いすゞ・ガーラとは、いすゞ自動車が発売している大型観光バスのブランドである。1996年登場の初代ガーラ、2000年登場の通称ガーラ2000、日野自動車のセレガとの統合車種である2代目ガーラ(通称セレガーラ)の3モデルが存在する。
車名は英語・フランス語で「お祭り・陽気な」を表すGalaから。
初代ガーラは1996年に従来のスーパークルーザーをモデルチェンジする形で登場した。初代ガーラはV10・V12・V8のエンジンを搭載するモデルを用意しており、当時のいすゞP系エンジンフルラインナップでバス搭載を果たしている。
ちなみに日本製大型観光バスで最初にエアバッグを搭載したのはこのガーラである。
1996年登場。先述の通り、従来のスーパークルーザーをモデルチェンジしたモデルで、1997年からはエアバッグを搭載した。
エンジンはV10の10PE1-H、10PE1-N、V12の12PE1-S、12PE1-Cをそれぞれ12mクラス車に搭載。V8は8PE1-S型を9mクラス車に搭載。ちなみにV8エンジンは路線車のキュービックと同じ。
ラインナップは12m車で3種類、9mは1種類のみ。詳細は以下の通り
ハイデッカーの車高は3.3m、スーパーハイデッカー・グレースハイデッカーの車高は3.6m。
型式はV10エンジン車がKC-LV781R1又はKC-LV781N1、V12エンジン車はKC-LV782R1、V8エンジン車はKC-LV780H1。
2000年に平成11年排ガス規制適合に合わせたマイナーチェンジを実施したもの。ガーラ2000という通称で呼ばれる。
先代のKC-LV系とはヘッドランプベゼルの色がグレーメタリックになった点、後部のテールランプがリアウインドウ下からバンパー内に移った点で見分けがつく。しかし実際の所テールランプはリアウィンドウ下にも設けられており、テールランプを増設した形になる。
エンジンは12PE1から新V8・8TD1型に換装、8TD1-S型(480PS)と8TD1-C型(450PS)、8TD1-N型(410PS)と10PE1-S型(360PS)になる。8TD1-S型の出力480馬力は国産観光バスの中では最強出力である。
型式はV8の8TD1型エンジン搭載車がKL-LV774R2、V10の10PE1型エンジン搭載車がKL-LV781R2で、8PE1型エンジン搭載の9m車がKL-LV780H2となる。
なお2004年に日野自動車といすゞ自動車のバス製造部門が統合してジェイ・バスとなり、観光バスの製造が原則旧日野車体工業小松工場のジェイ・バス小松工場へ移行したが、ガーラだけは旧いすゞバス製造宇都宮工場のジェイ・バス宇都宮工場で2005年8月まで製造が続けられた。
2001年からいすゞ自動車の中国の現地法人「広州いすゞ」でも製造を開始した。こちらは「広州GALA」と呼ばれる。
現地ボディメーカーによって広州ガーラのコピー同然の車が出回っており、中にはいすゞとは全く無縁の会社が製造した車両が堂々と「五十鈴」とロゴを入れた車両もある。ちなみに広州いすゞも現地での部品調達の関係で、ガーラオリジナルボディではなく、ライバルの三菱ふそう・エアロバスのコピー同然のボディを架装していた時期がある。
日本のガーラとはラインナップが異なり、全長12m、9mクラスの他に11mクラス車が設定されている。この他中国独自の寝台バスも設定あり。日本では法規制の関係上、乗客が使用できる寝台付バスを販売することは出来ない。
日野自動車といすゞ自動車のバス製造事業が統合され、日野自動車のセレガとの統合車種となったのが2代目ガーラである。正式な車名はあくまでも「ガーラ」であり、2代目ガーラというのは区分上の便宜上の呼び方である。ファンなどからは「セレガーラ」とも呼ばれる。
セレガとの統合車種であるため、実質セレガのフルモデルチェンジ車と言え、見た目はセレガとほとんど同じである。以下はセレガとの差異のほんの一例である。
なおこれらはあくまでもほんの一例であり、正直言って書いてる本人もよく分からないので、確実に見分けたければ車内のメーカーズプレート、ステアリングホイールのロゴで見分けるのが早い。車番でメーカーを区別している事業者であればそれで分かる場合もあるし、当然のことだが車体にメーカーエンブレムを掲げる事業者であればそれで分かる。
基本的なラインナップは日野・セレガと同一で、12mスーパーハイデッカー(SHD)・ハイデッカー(HD)・ハイデッカー廉価版(HD-VP)、9mハイデッカー(HD9)の4種類である。
このモデルチェンジから従来対応していた西日本車体工業での架装が出来なくなった。
車高は直結エアコンを全車標準採用してサブエンジン式エアコンを廃止した。これによってコンデンサが屋根上搭載となりハイデッカーシリーズが3.5m、スーパーハイデッカーは3.75mと従来のハイデッカー・スーパーハイデッカーよりも高くなっている。特にスーパーハイデッカー車は高さ制限の厳しいバスターミナルへの乗入れが多い事業者では導入されていない。
2005年8月にフルモデルチェンジを実施。エンジンは日野製のE13C型(ハイデッカー12m・スーパーハイデッカー)、9mハイデッカーは同じく日野製のJ08E型を搭載する。
型式は以下の通り。エンジン出力はSHDは460馬力のみ、HDは460馬力か380馬力のどちらか、HD9は270馬力のみ。これは以後のモデルもほぼ同じ。
2006年7月にエンジン周りのマイナーチェンジを実施。平成27年重量車燃費基準達成とPMのみ10%低減を達成し、12m車がPKG-RU系、9m車がBDG-RU系を名乗る。
見た目はADG-RU系と大きな違いはなく、リアに燃費基準達成車という緑色のステッカーが貼ってあれば見分けることが出来る。
2010年8月にマイナーチェンジを実施。12m車はエンジンが日野製ET-X型 ・ET-XI型 から日野製ET-VI (450PS) ・ET-I (360PS) にそれぞれ換装された。このエンジン換装によって平成21年排ガス規制適合と平成27年重量車燃費基準の両方を達成した。一方9m車はエンジンが日野製J08-VI型 (270ps) からJ08-VIII (280PS)に換装され、車両総重量(GVW)12トン超車が平成21年排出ガス規制に、車両総重量12トン以下車が平成22年排出ガス規制に適合した。
安全装備として車間距離制御・衝突被害軽減ブレーキ・車間距離警報装置が標準化された。この関係上、フロントのデザインがADG-規制車、PKG-・BDG-規制車と微妙に異なる。更に12m車であれば尿素水注入口が後輪とルーバーの間にあるのでこれでも見分けがつく。
実はこの代の途中で、ハイデッカー廉価版のHD-VPがカタログ落ちしている。
型式は以下の通り
2012年6月と7月にシリーズ全体をマイナーチェンジして発売されることが発表された。このマイナーチェンジでエンジンが再び変更され、12m360馬力エンジン搭載車が日野製のET-I型から燃費性能向上とダウンサイジングを両立したAT-VIII型エンジン(日野製)に換装。同時にA09Cエンジンを搭載する車両で7速MTが標準化された。
更に全車に車両安定制御システムが標準装備されてさらなる安全性の向上が図られた。なおHD9の型式の変更はない。
ラインナップは以下の通り。
2014年4月にマイナーチェンジを実施。日野製ET-VIエンジン搭載車も、A09Cエンジン搭載車同様、重量車燃費値が基準値より10%以上向上。これによって「平成27年度燃費基準値+10%達成車」となったと同時に、ET-VIエンジン搭載車の型式もQRG-RU1E系となった。合わせてET-VIエンジン搭載車とA09Cエンジン搭載車は燃料添加弁を追加したことで、DPRクリーナーが改良された。
安全装備にも改良が加えられ、衝突被害軽減ブレーキが先行車への追突回避支援機能を追加した上で改良され、車線逸脱警報とドライバーモニターが標準化された。
LKG-代の途中でカタログ落ちした廉価版ハイデッカーのHD-VPが今モデルより復活している。
初代ガーラ・ガーラ2000のみだが、西日本車体工業・富士重工業製の車体を架装した車両が導入されている。
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最終更新:2025/01/14(火) 11:00
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