催者と提携したサイトから買うように。
ブックメーカーは、日本の公営競技で行われているパリミュチエル方式とは大きく異なる。
- パリミュチエル方式では賭式別に売上を合計し、控除率(つまり運営の取り分)を差し引いた後、それを的中票ごとに分配する。なので、発売締切までオッズは確定せず、かつ運営は(よほど人気が集中して元返しになるようなことがない限り)きちんと収益を得ることができる。また、出走取消・競走除外・欠場など、レースに出走しない場合は返還対象になる
- ブックメーカー方式では契約成立時に倍率を確定し、的中時にはその倍率で払い戻す。ブックメーカーは必要であれば倍率を変動させるが、すでに契約した人に対しては契約した倍率で払い戻す義務がある(なので、予測を見誤るとブックメーカーが赤字になることもある)。また、出走登録が始まってない段階でも賭けを開始することができる。そもそも出走登録しなかったり、出走取消・競走除外・欠場などになった場合、そこに賭けられたものはすべて外れ扱いである
なお、ザ・ドリフターズの志村けんと仲本工事がこのノミ屋行為を行い書類送検の刑事処分を受けたことがある。
関連項目
- 3
- 0pt

